光市母子殺害事件 検察が「凶悪」事件を作り上げた

2007-07-09 | 光市母子殺害事件

弁護人安田好弘さんの講演(2006/6/19)から。

 実は今回の事件で私が憤りを持ったのは、最高裁の対応だけじゃなくて、弁護士を含めて司法全体の堕落というんでしょうか、司法が司法でなくなってしまっていることです。司法が完全にメルトダウン現象を起こしてしまっている、自壊といっていい状態を、まざまざとこの裁判で見せつけられたわけです。
 死刑廃止フォーラム 90が出している『フォーラム通信』87号に「弁論要旨」を載せていますが、それは3月のはじめから4月20日にかけて、事件を私どもが見直した結果です。
 検察官は1,2審の無期懲役に対して上告しました。その上告の中で、この事件ほど残虐な事件はない、血を凍らせるほどの恐怖感を与える事件である、このような事件が死刑にならないとすると日本社会の秩序そのものが崩壊する、このような悪は根絶しなければならない、というように主張しているわけです。根絶の手段は死刑だと。死刑は憲法が日本国民に保障している平和的生存権に資するものだとまで言っているわけです。度を超した激しい論調といいましょうか、実に冷静さを欠いた小児的な発言であって、検察の主張としても珍しいものですが、この主張は、被害者の被害感情とその心底においてシンクロしている表現だと言っていいだろうと思います。従来の検察官の死刑求刑では、死刑はできるだけ避けなければならないという死刑に対する謙抑的な姿勢が表れているのですが、今回はそういう態度を完全にかなぐり捨ててしまっている。死刑積極主義なわけです。⇒

⇒ http://www.k4.dion.ne.jp/~yuko-k/kiyotaka/ 「最高裁判決と弁護人バッシング報道」


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