中日新聞2006年12月2日夕刊
元連合赤軍・永田死刑囚らの再審棄却
東京地裁
東京地裁(高橋徹裁判長)は、一連の連合赤軍事件などで殺人、死体遺棄罪などに問われ、死刑が確定した元連合赤軍幹部永田洋子(61)、坂口弘(60)両死刑囚が申し立てていた再審請求を棄却する決定をした。決定は11月28日付。
永田死刑囚は事実誤認があったとして請求。坂口死刑囚は、銃撃戦に巻き込まれ死亡した民間人について「医療ミスが原因」とした新鑑定書などを証拠に、殺人罪などを認定した判決は誤りで、傷害致死罪などにとどまるとして請求した。
確定判決によると、永田死刑囚らは1971年8月、組織を抜け逃走した仲間2人を絞殺、遺体を千葉県の印旛沼付近に埋めた。さらに群馬県・榛名山などの山岳アジトで仲間12人を殺害。
72年2月、坂口死刑囚らは長野県・軽井沢のあさま山荘に管理人の妻を人質にして立てこもり、銃撃戦で警官2人、民間人1人を射殺、警官ら16人に重軽傷を負わせた。
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(共同) (2006年11月25日 02時01分)
東京地裁「新証拠ない」
東京地裁(栃木力裁判長)が1974、75年の連続企業爆破事件で殺人罪などに問われ、死刑が確定した「東アジア反日武装戦線」の大道寺将司死刑囚(58)と益永利明死刑囚(58)の第2次再審請求を棄却する決定をしたことが24日、関係者の話で分かった。
死刑囚側が提出した証拠を「判決の殺意認定に合理的疑いを生じさせる新しい証拠とは認められない」と判断した。決定は22日付。
関係者によると、第2次再審請求は93年6月で、死者8人、重軽傷者165人を出した74年8月の三菱重工ビルの爆破に使用された爆弾の新たな鑑定に基づき、死刑囚側は「人を殺害するほどの威力があると認識しておらず、殺意はなかった」と主張した。
しかし、同地裁決定は「威力について正確に認識している必要はなく、2人は爆破実験を踏まえ、威力の強大な爆弾の製造を目指した」として退けた。
大道寺死刑囚らは三菱重工爆破など一連の企業爆破事件で、87年3月に最高裁で死刑が確定した。88年にも爆弾の鑑定結果を基に再審請求したが、棄却された。