■神戸連続児童殺傷事件から21年 山下彩花さん父 手記 2018.3.23 ■全国初、訴訟費用を助成 犯罪被害者支援条例改正 明石市

2018-03-25 | 神戸 連続児童殺傷事件 酒鬼薔薇聖斗

産経WEST 2018.3.23 08:04更新
【神戸連続児童殺傷事件】山下彩花さん父「試練の中で魂磨かれる」事件から21年、心境綴った手記全文
 神戸市須磨区で平成9年に起きた連続児童殺傷事件で、小学4年の山下彩花さん=当時(10)=が亡くなってから23日で丸21年を迎える。命日を前に父の賢治さん(69)は現在の心境をつづった手記を産経新聞に寄せた。
 事件後、賢治さんの妻、京子さんは「生きる力の大切さ」を伝えるために全国各地で講演を続けたが、乳がんで闘病の末、昨年6月に61歳で亡くなった。賢治さんは「家族が20年をかけて学んだのは『試練の中でこそ魂が磨かれ、人の幸せを願う深みのある優しさと、倒れても立ち上がろうとする真の強さが育まれる』ということ。体験し学んだことを丁寧に社会にお返しする」と死去直前に京子さんが残した言葉を紹介。その上で「これが私の現在の心情そのものであり、妻亡き後も変わりはございません」と記した。
 加害男性(35)は27年、賢治さんら犠牲者遺族に無断で「元少年A」の匿名を用いて手記「絶歌」を出版。19年以降、命日の直前には反省の意を記した加害男性からの手紙が代理人を通じて届いていたが、出版を機にすべて廃棄した。賢治さんは、今年も手紙が届いたかどうか代理人に確認すらしていないことも明かした。
 山下賢治さんが寄せた手記の全文は次の通り。

 報道各社の皆様へ
 2018年3月23日、最愛の娘・彩花が10歳で命を閉じてから丸21年になります。事件後、命の尊さ、生きる力の大切さを伝え続けてきた妻の京子は去年6月、乳がんの闘病の末、亡くなりました。妻は、事件から丸20年の去年3月に、つながりのあった報道各社の皆様に思いを綴った手記をお渡しさせていただき、そこにはこのように記されております。
 「私たち家族が20年をかけて学んだのは、「試練の中でこそ魂が磨かれ、人の幸せを願う深みのある優しさと、倒れても立ち上がろうとする真の強さが育まれる」ということです。家族の絆もさらに強くなりました。それらは決してお金で買うことができない宝物であり、彩花が命をかけて教えてくれたことに他なりません。これからも、体験し学んだことを丁寧に社会にお返ししていくことが、私たちの役目だと確信しています。」
 これが私の現在の心情そのものであり、妻亡き後も変わりはございません。気持ちをお汲み取りいただき、取材はお控えいただき、静かに彩花の命日を迎えさせて頂ければありがたく存じます。
 2018年3月 山下賢治

 ◎上記事は[産経新聞]からの転載・引用です
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〈来栖の独白〉
 加害者(家族も)は、何一つ云うことも行うことも、許されてはいない。極端なことを云うなら、「更生する」ことも、容認され得ない。
 私は元少年Aの本を出版直後に読んだ。被害者と御遺族への深い謝罪が全編に流れており、その中に元少年Aの悔悟、血を流しつつ真摯に生きる苦難の人生が描かれていた。「読んで戴きたい」、被害者御遺族に読んで戴きたいと思った。けっして、御遺族の心を荒立てるようなことなど、書かれてはいない。賢治さんは
>今年も手紙が届いたかどうか代理人に確認すらしていない
 と云われる。僭越だが、これでは、御遺族ご自身の癒やしにも遠い。

 * 『絶歌』元少年A著 2015年6月 初版発行 太田出版 (神戸連続児童殺傷事件 酒鬼薔薇聖斗)

   

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神戸連続児童殺傷事件から20年 加害男性(元少年A)父母「たまに連絡が入る。『絶歌』に涙止まらず」 神戸新聞インタビュー 2017/3/26

 
神戸連続児童殺傷事件から20年 加害男性(元少年A)父母「たまに連絡が入る。『絶歌』に涙止まらず」 神戸新聞インタビュー 2017/3/26
2017/3/26 06:30 神戸新聞NEXT  (画像;神戸連続児童殺傷事件の舞台になった通称「タンク山」=神戸市須磨区)神戸・連続児童殺傷20年 加害男性両親「たまに連絡」 ......
 

