神戸連続児童殺傷事件18年 加害男性からの手紙…「真相をこれ以上求めるのは難しいのかな」土師守さん

2015-05-24 | 神戸 連続児童殺傷事件 酒鬼薔薇聖斗

2015/5/24 06:01
男児殺害18年 加害者の変化、手紙で実感 神戸連続児童殺傷事件
 1997年に起きた神戸連続児童殺傷事件で、小学6年の土師淳君=当時(11)=が殺害されて24日で丸18年になる。父親の守さん(59)が神戸新聞社の取材に応じ、加害男性(32)から届いた手紙について「例年と異なり、初めて自分の言葉で事件を振り返っているような印象を受けた」と語った。(長谷部崇)
 「18年というと長く感じるし、自分も年をとったけれど、親にしたら何年たとうと子どもに対する気持ちは変わらない」。日常生活のふとした拍子に淳君の姿が浮かぶという。「どこかに出掛けた時、『昔、淳と一緒に来たな』とか、泣いちゃった時の顔とか」
 加害男性から、今年も5月中旬に弁護士を通じて手紙を受け取った。「読むのは親としての義務と思っている」。今年の文面は昨年までと違う印象を受けたといい「18年たってようやく、彼自身の考えをつづれるようになったのかなと」。
 「彼(加害男性)に会いたいとは思ってないから、事件の真相をこれ以上求めるのは難しいのかなとも思う」と守さん。ただ「自分の犯した罪に向き合い、生涯反省の気持ちを持ち続けてほしい」と話す。
 4月、月刊「文芸春秋」に男性を医療少年院送致とした神戸家裁の決定全文が掲載された。「元判事が守秘義務を犯してまで、なぜ今公開しなくてはならないのか。理解できないし、傲慢だと思う」と憤る。
 長年、被害者支援にも携わってきた。現状の課題について「遺族に対する経済補償は被害者の年齢や収入で差があり、親族間犯罪で適用されないなど事件が原因で経済的にも本当に苦しんでいる人が救済されていない。改善を求めていきたい」としている。
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2015/5/24 06:20
月刊誌に家裁決定文 土師さん「遺族にとってつらい」
 1997年の神戸連続児童殺傷事件で、小学6年の土師淳君=当時(11)=が犠牲となって24日で18年。父親の守さん(59)が、報道各社の質問に対し文書で回答した。
 報道各社と守さんの主なやり取りは次の通り。

---長崎県佐世保市や川崎市など各地で少年少女による殺人事件が相次ぎました。昨今の少年事件についてお考えをお聞かせください。
 「最近、少年少女による凄惨(せいさん)な事件が目を引いています。
 複数の加害者による傷害行為がエスカレートして殺人に及ぶ場合や、本当になぜ殺人に及ぶのかが理解できないような場合もあるように思います。
 どちらの場合についても言えることは、加害者には命の重要性に対する理解が非常に乏しいことではないでしょうか。命の大切さを理解するためには、やはり生育環境が非常に影響を及ぼすと考えますが、さらに学校などでの教育も重要だと思います。
 悲惨な事件を減らしていくためにも、社会として考え、有効な施策を実行してほしいと思います」
---月刊誌「文芸春秋」5月号に加害男性を「医療少年院送致」とした神戸家裁の決定全文が掲載されました。どのように受け止められたかあらためてお聞かせください。
 「少年審判の家裁決定文は、本来非公開のはずです。それを、元判事が守秘義務を犯してまで、18年後の現在に、なぜ公開しなければいけないのか、私には全く理解ができません。遺族の心情を考慮すると、非常に問題だと思います。加害男性については、やはり特殊な例であり、興味本位で読まれることは、18年たった今でも、遺族にとっては非常につらいことです。
 犯罪被害者や遺族は、事件後もマスコミなどにより二次被害、三次被害を受け、さらに厳しい状況へと追い込まれていきます。この状況になることを避けるようにと多くの方々が努力しているときに、事件に関わった法曹関係者が、その原因を作るようなことはあってはならないことです」

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朝日新聞デジタル
土師守さん手記全文 「子どもへの想い変わらない」
  2015年5月24日03時05分
 神戸市須磨区で起きた連続児童殺傷事件で、当時少年の男性(32)に殺害された土師淳君(当時11)の父の守さん(59)が報道各社に寄せた手記の全文は次の通り。

 この5月24日で、淳が私たち家族の前から姿を消してから18年という歳月が過ぎたことになります。18年という歳月は非常に長いと思いますが、私たち遺族にとっては、どれほどの歳月が経とうとも、子供への想(おも)いは変わることはありません。
 今年も5月中旬に弁護士を通して、加害男性からの手紙が届きました。内容についてはお話しできませんが、昨年までとは異なり、私たちが事件の真の原因を知りたいと望んでいたことに対して彼なりの考えをつづっていたと思います。それで全てがわかったということではありませんが、これ以上は難しいのではないかとも考えています。加害男性については、自分が犯した罪に生涯向き合い、反省の気持ちを持ち続けて欲しいと思います。
 近年、被害者支援条例が、全国的に多くの自治体で成立しており、兵庫県内でもかなりの数の自治体で成立しています。いまだに条例の制定の予定が無い自治体も多くあるようですが、そのような中、明石市では、現在のところ全国でも最も進んだ内容の条例改正が昨年4月に施行されました。被害者支援条例の制定は、被害者にとってのよりどころが出来るという点で、非常に重要な意味を持っています。被害者支援条例を制定する動きがさらに加速して欲しいと願っていますが、さらに、その内容についても、制定したことだけで終わるので無く、さらにより支援の実効性が上がるような体制の構築や条例の改正も検討してもらいたいと思っています。
 2004年に「全国犯罪被害者の会(あすの会)」の活動が実り、犯罪被害者等基本法が成立しました。それ以降、犯罪被害者のための多くの法律や制度ができ、犯罪被害者を取り巻く環境は大きく改善されてきました。しかしながら、まだまだ救われていない多くの被害者が存在します。あすの会では、特に犯罪被害により生活に困窮している被害者に対する経済的補償制度につき、現在も強く改善を求めています。全ての犯罪被害者が、被害を受ける以前の生活に出来るだけ速やかに戻ることが出来るような制度を、さらに整備して欲しいと思います。
 平成27年5月24日
土師守

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