元幹部、手記で松本死刑囚を非難
「宗教家以前に犯罪者」
2016/12/16 09:21 【共同通信】
13人が死亡、6千人以上が重軽症を負った1995年3月の地下鉄サリン事件で使われたサリン製造に関与したなどとして、刑が確定した元オウム真理教幹部中川智正死刑囚（54）が、事件当時を振り返った手記を発表した。かつて「尊師」と敬った松本智津夫死刑囚（61）＝教祖名麻原彰晃＝を「麻原氏」と呼び、殺人や化学兵器製造と無縁の宗教団体を変容させたとして「宗教家以前に犯罪者」と非難した。
手記は専門誌「現代化学」の2016年11月号の6ページを割いて掲載された。冒頭と結びで、事件の被害者に対して「おわび申し上げる」と謝罪し、サリン製造の経緯を詳述した。
◎上記事は[47NEWS]からの転載・引用です
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2016年12月16日 中日新聞 夕刊
「麻原氏、宗教家以前に犯罪者」中川死刑囚、手記で非難
十三人が死亡、六千人以上が重軽症を負った一九九五年三月の地下鉄サリン事件で使われたサリン製造に関与したなどとして、刑が確定した元オウム真理教幹部中川智正死刑囚（５４）が、事件当時を振り返った手記を発表した。かつて「尊師」と敬った麻原彰晃死刑囚（６１）＝本名・松本智津夫＝を「麻原氏」と呼び、殺人や化学兵器製造と無縁の宗教団体を変容させたとして「宗教家以前に犯罪者」と非難した。
手記は専門誌「現代化学」の二〇一六年十一月号の六ページを割いて掲載された。冒頭と結びで、事件の被害者に対して「おわび申し上げる」と謝罪し、サリン製造の経緯を詳述した。
教団による一連の事件を研究する毒物学者で、一一年から中川死刑囚との面会を続ける米コロラド州立大のアンソニー・トゥー名誉教授（８６）が執筆を勧めた。
手記で中川死刑囚は、麻原死刑囚は「ヨガや瞑想（めいそう）の指導者としての能力は極めて高かった」とする一方で「自分を深く信頼している者を選んで、殺人や化学兵器の製造などを命じた」と指弾。「私を含めて、教団が殺人を犯すなどと思って入信した者は皆無」だったと訴えた。
サリン製造の経緯を、化学式なども示しながら詳述した。九四年二月には約三十キロのサリン合成に成功。同年六月、このうち約十二リットルを長野県松本市で加熱、発散させて「大事件となりました」と述べた。
サリン製造には「化学系の大学院生程度の知識や経験」の他、特別な設備や中毒になった場合に治療する体制が必要だと強調した。
ただ、現状は原料入手が困難で、国内でサリンによるテロを起こすのは「捜査機関が注意を払っていれば、不可能に近い」という見解を示した。
トゥー氏は「教団がテロの準備を進めた経緯を、自ら語った手記の価値は高い」と評価した。地下鉄事件で夫を亡くした高橋シズヱさん（６９）は「死刑が決まった今だからこそ話せることがあるはず。事件を知らない若い世代が増えている。他の死刑囚も事件について語るよう期待したい」と話した。
＊執筆勧めたトゥー氏、繰り返し面会
トゥー氏は米国在住の研究者で、中川智正死刑囚と東京拘置所で面会を繰り返し、教団を研究している。
八人が死亡した一九九四年の松本サリン事件後、トゥー氏は日本の専門誌「現代化学」に、サリンに関する記事を執筆。同氏によると、その直後、日本の捜査機関から要請を受け、米陸軍から入手したサリンの分解物に関するデータを提供。これが、教団によるサリン製造の実態解明に寄与したという。
中川死刑囚には二〇一一年から計十回、面会しており、直近は今年十月。中川死刑囚は教団の活動実態を細かく説明。松本事件と地下鉄サリン事件で使われたサリンの製造工程の違いなどが詳しく分かったという。
＜地下鉄サリン事件＞ １９９５年３月２０日午前８時ごろ、警視庁や中央省庁が集まる営団地下鉄（現東京メトロ）の霞ケ関駅を通る３路線５車両で猛毒のサリンがまかれ、１３人が死亡、６２００人以上が重軽症を負った（警察庁調べ）。確定判決によると、強制捜査の阻止が目的で、オウム真理教の教祖麻原彰晃死刑囚が、中川智正死刑囚ら理系の専門知識を持つ教団幹部にサリンを製造させた。散布役の幹部は地下鉄車内で、サリン入りの袋を傘の先で突き、まいた。関与した１０人の死刑、４人の無期懲役が確定している。
◎上記事は[中日新聞]からの転載・引用です
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◇ 「オウム麻原彰晃」の主治医だった中川智正死刑囚 化学専門誌に初手記 『現代化学』2016/11月号
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◇ 中川智正死刑囚と面会した“サリンの世界的権威”の教授
◇ 暗雲、今も 地下鉄サリン20年 （１）事件の教訓得たか サリン製造した中川智正・土谷正実死刑囚らに面会
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◇ オウム 中川智正死刑囚が俳句同人誌 独房の内省詠む 2012-11-09
◇ 恐ろしき 事なす時の 我が顔を 見たはずの月 今夜も静（さや）けし/中川智正被告 2011.11.18上告審判決
◇ オウム裁判終結 2011/11/18 中川智正被告の母「わが子を（死刑で）失い、少しでもご遺族の気持ちに近づくことができれば」
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一刻もはやく、死刑にすべきです!