『氷河期世代が対象』の宝塚市の職員採用…最終試験行われる 市は来年も募集する方針
更新:2019/11/04 18:09
「就職氷河期世代」と呼ばれる30代半ば~40代半ばの人を対象に兵庫県宝塚市が正規職員の採用試験を行っています。採用枠3人程度に対して1800人以上が応募、狭き門となり、11月4日、最終試験が行われました。
宝塚市は大学卒業や高校卒業時に「就職氷河期」で希望通りの就職が叶わなかった30代半ば~40代半ばまでを対象に正規職員の採用試験を行っています。
今年9月22日に行われた1次試験の会場前には長蛇の列ができるなど、採用枠3人程度に対して全国から1800人以上が応募し、競争倍率は600倍を超えました。そんな中、11月4日、2次試験を合格した20人が最終面接に臨みました。
「僕たちの世代を気にかけて、実行してくれることの感謝を伝えてきました。就職が本当になかったのでチャンスがほしかった。今までの経験を踏まえて市民の方の声を聞けるような仕事が出来ればなと。」(最終面接を受けた男性〔41歳〕清掃会社に勤務) 「非常勤職員で1年ごとの更新で働いているので、正規採用されて仕事をしたいと思っていた。」(最終面接を受けた男性〔41歳〕非常勤で働く)
2002年に行われた就職セミナーの映像が残っています。会場にはリクルートスーツ姿の若者が大勢詰めかけていますが、当時は、ITバブル崩壊などの影響で大卒の就職内定率が75%前後と落ち込みました。当時、就職活動した世代は『失われた世代(=ロスジェネ世代)』とも呼ばれています。
【街頭インタビュー 11月4日】
「厳しかったですね。僕は食品関係を中心に5社ぐらい受けたけど、あんまり通るところがなかった。(当時は)自分で応募して企業に就職していくという形しかなかったので、宝塚市の取り組みはいいことだと思う。」(“ロスジェネ世代”の男性〔40歳〕) 「僕の場合は幸いそんなに。数社受けた中で内定が決まったが、周りはけっこう卒業段階で決まってなかった人は多かった。それぐらいの世代は大変だったので、反響は大きいと思う。」(“ロスジェネ世代”の男性〔40歳〕)
宝塚市の職員もこの世代が極端に少ないため、今後、管理職の担い手が不足するのでは、と危機感を持っていたといいます。
「管理職を担うときに極端に人材が少ない。厳しい時代を生きてきて苦労したこともたくさんあるだろうし、市民の辛いことに寄り添って仕事をしていただけると期待している。砂漠に1摘水をたらすようなことですけど、これが広がっていくこと。(年齢的にも)今なら間に合う。」(宝塚市 中川智子市長 10月9日)
今回の結果は11月中旬には合格者に伝えられるということで、宝塚市は来年も職種を広げて募集を行う方針です。
◎上記事は[MBS NEWS]からの転載・引用です