秋葉原無差別殺傷事件〈加藤智大被告〉第5回公判2010.3.11〈被害者〉証人尋問 -下-

2010-03-11 | 秋葉原無差別殺傷事件

<第5回公判-中->からの続き
 《審理再開》
 裁判長「では証人、場合によってはGさんとお呼びするかもしれませんので。まずは、宣誓をしていただきます」
 証人「はい。宣誓、良心に従って真実を述べ…」
 検察官「あなたは平成20年6月8日の午後0時30分過ぎごろ、ソフマップ秋葉原店前で、見知らぬ男に刃物で刺され、殺されそうになりましたね」
 証人「はい」
 検察官「まず、被害に遭う前の行動について、教えてください」
 証人「テニスに行く前に、友人と買い物をしようとして、この地図にあるソフマップ秋葉原店というところにいました」
 検察官「その後はどうしましたか」
 証人「ビルから出てきて、この地図の真ん中の交差点…神田明神通りを横断して、南の方に向かいました」
 検察官「その後はどうですか」
 証人「交差点の中から、ガシャーンという音がしました」
 検察官「音はどのくらいの大きさでしたか」
 証人「大きな音だったと記憶しています」
 検察官「その音を聞いて、何だと感じましたか」
 証人「何かがぶつかるような、交通事故が起こったのではないかと思いました」
 検察官「音が聞こえた後、どうしましたか」
 証人「聞いた瞬間に、交差点を振り返りました」
 検察官「交差点内は、どんな光景でしたか」
 証人「何か遮蔽物がありましたが、迂回(うかい)して中の方にいきました。中の様子が分かったと同時に、男の人がごろごろ転がってきました」
 検察官「その人は、この図面では、どこからどこへ転がっていったのですか」
 証人「交差点の真ん中から、やや東側の方に転がっていきました」
 検察官「その人は、どのあたりに倒れましたか」
 証人「はっきり覚えていませんが、交差点の真ん中付近でした」
 検察官「男性でしたか、女性でしたか」
 証人「男性でした」
 検察官「年齢は」
 証人「20代くらいだったと思います」
 検察官「どういう形で倒れていましたか」
 証人「最初に見たときは、まだ転がっている状態でした。そのあと、あおむけになって止まりました。頭が北、足が南向きでした。手足がおかしい感じで、曲がっていました」
 検察官「他に気づいたことは」
 証人「髪は黒くて短めで、眼鏡はかけていませんでした。黒っぽい服を着ていて、ジーンズのようなものをはいていました」
 検察官「血は出ていましたか」
 証人「最初は、血は出ていませんでしたが、転がる様子が止まった次の瞬間から、頭の後ろの方から、血がどんどん流れてきました」
 検察官「どうしようと思いましたか」
 証人「救助に行こうと思いましたが、意識もなく、頭を強く打っていることが分かったので、頭を動かさない方がいいと思いました」
 検察官「『動かさない方がいい』と話している人は、他にいましたか」
 証人「はい。警察官の方が近くにいて、その人も『頭を打っている人は動かさない方がいい』と言っていました」
 検察官「交差点に入っていったとき、その男性の他に、誰か倒れていましたか」
 証人「その男の人を含め、3人か4人くらいと記憶しています」
 検察官「それから、どのようなことがありましたか」
 証人「男の人が、道路の真ん中の方を見ていた警察官の人に近づいていきました」
 検察官「それから、どのようなことが起こりましたか」
 証人「男の人が、警察官の肩をポンポンとたたくようなしぐさをしました。それで、警察官の方が左側を振り返ろうとしましたが、そのとき、男の人が右手でおなかの高さのあたりを殴ったように見えました」
 検察官「男が近づいて、あなたが見ている前で警察官を殴ったのですね」
 証人「はい」
 検察官「おなかの高さのあたりを殴ったのですね」
 証人「はい」
 検察官「その後はどうなりましたか」
 証人「警察官の方を殴っている様子を見た後、私は別の方を見ました。そして、もう一度顔をあげると、さっきの男の人が目の前に立っていました」
 検察官「1メートルも離れていないような距離ですね」
 証人「はい。ものすごく近くにいました。目の前に誰かがいると気付いた瞬間、おなかを殴られるような衝撃を感じました」
