神戸児童連続殺傷事件から19年 土師守さん、心情を吐露 2016/5/24

2016-05-24 | 神戸 連続児童殺傷事件 酒鬼薔薇聖斗

2016.5.24 03:00更新
【神戸児童連続殺傷事件から19年】
土師守さん「加害男性への教育は何の意味もなかった」 手記で心情を吐露
 神戸市須磨区で平成9年に起きた児童連続殺傷事件で、土師(はせ)淳君=当時(11)=が加害男性(33)に殺害されてから24日で丸19年。父親の守さん(60)が心境をつづった手記を弁護士を通じて公表するとともに、報道各社の質問に文書で回答した。
 守さんは、淳君への心情を「何年たとうとも親の子供への想(おも)いは変わることはありません」と吐露。加害男性が昨年、手記を出版したことに関連し、「私たちは出版の停止と手記の回収を申し入れましたが、受け入れようとはしませんでした」と打ち明けた。
 加害者の更生のあり方については、「加害男性は犯した罪に対する罰は何も受けていません。彼が受けたのはあくまで教育です」と指摘した上で、「彼への教育はまったく何の意味もなかったということです。現状については変えていく必要があるのではないかと思います」とした。
 一方、自治体による被害者支援の条例制定の動きをめぐっては、「この条例があることにより、窓口の対応が大きく変わってきます」と利点を挙げ、「今後も、被害者支援条例を制定する自治体が増えていってほしいと願っています」とつづった。
 土師守さんが寄せた手記の全文は次の通り。
  *
 この5月24日で、淳が亡くなってから19回目の命日がやってきます。私たち遺族は、19年前のあの日起きたことを昨日のことのように鮮明に覚えています。何年たとうとも、親の子供への想(おも)いは変わることはありません。
 今年は、加害男性から手紙は受け取っていません。私たちといたしましては、彼とはもうかかわり合いたくないという思いです。
 昨年6月に、加害男性は被害者や遺族に何の断りもなく、被害者をさらに傷つけるような手記を出版しました。殺人などの重大事件の加害者が、自分が犯した犯罪に関する書籍を出版することは、被害者の精神へのさらなる加害行為といえます。「表現の自由」とは別次元の話だと思います。本来でしたら、出版そのものが禁止されるべきであると思いますが、最低でも何らかの規制は必要であると考えています。
 近年、犯罪被害者支援条例が多くの自治体で制定されています。兵庫県内でも多くの自治体で制定され、さらに制定に向けて動いている自治体も見られます。被害者支援条例の制定により、地方自治体の犯罪被害者に対する対応が大きく改善されるであろうことは、非常に重要なことであると思いますが、この条例の制定において最も重要なことは、犯罪被害者にとってのよりどころができるということだと思います。
 今後も、自治体の犯罪被害者支援条例の制定の流れが進むことを期待するとともに、犯罪被害者に対するさらなる支援体制の強化を願っています。
 平成28年5月24日 土師守

 ◎上記事は[産経新聞]からの転載・引用です
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『絶歌』元少年A著 2015年6月 初版発行 太田出版 (神戸連続児童殺傷事件 酒鬼薔薇聖斗) 
元少年Aの手記『絶歌』…「制限事例にあたらず」日本図書館協会
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神戸連続児童殺傷事件 元少年Aの手記『絶歌』出版を受け、遺族が太田出版に抗議文送付 2015.6.12付  
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◇ 神戸連続児童殺傷事件から17年 土師守さんが手記 今年も元少年から手紙「1年毎に変化 人間として成長」  
遺族の許しはありえるのか 神戸児童連続殺傷事件 土師守さん 17年の歳月が流れてなお
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2015.9.7 08:23更新
【リレーコラム】「絶歌」出版の元少年Aが手にする印税は数千万円なのに…刑事司法改革関連法案にみる文明のコストとは
 「それは文明のコストだ」と、ある委員が言っていた。
 自民党などが成立を目指す刑事司法改革関連法案。司法取引の導入や取り調べの可視化義務付けのほかに、起訴前に国選弁護人が付けられる「被疑者国選弁護制度」の拡充も盛り込まれ、身柄拘束されたすべての事件がその対象とされた。
 試案を取りまとめた法制審議会の特別部会では、新たに生じる公費負担が20億円との数字も出たのだが、そんな「カネ」の話への違和感が冒頭の委員発言につながったようだ。それは憲法の理念を担保するために不可欠なコストだ、と。
 不条理な冤罪事件がこれほど明るみに出れば、同制度の充実は国民的要請といえるかもしれない。ただ、カネの問題ではないと、そこまで潔くていいのか。
 同制度でかかった費用は平成21年度の35億円が26年度は60億円まで伸びた(当初予算ベース)。対象事件数は横ばいなのに、弁護士の接見が多くて、経費がかさんでいるとも指摘される。一方、犯罪被害者が公判に参加できる制度で弁護士に支払われた公費はわずか1億円(26年度)だ。
 「社会の中で人並みに生活していくことができませんでした」
 騒動になった手記「絶歌」(太田出版)にそうつづった神戸児童連続殺傷事件の元少年Aが、手にする印税は数千万円に上るともいわれる。
 犯罪被害者の遺族が受け取ることのできる給付金の上限は3千万円。死亡時の収入が基準になるため、就労前の子供の命を奪われても、遺族には数百万円しか渡らない。
 「絶歌」出版前、殺害された土師淳君=当時(11)=の父親で医師の守さんは報道各社に寄せた手記の中で、犯罪被害により生活困窮に陥る人がいることを踏まえ、「以前の生活に速やかに戻れる制度を」と経済的補償の改善を訴えていた。
 文明のコストとは何だろう。
(司法担当 宝田良平)

 ◎上記事は[産経新聞]からの転載・引用です
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神戸連続児童殺傷事件18年 加害男性からの手紙…「真相をこれ以上求めるのは難しいのかな」土師守さん

2015/5/24 06:01男児殺害18年 加害者の変化、手紙で実感 神戸連続児童殺傷事件 1997年に起きた神戸連続児童殺傷事件で、小学6年の土師淳君=当時(11)=が殺害され...
 

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