古典落語に・・・  一家の中学生と小学生の子どもを思う。

2008-02-01 | 社会

中日新聞夕刊 夕歩道
2008年1月31日

 古典落語に「居残り佐平次」というのがある。主人公、佐平次が江戸・品川の遊里で豪遊するがもとより無一文。途中で知り合った男たちを仲間に誘ったりする。結局は無銭飲食で店の一室に押し込められる。

 ひどいワルだが自分一人で罪を背負い、なにかと店に役立つのが救い。したがってだんだん重宝がられる。それで思い出した。この年始年末、新潟県妙高市赤倉の旅館で“居残り”を続けた一家がいたという。

 十七日間も家族五人で無銭宿泊をしていた。詐欺の疑いで妻は逮捕されたが一家の中学生と小学生の子どもを思う。どんな気持ちで冬景色を眺めたことだろう。大人が考えているより子どもは敏感なのである。


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