 検察官「どのような感触でしたか」
 証人「おなかを拳で強く殴られたような感触でした。息が詰まるというか…。『ウッ』となるような感じでした」
 検察官「殴った後、犯人はどうしましたか」
 証人「私の後ろの方へ走っていきました」
 検察官「横を通り抜けて走っていった、ということですね」
 証人「はい」
 検察官「あなたを殴った犯人は、警察官を殴った男と同じ人ですか」
 証人「同じだったと記憶しています」
 検察官「あなたは、素手で殴られたのですか」
 証人「いえ、実際は刃物のようなもので切られていました。血が流れてきて、右手で押さえました」
 検察官「血はどのような感じで出てきましたか」
 証人「ポタポタと流れ出るような感じでした」
 検察官「男に殴られる前に、人に切られるようなことはありましたか」
 証人「いいえ。ありません」
 検察官「刺されたことに気付いた後、何か見たものはありますか」
 証人「自分が立っていたすぐ近くの地面に、鞘がついたナイフのようなものが落ちていました」
 検察官「それを見て、どう思いましたか」
 証人「鞘に入った状態で落ちていたので…。何かよく分からず混乱しました」
 検察官「犯人から殴られた警察官は、その後どうしていましたか」
 証人「警察官の方は血がたくさん出ていました。でも、犯人を追いかけて、一生懸命歩いていました」
 検察官「そのまま追いかけていきましたか」
 証人「いいえ、その場で立ち止まってしまいました」
 検察官「あなたは刺された後、どうしましたか」
 証人「周りに自分が刺されたことを伝えました。自分が背負っていた荷物を下ろして、傷を手で圧迫して止血していました。お医者さんだという方から『あおむけになって頭を下げて』と言われました」
 検察官「そばにやってきた人で、覚えている人はいますか」
 証人「通りがかりの人が助けに来てくれました」
 検察官「その後、警察官がやってきましたか」
 証人「はい」
 検察官「どんなことを聞かれましたか」
 証人「『犯人はどちらに行きましたか』『どういう人でしたか』などと聞かれました」
 検察官「あなたは何と答えましたか」
 証人「さっき見た犯人の服装や、メガネをかけていたこと、南の方へ走っていったことを伝えました」
 検察官「救急車が来るまで、どのようなことを考えていましたか」
 証人「とにかく、早く、早く来てもらって、周りで倒れている人を助けてほしいと思いました」
 検察官「あなた自身は軽傷だと思っていたのですか」
 証人「けがをしているのは分かっていましたが、意識はあったので…」
 検察官「実際の傷は軽傷だったのですか」
 証人「いえ。傷はおなかから背中側まで貫通していました」
 検察官「それは、生命の危険を感じない場所ですか」
 証人「いえ。腎臓を摘出しましたし、今も体には大きな傷が残っています。刃物が貫通したことを考えると、私はたまたま死ななかっただけだと思います」
 検察官「家族は心配していましたか」
 証人「実家は遠くにあるのですが、とるものもとらずに駆けつけてくれました。出張先から駆けつけてくれましたし、会社の同僚も病院に来てくれました」
 検察官「被害直後の周りの様子は覚えていますか」
 証人「はい、覚えています」
 検察官「事件を忘れたいと思いますか」
 証人「いえ、忘れたくないです」
 検察官「それはなぜですか」
 証人「はい、あの場所にいてたくさん亡くなった人がいますが、そういう人はしゃべりたくてもしゃべることができません。何か役に立てることがあれば、覚えていることで役に立てることがあれば…」
 検察官「事件を忘れないようにして、知りたい人に教えていきたい?」
 証人「はい」
 検察官「次に、亡くなられた方などが写った現場の写真を見ていただきます。この写真で車が交差点に止まっていますが、その車の前の人は誰ですか」
 証人「私です」
 検察官「写真に私と書いてください」
 証人「はい」
 検察官「この同じ写真に犯人は写っていますか」
 証人「顔は写ってないのではっきり分からないですが、格好が犯人に似ている人はいます」
 検察官「それを丸く囲んでください」
 証人「はい」
