東京高裁 裁判員の死刑判決 初めて破棄 (東京・南青山)強盗殺人などの罪に問われた伊能和夫被告 2013/6/20

2013-06-20 | 裁判員裁判/被害者参加/強制起訴

青山強盗殺人:死刑破棄し無期 裁判員裁判で初 東京高裁
 毎日新聞 2013年06月20日 12時33分(最終更新 06月20日 13時12分)
 妻子に対する殺人罪で20年間服役し、出所半年後に東京・南青山で男性を殺害したとして、強盗殺人などの罪に問われた無職、伊能和夫被告(62)の控訴審判決で、東京高裁は20日、死刑とした裁判員裁判の1審・東京地裁判決(2011年3月)を破棄し、無期懲役を言い渡した。村瀬均裁判長は「殺意は強固だが、被害者が1人の事案で、死刑は選択しがたい」と述べた。最高裁によると、裁判員裁判の死刑判決が破棄されたのは初めて。
 村瀬裁判長は「前科と新たな罪に顕著な類似性が認められる場合に死刑が選択される」とした上で、心中目的などで妻子2人を殺害した前科と今回の強盗殺人に「類似性は認められない」と指摘。「1審は前科を過度に重視しすぎた。裁判員が議論を尽くした結果だが、刑の選択に誤りがある」と判断した。
 判決によると、伊能被告は09年11月、金品を奪う目的で東京・南青山の五十嵐信次さん(当時74歳)方に侵入し、首を包丁で刺して殺害した。
 1審で弁護側は無罪を主張、伊能被告は完全黙秘し、控訴審には出廷しなかった。【山本将克】
 ◇解説 「前科重視し過ぎ」極刑回避
 一般市民が参加する裁判員裁判のスタートから4年。刑事裁判では「1審重視」の傾向がうかがえるが、今回の東京高裁判決は「究極の刑罰」の選択にあたって、より慎重な判断が必要との姿勢を示したといえる。
 最高裁によると、裁判官だけで担当した1審判決が高裁で破棄される割合(破棄率)は17.6%(2006〜08年)。これに対し、裁判員裁判の破棄率は制度開始から12年4月末現在で6.6%となっている。最高裁は12年2月、1審判決を覆すには「論理則、経験則等に照らして不合理であることを具体的に示す必要がある」と判示し、市民の判断を重視する姿勢を鮮明にした。
 それでも今回、高裁は「裁判員と裁判官が評議において議論を尽くした結果である」と1審に配慮しつつ、前科と出所後の事件の性質が異なることを踏まえ、「1審は前科を重視し過ぎている」と指摘。極刑を回避する結論を導いた。
 無罪を主張する弁護側と、量刑を不服とする検察側の双方が上告するとみられ、最高裁の判断が注目される。
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