北朝鮮、核兵器実戦配備まであと3年、5年?/北朝鮮の核保有のモデルは中国である

2013-02-10 | 国際/中国/アジア

北朝鮮、核兵器実戦配備まであと3年、5年? 米韓は「先制攻撃」も視野に
産経新聞2013/02/09 13:29更新【朝鮮半島ウオッチ】
 秒読みに入った北朝鮮による核実験。目的は小型化による核弾頭化とウラン型への転換とみられ、北朝鮮の核ミサイル配備までの時間的猶予について専門家は「最短で3~5年以内」とみる。核実験で「小型化」が成功すれば朝鮮半島情勢は一変し、準戦時体制ともいえる局面に入ることになる。こうした危機感を共有する米韓両国は昨秋の米韓定例安保協議(SCM)で「先制攻撃」も視野に入れた対北核戦略の検討に入ったとされる。(久保田るり子)
 ■警告、威嚇、激高する小声高な「金正恩スタイル」
 北朝鮮は1月後半から「やるぞ、やるぞ」と核実験予告を繰り返していた。外務省声明、国防委員会声明、金正恩氏自身が招集した「国家安全・対外部門幹部協議会」の開催などその威嚇ぶりは絶叫調である。
 父、金正日時代とは明らかに違うこの「金正恩スタイル」の狙いについて、米専門家は「核保有国としての実験の正当性の強調、暴発の深刻さの宣伝、さらに交渉局面に転じたときの代価のつり上げだろう」と分析している。
 別の軍事専門家は「北朝鮮はすでに憲法に“核保有国”であることを明記しており、その存在の国際的な既成事実化を着実に進めている。同時に国際世論に戦争の危機を煽って、万が一の米韓による軍事オプションを抑止する効果も狙っているのだろう」と話す。
 米韓両国は2月4日から3日間にわたって日本海で合同軍事訓練を行い、同訓練で米軍は原子力潜水艦、イージス艦を韓国に派遣した。米軍の軍事訓練はいつでも実戦に切り替えられるため、北朝鮮に恐怖を与える最大の圧力だ。
 北朝鮮の威嚇と米韓の威圧-。金正恩氏の声高な「核実験予告」は、欧州の格言にある「よく吠える犬は臆病者」を体現しているのかもしれない。
 ■中国は金正恩氏を本当に説得できるのか? 
 このところ複数の韓国メディアが、中国がいつになく北朝鮮の核実験強行に神経をとがらせている様子を伝えている。
 中央日報(8日付)は「中国国防部が北朝鮮人民武力部に連日、実験の自制を要求している」と伝え、朝鮮日報(7日付)は「中国外務省が1月下旬に3回、実験自制を要求」したと報じた。しかし、日米韓の研究者は中国の自制の効果について疑問視する向きが多い。理由は歴史的経緯からだ。
 北朝鮮の核保有のモデルは中国である
 朝鮮戦争(1950-53年)で中国が50年、朝鮮戦争に参戦すると、米国は「満州に原爆を投下する」と脅した。当時、マッカーサー(朝鮮半島における米軍最高責任者)は北朝鮮北部での核兵器使用が必要と主張、トルーマン米大統領も「核兵器使用を考慮する」との声明を出した。 52年に米国が水爆実験を行い、翌53年にはソ連も水爆実験を実施した。
 核の脅威を思い知った毛沢東は核武装の決意を固める。中国はその後も54年、55年の2回、インドシナ半島などでの紛争で米国から核の威嚇を受けた。56年、ソ連がモスクワ近郊にドブナ核研究所を開設すると、中国は留学生を一度に950人も送り込んだ。
 この核威嚇合戦のなかで核開発を決意したもうひとりの独裁者が北朝鮮の金日成だった。北朝鮮は55年にはソ連と科学技術協定を締結、ドブナ核研究所に約250人の留学生を送り、彼らが北朝鮮核開発の基礎を担った。
 核開発を至上命題とした毛沢東は50年代末から60年代に農村に自給自足させ6000万人の餓死者を出した「大躍進時代」もなりふり構わず核開発を続け、64年に核実験に成功。70年に人工衛星を打ち上げ80年には米国に届く大陸間弾道弾(ICBM)の発射に成功し核大国になった。
 一方の北朝鮮は昨年12月、念願の長距離弾道ミサイルの発射成功でようやく中国の70-80年代並となった。中国を見習い核ミサイル戦略を構築してきた祖父以来の父の遺訓に従う金正恩氏が、自国の経緯を棚上げに「北朝鮮は核開発を自粛せよ」とする中国の説得に簡単に応じるワケはない。「持った方が勝ち」なのは証明済みだ。
 ■本格的核武装に「北朝鮮への先制攻撃」というシナリオ
 米韓の軍事情報に詳しい関係筋によると、金正恩氏の思考方式や決断力、金正恩政権について分析について両国は「政権は不安定、金正恩政権の政策決定は予測不可能、本人の性向は大胆で唐突、無鉄砲」と評価しているという。
 しかし米韓両軍による「先制攻撃」はあくまで軍事作戦に対応したもので「核実験への先制攻撃はありえない」。だが北朝鮮が数年内に核弾頭の小型化を完成すれば情勢は一変する。「米本土攻撃が可能となった場合は米国が対北武力行使を真剣に検討することになるだろう」
 米韓定例安保協議(SMC)を待つまでもなく、北朝鮮の核武装を前提とした朝鮮半島有事シナリオは米韓共同軍事作戦としてすでに完成しているというのが軍事専門家の一般的な見方だ。確実に悪夢のシナリオが現実の方に近づいてきている。
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北朝鮮「核保有国入り」を宣言 / 韓国「朝鮮半島の安保環境は重大な局面に入った」と危機感 2013-02-14 | 国際/中国/アジア 
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