秋葉原殺傷事件:加藤智大被告に死刑求刑 東京地裁 第28回公判 2011年1月25日

2011-01-25 | 秋葉原無差別殺傷事件

秋葉原無差別殺傷:加藤被告に死刑求刑
毎日新聞2011年1月25日 16時1分 更新:1月25日 16時11分
 東京・秋葉原で17人が死傷した無差別殺傷事件で、殺人罪などに問われた元派遣社員、加藤智大被告(28)に対し東京地検は25日、東京地裁(村山浩昭裁判長)の第28回公判で死刑を求刑した。2月9日の次回公判で弁護側の最終弁論が行われて結審し、3月24日に判決が言い渡される。
 検察側はこれまでの公判で動機について、派遣社員で就労が不安定▽容姿のコンプレックス▽交際相手がいない--といった悩みが重なったうえで「携帯サイトの掲示板で、偽物や『荒らし行為』に遭って自暴自棄になり、復讐(ふくしゅう)を考えた」などと指摘した。
 これに対し、加藤被告は起訴内容を認めて謝罪した。だが、動機については「自分の居場所だった掲示板に現れる偽者や荒らし行為をする人に対し、事件を起こすことで『やめてほしい』という気持ちを伝えたかった」と述べ、就労と容姿、交際相手を巡る悩みに基づくものではないと否定していた。
 弁護側は「事件時に何らかの精神障害があった可能性がある」として責任能力を争っているが、証人出廷した精神鑑定医は「事件は不満をためて暴発させる被告の抑うつ的、衝動的な性格に由来するもので、精神障害は認められない」と証言。地裁は弁護側が求めた再鑑定実施の請求を却下した。
 起訴状によると、加藤被告は08年6月8日午後0時半ごろ、東京都千代田区の歩行者天国の交差点にトラックで突入して5人をはね、うち3人を死亡させ、さらにダガーナイフで12人を刺し、うち4人を死亡させたとされる。【伊藤直孝】
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〈来栖の独白2011-01-25 〉
 検察側は「犯罪史上まれに見る凶悪事件で人間性のかけらもない悪魔の所業。多数の模倣犯を生み悪影響は計り知れない。命をもって罪を償わせることが正義だ」と述べたそうだ。
 「人間性のかけらもない」「悪魔の所業」とは、極限の形容だ。
 これまでの報道から、公判では検察側証人が列を成した、という印象を私は受けた。この種の事件では、弁護側情状証人は口を開きにくいだろう。
 被告人は「真実を解明することがせめてもの自らの務め」と言い、ありのままに述べている。苦悩の中から、被害者に謝罪の手紙も書き送り、外部との交流も絶って孤独に反省の時を刻んできた。
 動機については「自分の居場所だった掲示板に現れる偽者や荒らし行為をする人に対し、事件を起こすことで『やめてほしい』という気持ちを伝えたかった」と述べ、就労と容姿、交際相手を巡る悩みに基づくものではないと否定した被告人。この供述は保身の故ではないだろう。有利不利を超えた被告人の真実の気持ちであり、「真実を解明」することにあたる。それを否定されたことは、死刑求刑よりも被告人を悲しませたのではないか。加藤被告は罪を悔悟し、とっくに死刑判決を覚悟しているのだから。
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「秋葉原無差別殺傷事件」加藤智大被告 母親との関係〈母親に対する証人尋問 2010.7.8.要旨〉 
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