 検察官「走っている白っぽい服の人が犯人ですか」
 証人「そうです」
 検察官「12時33分と記された写真を示します。どういう場面が写っていますか」
 証人「先ほど話した警察官とベージュのジャケットの人が写っています」
 検察官「それぞれを丸で囲んで警察官、犯人と書いてください」
 証人「はい」
 検察官「次の写真に犯人がいたら赤丸で囲んでください」
 証人「少しはっきりしませんが、この人と思うのはいます」
 検察官「次の写真を見ていただくと、犯人の近くにあなたはいますか」
 証人「はい。はっきりと分かりませんがいます」
 検察官「この写真であなたは犯人におなかを刺されたんですね?」
 証人「写真の前後関係からするとそうだと思います」
 検察官「この写真で道路に倒れているのは」
 証人「私です」
 検察官「私と書いて丸で囲んでください」
 証人「はい」
 検察官「最後の写真です。この写真で地面にひざをついている女の人がいますが、これは誰ですか」
 証人「私です」
 検察官「この写真の右に白い手袋と青い服の人がいますが誰ですか。左に倒れてるのは?」
 証人「右は先ほど話した警察官です。左は(亡くなった被害者の)Aさんです」
 検察官「あなたと警察官が助けようとしたAさん?」
 証人「はい」
 検察官「あなたは被告人から手紙をもらい、これまでの裁判も傍聴していますが、被告人に対して何か言いたいことはありますか」
 証人「被告人から見ると(殺傷対象は)誰でも良かったのかもしれませんが、私たちにとっては、私に向けられた悪意です。悪意と暴力を一方的にぶつけられました。あの時にいた人は何が起きているのか分からないまま、意識がなくなり、それでおしまい。分からないまま死んでいきました」
 「謝罪の手紙をもらいましたが、(加藤被告にとっては)自分の心を助けるためには、誰かを傷つけるのはやむを得なかったのかもしれません。しかし、私から見ると被告人は自分にわき起こる強い心に夢中で、本当にかかわるべき人にかかわっていないと感じました。『自分の言葉を分かってほしい』とか、『受け入れてほしい』とか自分のことばかり」
 「私はこの事件を一般化して理解してほしくありません。これは加藤さんが起こした個人的な暴力事件です。被害者や遺族に死刑を望ませたりするのがどんなに残酷なことか分かってほしい。自分のプライドを守るために、私たちの命を利用しているのを分かってほしい」
 「事件が起きたときに、私や私の周りの人を助けてくれる人もいました。自分の身の安全を確保できない時に、見知らぬ誰かを助けるために一歩踏み出してくれた勇気に感謝しています」
 検察官「先ほど声を詰まらせていましたが大丈夫ですか」
 証人「はい」
 検察官「事件を一般化してほしくないとおっしゃいましたが、(初公判で)『(他の人に)同じような事件を起こしてほしくない』と被告人が言っていたことに対して、そう思ったんですか」
 証人「はい、そうです」
 《弁護人質問》
 弁護人「交差点を渡り終えてた時点で『ガシャン』という音が聞こえたということですが、すぐにその方向に振り向いたのですか」
 証人「はい」
 弁護人「そのとき交差点にトラックが走ってくる様子は見えました」
 証人「見えませんでした」
 弁護人「そのとき一緒にいた友人とは何か言葉を交わしましたか」
 証人「交わしていません」
 弁護人「あなたは振り向いてから走り出したということですが、すぐに走り出したのですか」
 証人「友人を置き去りにする形で走り出しました」
 弁護人「事件現場交差点では男性が転がってくる様子が目に入ったのですか」
 証人「はい」
 弁護人「トラックにはねられているところは見ていないのですか」
 証人「見ていません」
 弁護人「何かの反動で転がっている様子でしたか」
 証人「何かにはじき飛ばされたという感じでした」
 弁護人「その後、あなたはベージュの上下をきた男性(加藤被告)が目に入ったということですか」
 証人「はい」
 弁護人「男性は警察官の後ろに立っていたのですか」
 証人「最初は警察官から距離のある位置で見えました」
 弁護人「男性はどちらの方から来たのですか」
 証人「来るところは見ていません」
