川崎 老人ホーム 3人転落死 今井隼人被告に死刑判決 2018/3/22 横浜地裁 弁護側、即日控訴

2018-03-24 | 死刑/重刑/生命犯

産経ニュース 2018.3.22 15:42更新
【川崎老人ホーム転落死裁判】被告に死刑判決 「自白の信用性相当高い」 横浜地裁 
 川崎市の介護付き有料老人ホーム「Sアミーユ川崎幸町」で平成26年11月から12月にかけ、入所者3人が相次いで転落死した事件で、殺人罪に問われた元施設職員、今井隼人被告(25)の裁判員裁判の判決公判が22日、横浜地裁(渡辺英敬裁判長)で開かれた。渡辺裁判長は「自白の信用性は相当高いと認められる。情状の余地は認められず更正の可能性も期待できない」として、求刑通り死刑を言い渡した。
 自白の信用性が最大の焦点だった今回の裁判。今井被告は、神奈川県警に逮捕される直前の任意聴取や逮捕後には3人全員の殺害を認めていたが、その後は黙秘。公判前整理手続きで否認に転じていた。
 検察側は自白の信用性立証のため、県警による取り調べの様子を録音・録画した映像を法廷で放映。捜査員が自白を強要する場面は確認されず、今井被告は「殺そうと思って殺した」と手ぶりを交えて説明するなど殺害当時の様子を詳細に供述しており、検察側は「迫真性があって信用できる」としていた。
 一方、弁護側は「(取り調べの際に)圧迫感があり、自白を強要された」と全面無罪を主張。今井被告も最終陳述で「信じてください。何もやっていない」と訴えていた。
 起訴状によると、26年11月に丑沢(うしざわ)民雄さん=当時(87)=を施設4階のベランダから投げ落として殺害。翌12月には仲川智恵子さん=同(86)=を4階のベランダから、浅見布子(のぶこ)さん=同(96)=を6階のベランダから、それぞれ投げ落として殺害したとしている。

 ◎上記事は[産経新聞]からの転載・引用です
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川崎3人転落死  元職員に死刑判決「冷酷な態様に慄然」
毎日新聞2018年3月22日 21時42分(最終更新 3月22日 23時44分)
 川崎市幸区の有料老人ホーム「Sアミーユ川崎幸町」で入所者3人が転落死した事件で、3件の殺人罪に問われた元施設職員、今井隼人被告(25)の裁判員裁判の判決で横浜地裁は22日、求刑通り死刑を言い渡した。渡辺英敬裁判長は3件の殺人罪の成立を認め、「人間性のかけらもうかがえない冷酷な態様には慄然(りつぜん)たる思いを禁じ得ない。死刑のほかに選択の余地はない」と述べた。弁護側は即日控訴した。
 客観的証拠が乏しい中、弁護側は「3件の転落死は事故や自殺の可能性があり、事件だとしても被告を犯人とする証拠はない」と反論。捜査段階での自白は取調官の意に沿うようにうそを述べたものだとして無罪を主張した。
 判決はまず事件性を検討し、転落死した3人のうち女性2人は「自力でベランダの柵を乗り越えることは不可能」と指摘。別の男性も「事故や自殺の可能性はほぼない」として3件とも第三者による事件と認定した。さらに、被告が3件の発生時にいずれも夜勤をしていたことや、逮捕直前に母親に電話で「自分がやった」と述べたことなどから「被告が犯人と推認できる」とした。
 自白の信用性については、法廷で再生された取り調べの録音・録画映像から「取調官の高圧的な態度や誘導姿勢はない。具体的、迫真的で現場の状況と一致する内容の供述で、自白の信用性は相当に高い」と述べた。被告が公判前の精神鑑定で診断された「自閉スペクトラム症」の影響も顕著ではないとして、責任能力も認めた。
 その上で「約2カ月で3回も殺害を繰り返し、入所者を守るべき立場を顧みず、施設や家族の信頼を踏みにじった。反省の態度はみじんもうかがえず、極刑もやむを得ない」と量刑理由を述べた。
 判決によると、被告は2014年11~12月、当時86~96歳の入所者の男女3人をホームの居室のベランダから転落させ、殺害した。【国本愛、村上尊一】
*自白の信用性認定
 午後1時半に開廷すると、渡辺裁判長は主文を後回しにし、約2時間にわたって判決理由を述べ、最後に死刑判決を言い渡した。その瞬間、今井被告は裁判長をじっと見つめ、表情を変えずに一礼した。
 判決後、裁判員と補充裁判員を務めた男性3人が記者会見し、「疑いが少しでも残れば無罪にしなくてはいけないと言われていた。明確な証拠がなく、本当に被告が犯人か不安もあった」などと判断の難しさを振り返った。
 公判では取り調べを録音・録画した映像も流され、自白の信用性が認定された。裁判員を務めた男子学生(22)は「取り調べの様子や場の雰囲気は、被告の(公判での)発言と比べてすごく参考になった」と話した。一方、男性会社員(38)は「取り調べを受けた経験がないので、見て決めなくてはいけないのは罪悪感が少しあった」と語った。
 極刑を求めた遺族の意見陳述については、男性会社員が「自分が遺族だったらたまらなかったと思う」と振り返った。また、男子学生は「祖父も介護施設を使っていたが、安心感がなくなってしまった」、補充裁判員の60代の男性は「なぜ警察が当初、3件とも事故として扱ってしまったのか疑問」と指摘した。
 2番目に転落死した女性(当時86歳)の長男は代理人を通じ、「被害者の心情を十分くみ取っていただき、亡くなった母へ良い報告ができると思います」とコメントした。【国本愛】
■有料老人ホーム入所者転落死事件の経緯
<2014年>
5月    今井隼人被告がSアミーユ川崎幸町で働き始める
11月4日 入所者の男性(当時87歳)が転落死しているのが見つかる
12月9日 入所者の女性(同86歳)が転落死しているのが見つかる
  31日 入所者の女性(同96歳)が転落死しているのが見つかる
<15年>
5月21日 入所者の財布を盗んだとして窃盗容疑で神奈川県警が今井被告を逮捕
9月24日 窃盗事件で横浜地裁川崎支部が執行猶予付き有罪判決
<16年>
2月15日 県警が男性に対する殺人容疑で今井被告を逮捕
4月15日 横浜地検が3件目の殺人罪で追起訴し、捜査終結
<18年>
1月23日 横浜地裁で初公判
3月 1日 検察側が死刑を求刑
  22日 横浜地裁が死刑判決

 ◎上記事は[毎日新聞]からの転載・引用です *強調(=太字)は来栖
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〈来栖の独白〉
 沈痛な思いに閉ざされる。
【介護社会】 埋もれる孤独  介護殺人・心中
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川崎老人施設 3人転落死 元職員今井隼人被告 死刑求刑 横浜地裁 2018/3/1
◇ 老人ホーム 入所者3人転落死 初公判 元職員、今井隼人被告 無罪を主張 横浜地裁 2018/1/23
川崎・入所者殺害 今井隼人容疑者「抱き上げて投げ落とした。介護に嫌気」夜勤も多い仕事に不満や苛立ち
川崎・老人ホーム入所者殺害 今井隼人容疑者、殺害認める供述を始める前「母親に相談した」 2016/2/19
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