夕歩道(夕刊コラム)
2019年7月1日
類は友を呼ぶのか。名古屋城天守閣を解体して木造で忠実に復元したい。ついてはエレベーターは絶対に設けたくない、と主張してきたのは「総理を目指す男」こと河村たかし名古屋市長である。
同じようなことを言って世を仰天させたのは現職の総理で、忠実に復元したはずの大阪城の天守閣にエレベーターを付けてしまったのは大きなミス、とG20大阪サミットに集まった各国首脳らに。
安倍さん率いる自民党は国政選挙で連戦連勝。河村さんも選挙に滅法(めっぽう)強い。民がなびけば昔の殿様みたいな気分になって、何よりもお城大事で今日的課題たる弱者対策など忘れてしまうのかもね。
◎上記事は[中日新聞]からの転載・引用です
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〈来栖の独白 2019.7.1 Mon〉
左翼新聞の底意が透けて見える。
河村市長も安倍総理も、弱者を軽んじているわけではないだろう。「天守閣に昇りたい」という弱い方の希望、楽に昇りたいという一般人の「便利」を無視するわけではなく、城という日本古来の伝統建築を可能な限りそのままの姿で大事に残したい、という願いがあるだけだろう。
政治家のこの種の発言があると、鬼の首を取ったように「弱者」を引っ張り出しているのではないか。