 弁護人「男性に気づいたとき、男性はどの辺りにいましたか」
 証人「神田明神通りから現場の交差点に入ってくるように見えました」
 弁護人「最初、見たときは交差点の内側でしたか、外側でしたか」
 証人「何となく横断歩道のあたりにいたと思います」
 弁護人「男性は警察官のところまで、どのように近づいていきましたか」
 証人「走っていたかどうかは定かではないが、まっすぐにスピードがあるように見えました」
 弁護人「男性が動いている様子を見ていたのではないのですか」
 証人「私が見たのは男性が警察官から2、3歩離れたところにいたときからです」
 弁護人「あなたから警察官の距離はどのくらいでしたか」
 証人「数メートルくらいだと思います」
 弁護人「警察官の方を見ていたのですか」
 証人「はい」
 弁護人「あなたから見て警察官の正面は見えていましたか」
 証人「真正面ではありませんが、左肩がよく見える斜めの角度でした」
 弁護人「男性はどちらの方向を向いていたのですか」
 証人「警察官の方向を向いていました」
 弁護人「表情はどうでしたか」
 証人「無表情だったと思います」
 弁護人「男性は警察官の左肩を触っていましたか」
 証人「どちらかの手で触っていましたが、殴るときは、右手で殴るような感じでした」
 弁護人「男性が近づいてくる間、あなたは何をしていたのですか」
 証人「(トラックにはねられ)倒れている被害者のことで頭がいっぱいで、そちらの方を見ていました」
 弁護人「その後、自分のお腹の部分に衝撃を感じたということですか」
 証人「はい」
 弁護人「(男が)手に何かを持っているのは見えましたか」
 証人「見えませんでした」
 弁護人「衝撃というのを具体的に教えてください」
 証人「『うっ』となるような、息が詰まるような感じでした。かなりの力で殴られたかのような感じがしました」
 弁護人「事件の全体のことを知ったのはいつごろですか」
 証人「だいぶたってから、新聞やネットを見て何となく分かりました。今もすべては分かりません」
 弁護人「被告から手紙を受け取ったと思いますが、いつごろ読みましたか」
 証人「受け取ってそのまま読みました」
 弁護人「その後、被告の両親からも手紙が来ましたね」
 証人「はい」
 弁護人「あなたはその手紙に返事を書いていますよね。どんな気持ちで書いたのですか」
 証人「この事件に限ったことではないと思いますが、加害者と被害者のいる事件は、何らかの形で加害者と被害者が関わらないといけないと思うんです」
 弁護人「どのようにですか」
 証人「私は、被告がどういう人なのか知らないし、なぜこんな事件を起こしたのか全然分かりません。でも裁判には、『やられたらやり返す』というつもりではなく、どうしてこのような事件を起こしたのかを、どうやったら社会の人に広められるかと思って…。すいません、うまく説明ができないのですが、事件のことが何か分かればと思って、それで手紙にも返事を出したのです」
 弁護人「被告人に興味を持ったのですか」
 証人「はい。逆に、被告には被害者の生い立ちなど、どんな人だったのかを知ってほしいし、自分のしたことがどういうことなのか分かってほしいです。私の想像ですが、被告は自分のしたことについて、まだ分かってないのだと思います。被害者や遺族のためにも、私に何か役に立てることがあればいいな、と思ったのです」
 弁護人「分かりました。以上です」
 裁判長「それでは証人、長い間お疲れ様でした。退廷してください」
 《再度休廷》《村山浩昭裁判長が公判の再開を宣言。証人:防犯カメラが撮影した画像を解析した警察庁の男性技官》
 裁判長「名前を明らかにしても支障はありませんか」
 証人「はい」
 裁判長「では、名前からお願いします」
 証人「○○(実名)です」
 検察官「それでは証人尋問を始めます。証人は事件があった平成20年6月8日の現場付近に設置されていた防犯カメラから(加藤被告が運転して秋葉原の交差点に突っ込んだ)トラックの速度を鑑定しましたか」
 証人「はい」
 検察官「大学での専攻は?」
 証人「工学部です」
 検察官「大学院では?」
 証人「システム工学を専攻していました」
