沖縄「密約文書」訴訟が結審 判決は4月9日

2010-02-19 | 政治〈領土/防衛/安全保障/憲法/歴史認識〉

沖縄密約訴訟:東京地裁で結審…判決は4月9日
 沖縄返還(72年)を巡り、日米両政府が交わした密約文書を開示するよう西山太吉・元毎日新聞記者(78)ら25人が政府に求めた情報公開訴訟が16日、東京地裁(杉原則彦裁判長)で結審した。判決は4月9日。
 開示を求めているのは、米国が本来負担すべき旧軍用地の原状回復補償費(400万ドル)を日本が肩代わりすることを示す文書など計3件。米国では既に開示されている。
 国側はこの日、吉野文六・元外務省アメリカ局長が密約の文書の写しが存在したことを前回の法廷で証言したことについて「推測による供述にとどまる」と、改めて文書が存在しないことを主張。密約の有無も「外務省と財務省が沖縄返還にかかわる密約の調査を継続中」として言及しなかった。
毎日新聞 2010年2月16日 20時08分
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沖縄「密約文書」訴訟が結審 判決は4月9日
朝日新聞2010年2月16日22時45分
 作家の澤地久枝さんらが原告となって、1972年の沖縄返還の際に日米が交わしたとされる「密約文書」の開示を国に求めている情報公開訴訟が16日、東京地裁で結審した。国側は改めて「文書は保有していない」と主張。杉原則彦裁判長は、判決の言い渡しを4月9日に指定した。
 密約の問題をめぐっては、密約を検証している外務省の有識者委員会が3月にも報告書をまとめる予定。国側は昨年12月に開かれた前回の口頭弁論では、有識者委が検証中だとして、文書の有無の認否を留保していた。
 「文書がない」とした理由について、国側はこの日、(1)別の訴訟で05~06年にかけて同様の文書を探したが存在しなかった(2)密約文書のコピーを日本も保管したはずだとした吉野文六・元外務省アメリカ局長の昨年12月の証言は推測による供述にとどまる――などと主張した。
 原告の澤地さんは閉廷後の記者会見で「資料によって主権者に説明する義務を負っているという意識が国には欠けている」と語った。
 外務省の公文書管理のあり方については、日本弁護士連合会も「強い非難に値する」と批判する意見書を今月公表した。密約文書の管理状況を調べ、もし文書が廃棄されているならば時期や理由についても踏み込んで検証するように有識者委へ求めており、18日に外務省に直接申し入れる。(谷津憲郎)

沖縄密約国賠訴訟


2 コメント

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密約文書の件 (平山れい子)
2010-02-25 22:54:01
質問です。(2月16日の朝日新聞記事)東京地裁で結審した。国側は改めて「文書は保有していない」と主張。と、ありますが「国側」とは、具体的に誰を指すのでしょうか、国の窓口になっているのはどこなのでしょうか。吉野文六氏の証言を認めないのは正しいのか、どう判断したらいいかわかりません。当事者の証言、勇気ある証言であるのに。民主党政権に変わってもなお、真実は究明できないのでしょうか。
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Re:密約文書の件 (ゆうこ)
2010-02-26 10:01:09
平山れい子様
 初めまして。
>「国側」とは、具体的に誰
 当該「官庁」、というふうに私は理解しています。この場合は外務省ですね。外務官僚ということでしょう。「密約」を検証しているのも、外務省の有識者委員会です。今月24日、4つの「密約」のうち2つについて存在を認定する方向となった、というニュースがありました。http://blog.goo.ne.jp/kanayame_47/e/360cf19766070707cecc66e1f82c1f90(※)
>民主党政権に変わってもなお、真実は究明できないのでしょうか。
 西山太吉さんの裁判で37年前検察側証人だった吉野さん、外務省アメリカ局長の立場で密約を否定しましたが、それにまつわる記事を上のエントリ〈※〉に再収録しています。「沖縄密約証言をよみくらべる」です。杉原則彦裁判長ですし、政権交代も追い風になるかも。期待できるような気がします・・・。
(※)37年前の証言については「当時は政府が『否定しろ、否定しろ」で一致していた。検察官も政府側の役人で、(自分が認めても)偽証罪という形にしたと思う」
⇒民事訴訟法では、元公務員が職務上の秘密にかかわる証言をする場合、所属官庁の承認を得なければならないが、今回の吉野さんの証人出廷については、岡田克也外相が承認。 歴史の扉を開く証人尋問が実現した背景には杉原則彦裁判長の異例の訴訟指揮がある。杉原裁判長は第1回口頭弁論で自ら、吉野氏を証人申請するよう原告側に促した。「米側に密約文書があるのだから、日本側にもあるという主張は、十分理解できる」と述べ、「不存在」を主張する国に「存在しない合理的な理由を示せ」と迫った
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