殺人・タリウム事件 元名大生に無期懲役 名古屋高裁 2018/3/23

2018-03-25 | 少年 社会

<タリウム混入事件>元名大生、二審も無期 責任能力を認定

  

 名古屋市で高齢女性を殺害し、仙台市で同級生2人に劇物の硫酸タリウムを飲ませたとして殺人罪などに問われ、名古屋地裁の裁判員裁判で無期懲役判決を受けた元名古屋大女子学生(22)=仙台市出身=の控訴審判決で、名古屋高裁は23日、完全責任能力を認めた地裁判決を支持、元女子学生の控訴を棄却した。本人は出廷しなかった。
 一審に続き、元女子学生の精神障害が犯行に与えた影響が争点となった。高橋徹裁判長は「一定の影響を及ぼしたが、犯行時は合理的に行動し、違法性の認識もあった」と述べ、影響を「限定的」とした昨年3月の地裁判決を踏襲した。
 障害を「軽度」とした検察側医師の診断は「生活全般や犯行前後の様子を総合検討し、不合理な点はない」と強調。双極性障害(そううつ病)の併発も踏まえ「重度」とした弁護側医師の証言は、「被告と面接せず、診断の前提資料の検討も不十分」と排斥した。
 その上で、元女子学生の発達障害の症状が特定の対象への興味や関心を深める特徴を指摘しつつ「死体や劇物への興味や関心は自身の考えと行動の結果で、精神症状に直接起因するものではない」と判断。弁護側の「犯行時は障害の影響で心神喪失状態だった」とする無罪主張を退けた。
 量刑については「まれにみる悪質な犯罪で、被害者は動物実験のような扱いを受けた。犯行時は少年だったことや、障害の影響を考慮しても無期懲役が重すぎて不当とは言えない」と結論付けた。
 判決によると、元女子学生は2012年5~7月、仙台市で中学と高校の同級生男女2人に硫酸タリウムを飲ませ、殺害しようとした。14年12月には名古屋市昭和区の自宅アパートで知人の森外茂子(ともこ)さん=当時(77)=を殺害。6日後に帰省先の仙台市で青葉区の女性方に放火し、住人3人の殺害を図った。
 2018年03月24日土曜日

 ◎上記事は[河北新報]からの転載・引用です
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元名大生に高裁も無期懲役
 2018年03月23日 14時05分 読売新聞
 知人女性を殺害し、同級生に劇物の硫酸タリウムを飲ませて殺害しようとしたなどとして、殺人や殺人未遂などの罪に問われた名古屋大の元女子学生(22)の控訴審で、名古屋高裁(高橋徹裁判長)は23日、求刑通り無期懲役とした1審・名古屋地裁の裁判員裁判の判決を支持し、元女子学生側の控訴を棄却した。
 刑事責任能力の有無が最大の争点で、高橋裁判長は1審判決と同様、完全責任能力を認め、精神障害により心神喪失状態だったとする弁護側の主張を退けた。
 判決によると、元女子学生は19歳だった2014年12月、名古屋市の自宅アパートで知人の森外茂子ともこさん(当時77歳)の頭をおので殴り、マフラーで首を絞めて殺害したほか、実家がある宮城県内の民家に放火し、住人を殺害しようとした。16歳だった12年5~7月には、同級生ら2人に硫酸タリウムを混ぜた飲み物を飲ませ、殺害しようとした。
 元女子学生は1審の公判前に行われた精神鑑定で、発達障害と双極性障害(そううつ病)の診断を受けた。公判では、「重い障害の影響で善悪を判断できなかった」として無罪を主張する弁護側と、「障害の影響は限定的。犯行は計画的で、違法性も認識していた」とする検察側が対立していた。
 控訴審では、検察側が「弁護側の医師の証言は証拠能力が乏しい」として、1審判決の事実認定に誤りはないと訴えていた。判決で高橋裁判長は「精神障害の影響は限定的で、自らの意思で犯行に及んだ」としたうえで、「まれに見る重大かつ悪質な事件。犯行時少年だったことや障害の影響などを考慮しても、1審判決が重すぎて不当とはいえない」と結論づけた。 読売新聞

 ◎上記事は[@niftyニュース]からの転載・引用です
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産経WEST 2018.3.23 11:25更新
元名大女子学生の控訴審判決・解説 一審踏襲、「重い精神障害」弁護側主張退け
 殺人罪などに問われた元女子学生(22)の控訴審判決で、名古屋高裁は「重い精神障害があり、責任能力を問えない」とする弁護側主張を退けた。発達障害や精神障害が与えた影響は一定程度にとどまるとし、完全責任能力を認めた一審判決を全面的に踏襲した形だ。
 刑事裁判では、責任能力の有無は精神障害の程度を慎重に検討した上で、その障害が犯行時、善悪の判断や行動の制御能力にどれだけ影響したかを総合的に評価して判断される。
 一審判決は元女子学生には発達障害があり、当時、双極性障害(そううつ病)による軽いそう状態だったと認定する一方で、影響については「冷静な状況判断の下、合理的な行動をしていた」などとして限定的と結論付けた。
 この判断を巡って、控訴審で弁護側は「精神障害の症状は重く、事実誤認がある」と主張。専門家の証人尋問が行われ、高裁も慎重に検討したものの、事実認定は覆らなかった。
 一審判決は長期服役後の仮釈放に言及するなど、更生への可能性に配慮した面もあった。「刑事施設での専門的な治療は不可能」との指摘もある中で、今後適切な治療をどう施すか議論が必要だろう。

 ◎上記事は[産経新聞]からの転載・引用です
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〈来栖の独白〉
 本事件について思うとき、私の脳裡には「佐世保高1殺害事件」がある。あの被告少女は医療少年院送致となった。
 本件では、事件当時の年齢など、少年院送致は無理なのだろうか・・・。
 * 佐世保高1殺害事件 少女の医療少年院送致決定 2015.7.13/ 想起される故山地悠紀夫死刑囚…来栖の独白
 * 佐世保高1殺害事件 第3種(医療)少年院に送致された加害少女(17)が被害者遺族に謝罪文 2016/7/19
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殺人・タリウム事件 元名大生の闇 「殺さぬ自分、なるのは難しい」 控訴審 2017/10/27
元名大生 女性殺害・タリウム事件 被告人質問「今も人殺したい」 2017/10/27 名高裁(高橋徹裁判長)  
名大女子学生 いびつな願望 「佐世保事件が影響」か 殺人事件・タリウム事件・放火容疑(焼死体に興味)・・・
「タリウム女子」は法廷で「検事も弁護人も殺したい」 「19歳殺人鬼」顔・実名隠しに何の意味があるのか 『週刊新潮』2017/3/2号
◇  「酒鬼薔薇君、大好き♪ 少年法マンセー!」心に魔物を育てた名大女子学生の履歴書 『週刊新潮』 2015年2月12日号
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