 検察官「博士課程ですか」
 証人「いえ、修士課程です」
 検察官「どんな研究をしていたのですか」
 証人「光情報処理です」
 検察官「現在は警察庁の技官ですね」
 証人「はい」
 検察官「どんな仕事内容ですか」
 証人「防犯カメラに記録された画像、特に不鮮明な画像の処理をする仕事です」
 検察官「今回はどんな解析方法を用いたのですか」
 証人「防犯カメラに(加藤被告が運転していた)トラックの2コマの静止画像が記録されていました。その2コマの距離からトラックの速度を算出しました…」
 検察官「解析は何人で行いましたか」
 証人「私を含め3人です」
 検察官「3人とも警察庁の技官ですか」
 証人「はい」
 検察官「3人のそれぞれの役割分担を教えてください」
 証人「私がメーンで行い、1人は統括的立場で、もう1人は補助的立場で解析を行いました」
 検察官「トラックの静止画像を記録した防犯カメラは、どこに設置されていましたか」
 証人「(交差点脇の家電量販店)ソフマップ本館です」
 検察官「どの方向を撮影していましたか」
 証人「外神田3丁目です。0・8秒間隔で記録していました」
 検察官「0・8秒ごとに記録していたのですね」
 証人「はい」
 検察官「防犯カメラでは、トラックはどの方向に走っていましたか」
 証人「右から左です。2コマ写っていました」
 検察官「時刻の表示は1秒間隔となっていますが、単にコンマ以下が表示されないからということですか」
 証人「そうです」《技官は、「2枚の画像からトラックの移動位置を確認し、移動距離を計測した」という内容の説明をする》
 検察官「結果は」
 証人「9・52メートルでした」
 検察官「そこからどのように速度は測定されるのですか」
 証人「0・8秒間の間に9・52メートル進んだことになります。これを時速に換算し平均時速約43キロと計測しました」
 検察官「『約』とは」
 証人「小数点以下を四捨五入しました」《技官はその計測をコンピューターで確認したところ、誤差が生じていることも付け加えた》
 検察官「その誤差は平均時速約43キロという結果に影響しますか」
 証人「『約』の部分に含まれると思います」
 検察官「影響はないということですか」
 証人「はい」
 検察官「鑑定の結果、トラックの平均時速は約43キロと判明したということですね」
 証人「はい、そうです」
 《弁護側尋問》
 弁護人「今回の(防犯カメラの)記録装置と同じメーカーの同じ型番で鑑定した経験は過去にありますか」
 証人「それはありません」
 弁護人「トラックが写っているコマは2つで、その撮影間隔は0・8秒ですね」
 証人「はい」
 弁護人「(記録)装置の設定から0・8秒間隔と考えたということですね」
 証人「はい」
 弁護人「次のコマから次のコマまでの時間を実際に計測したわけではないですね」
 証人「はい、行っていません」
 弁護人「実際、記録に誤差があったかどうか確認されているわけではないんですか」
 証人「…はい」
 弁護人「鑑定結果がずれていないか検証したとのことですが、カメラ自体は向きを変えたりできるものですか」
 証人「覚えていません」
 弁護人「事件後検証されるまで、装置が動いたりしたことなど、気づいたことはありませんか」
 証人「ないです」
 検察官「装置に不具合があった記憶はありましたか」
 証人「3人で確認しましたが、そうしたことは感じられませんでした」
 弁護人「それは装置の設定を確認しただけではないのですか」
 証人「はい、まぁそうです」《検察側は、技官ら3人が鑑定したトラックのスピードについての証拠書類を提出》
 検察官「(証拠は)防犯カメラの映像をもとに、トラックの時速について約43キロメートルと算出したものです」
 裁判長「以上をもちまして、本日の証拠調べを終了します。次回は、3月15日午後1時30分に開廷します。証人尋問3人を予定しております。被告人は必ず出廷するように」
 裁判長「それでは、被告人から退廷してください」

 ◎上記事は[産経新聞]からの転載・引用です

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