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2018/3/23 07:00神戸新聞NEXT
神戸・連続児童殺傷事件21年 彩花ちゃん父「家族の絆変わらぬ」
 神戸市須磨区で1997年に起きた連続児童殺傷事件で、小学4年の山下彩花ちゃん=当時(10)=が亡くなってから23日で21年となる。事件後に命の尊さを訴え続けた母京子さんは昨年6月、61歳で他界した。「私たちの心情に変わりはありません」と家族の絆を語る父賢治さん(69)。亡き妻の遺志を胸に歩む。(石川 翠)
 京子さんが亡くなった直後に「妻は本当にすごい人だった。彩花も『よく頑張ったね』と京子を褒めていると思う」と語った賢治さん。あらためて亡き妻を「誇りに思う」という。
 京子さんは娘を失った絶望の中で生と死について考えた経験を3冊の手記にまとめ出版。2000年に乳がんが発覚後も治療を続けながら、彩花ちゃんの小学校で命について考える授業を開いたり、教育・警察関係者に講演をしたりした。
 夫婦の間でも彩花ちゃんの話が尽きることはなかった。負けん気が強く、マラソンの練習に一生懸命だった姿。明るい声、愛らしい表情、さらさらの髪-。事件から20年の昨年3月、京子さんは「(彩花ちゃんの)姿形を見たいと思う気持ちは変わらないけど、魂の絆は切れることはなく、いつもそばにいてくれる」と語った。闘病の中で気力を振り絞って取材に応じ、報道各社への手記にはこうつづった。
 「私たち家族が20年をかけて学んだのは『試練の中でこそ魂が磨かれ、人の幸せを願う深みのある優しさと、倒れても立ち上がろうとする真の強さが育まれる』ということです。家族の絆もさらに強くなりました。それらは決してお金で買うことができない宝物であり、彩花が命をかけて教えてくれたことに他なりません」
 賢治さんは「この手記が今の私の心情そのもの」と言う。事件前から地域の少年野球を指導しており「妻のような活動はできないが、自分のできることを続けたい」と静かに語った。
 加害男性は04年から山下さんに手紙を送っていたが、15年に男性の手記が出版され、山下さんは受け取りを拒否。手紙を仲介してきた弁護士によると、今年は男性から連絡がないという。
■神戸・連続児童殺傷事件
 神戸市須磨区で1997年2~5月に小学生5人が襲われ、小学4年の山下彩花ちゃん=当時(10)=と小学6年の土師淳君=同(11)=が死亡した。兵庫県警は同年6月、殺人などの容疑で中学3年の少年=当時(14)=を逮捕した。少年は関東医療少年院に収容され、2005年に退院。34歳となった15年、遺族や被害者へ断りなく手記を出版し批判の声が上がった。

 ◎上記事は[神戸新聞NEXT]からの転載・引用です
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2018/3/23 23:11神戸新聞NEXT
全国初、訴訟費用を助成 犯罪被害者支援条例改正 明石市
 兵庫県明石市議会は23日の本会議で、重大事件の加害者から損害賠償金を支払われない場合、請求権が時効になるのを防ぐため被害者が起こす訴訟に対し、費用を全額補助することを盛り込んだ条例改正案を可決した。同市によると全国初の制度。改正に関わった犯罪被害者の遺族らは「つらい経験が反映された」と語った。
 民法では、損害賠償請求で勝訴が確定しても10年で時効になり、請求権を維持するには再提訴が必要。市によると、再提訴は数十万円かかることがある。市が昨年、遺族と意見交換会を3回実施した際、再提訴の費用助成を求める声があり、導入を決めた。
 未解決事件の場合は、容疑者の情報提供を呼び掛けるチラシ作製費も30万円を上限に助成する。いずれも明石市民で犯罪の遺族や重症者、性犯罪被害者らが対象となる。
 福岡県の古賀敏明さん(72)は2001年、大阪で長男=当時(26)=が男2人から暴行を受け死亡した。民事裁判で約8900万円の賠償が命じられたが、実際に支払われたのは10万円。再提訴には約60万円が必要だったが、「逃げ得」を許さないため提訴に踏み切ったという。市との意見交換会にも参加した古賀さんは「明石市の先進的な取り組みが全国に広がれば」と期待した。
 神戸市須磨区の連続児童殺傷事件で次男の淳君=当時(11)=を失った土師守さん(61)は「加害少年には国から支援があるが、被害者遺族には不十分。当事者の声を聞き、実効性のある条例になった」と評価した。会見には集団暴行事件で長男=当時(15)=を亡くした高松由美子さん=兵庫県稲美町=も出席した。(藤井伸哉)

 ◎上記事は[神戸新聞NEXT]からの転載・引用です
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元少年A一家は、被害者遺族から損害賠償請求を起こされ、約2億円の負債を背負っている。これまで約8700万円を返済 ※『週刊朝日』 2015/6/26号
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