中日・松坂、右肩かばう不安 我慢重ねて探る復帰への道
zakzak 2018.2.4
「ここ(立ち入り禁止)に入らないで!! 押さないで!!」
中日にテスト入団した松坂大輔投手(37)が思わず声を荒らげるシーンがあった。
沖縄・北谷キャンプ2日目。陸上競技場でのトレーニング後、訪れた大勢のファンにサインしようと自ら歩み寄ったが、一部が規制のために張られたロープを飛び越え殺到。球団スタッフが制したものの収拾がつかず、やむを得ず途中で打ち切る格好になった。
松坂は「(ファンが)来てくださるのはうれしいですが、ケガをされたら元も子もない」と困惑。チーム関係者は「近年、うちの選手でファンに囲まれて大変な目に遭っている姿なんて見たことない。ドラフト1位の新人でもそこまでいかない」と球団史上まれに見る騒ぎに目を白黒。事ほどさように、巻き起こった怪物フィーバーは過熱の一途だ。
この日は初めてブルペンに入り、立ち投げで32球。「予定していたより少し多めに投げましたが、(フォームは)まだまだですね」。20歳の小笠原慎之介投手から2日続けてアドバイスを求められて応じ、その後予定していなかった打撃練習にも取り組んだ。
大勢の報道陣が密着し存在感は抜群だが、肝心の投球はというと、ソフトバンク時代に痛めた右肩をかばう動作が「ちょいちょい出る。(自分に)『大丈夫だよ』と言い聞かせていた」のが現状。
投球を見守った森繁和監督(63)も「楽をしたいというのが何球か見えた。苦しくても我慢をしないとボールに伝わらない」と手厳しい。ソフトバンクでの3年間で1軍登板はわずか1試合に終わっただけに、故障の影響はまだ色濃い。
今後、捕手を座らせての投球やフリー打撃登板に進むことになるが、森監督は「(タイミングは)すべて本人が決めればいい」とした上で、「目の前のことができなければ、次のステップには進めさせない」とクギを刺した。
盛り上がる周囲とは裏腹に、公式戦開幕にこだわらず、故障を再発させないことを最優先に細心の注意を払って復帰への道を探ることになりそうだ。(山戸英州)
◎上記事は[zakzak]からの転載・引用です
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2018.2.3 05:06
中日・松坂に虎・久保田スカウトが指摘 右肩を「もう壊したくない恐怖心ある」
中日春季キャンプ(2日、沖縄・北谷)中日にテスト入団した松坂大輔投手(37)が2日、沖縄・北谷キャンプで初のブルペン入り。7割ほどの力で、捕手を立たせて32球を投げた。この日は“松坂世代”の1人で、かつてJFKトリオとして活躍した阪神・久保田智之プロスカウト(37)が視察。同じく右肩を痛めた経験がある同スカウトは“恐怖心”を指摘し、同期として克服を願った。
松坂が投げるたびにカメラのシャッター音が響き渡った。キャンプ初ブルペンは、捕手を立たせたまま、8球のカーブを交えて32球。最後の11球は大きく振りかぶって投げた。復活を印象づけるデモンストレーション。ただ本人はまだ、納得していなかった。
「(右肩を)痛めていたときのかばう動作が、ちょいちょい出てしまった。自分の体に『大丈夫だよ』と言い聞かせながら投げていた」
ソフトバンク時代の2015年夏に右肩の手術を受けた。それから2年半。すでに完治しているが、苦しい記憶は、なかなか消し切れないのが人間だ。「みなさん(報道陣)に説明してもわからないと思う。プロ(の経験者)でないと」。そう話したが…。奇しくも投球を視察していた“松坂世代”の1人が、同じことを感じ取っていた。指摘したのは、阪神の久保田プロスカウトだ。
「昨年と比べると、すごくいいのは確か。でもテークバックをしたときに右肩に負担をかけないように…と、ワンクッションの動きがある。どうすれば改善されるかは、頭の問題と思う。体は大丈夫でも頭の中には『もう右肩を壊したくない』という恐怖心があるから、右肩をかばうような投げ方になってしまう。僕にも経験があったから、わかるんです」
自身は阪神に入団した2003年秋、04年と右肩痛に苦しんだが克服した。「完治しているのだから右肩を大きく振ることを意識してブルペンで投げまくった。体ではなく頭にしみこませるために」。05年には藤川、ウィリアムスと「JFK」を形成し、優勝に貢献。07年の90試合登板はシーズン日本記録。その後も右肩痛を抱えながら戦ったからこそ、わかる。
「37歳。大変かもしれないが(再発を)怖がっていてはダメ。僕は引退後も『松坂世代』と呼ばれる。彼は僕にとってもヒーロー。復活してほしい」。同じリーグのライバル球団だが、一野球人としてエールを送らずにはいられなかった。
5日にも入る次回ブルペンへ、松坂も「次も立ち投げになると思うが、最後の5球から10球は座ってもらうかもしれない」と力を込めた。体は問題ない。あとは心を、よみがえらせる。 (三木建次)
*松坂の投球に中日・森監督
「どうしても痛みを気にして、楽そうに投げてしまう。それは本人もわかっているみたいだった。でも、最後の1球は修正できていたのはさすが。ウチでそれができる投手は、ほかにいないよ」
★野手顔負けの初打ち102振
松坂は室内練習場で約30分、初打ちも行った。ティー打撃の後、マシン相手に102スイング。左打席にも立ち、野手顔負けの鋭い打球を飛ばした。「パ・リーグと違って打席に入りますから。でも僕は西武時代から体のキレをよくするために打撃練習はやっていた」。プロ野球では打率・250(20打数5安打)、1本塁打、5打点。西武時代の2006年の阪神戦では、ダーウィンから甲子園の左中間最深部に一発。テスト合格の理由のひとつに「打撃力」を挙げていた森監督は「(打順)7番もいけるかな」と感心していた。
◎上記事は[SANSPO.COM]からの転載・引用です
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◇ 松坂大輔 中日入団を勝ち取った恐るべき“執念”(2018.1.25 dot.)
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