赤野死刑囚、密輸図った覚醒剤・・・出所は北朝鮮? / 中国に限らぬ薬物「厳罰」 / 主流は絞首刑、各国の死刑執行方法

2010-04-06 | 死刑/重刑(国際)

【邦人死刑】赤野死刑囚、密輸図った覚醒剤 出所は北朝鮮?
産経ニュース2010.4.6 23:20
  【北京=川越一】中国で麻薬密輸罪で死刑を執行された赤野光信死刑囚(65)が密輸を企てた覚醒剤(かくせいざい)は、中国語で「氷毒」と呼ばれるメタンフェタミンだった。中国メディアによって、拘束されるまでの足取りが明らかになる中、高純度の覚醒剤の出所として北朝鮮の影がちらついてきた。
 赤野死刑囚らが遼寧省大連市の大連国際空港で拘束されたのは、2006年9月20日。しかし、外国人が絡んだ麻薬密輸犯罪に関する情報を入手していた中国の警察当局は、同年4月に赤野死刑囚が大阪から大連に降り立った時点で、その行動に不審な点を認め、監視を開始していたという。
 同死刑囚が接触した中国人の仲介業者は、遼寧省瀋陽市や朝鮮族が多い吉林省延吉市、さらには北朝鮮に近い遼寧省丹東市まで足を伸ばし、覚醒剤を仕入れていたことが確認されている。
 赤野死刑囚らから押収した覚醒剤は純度95%。これまでの状況から、警察当局は「出所は第三国で、中国国内の売人を介して売買が行われている」と断定した。「第三国」が北朝鮮を指している可能性は高い。
 北朝鮮の覚醒剤製造は密輸ルートの摘発などで縮小されたとみられていたが、08年、吉林省延辺朝鮮族自治州で麻薬密輸を試みた日本人2人が逮捕された。今年3月にも瀋陽空港で覚醒剤1キロの密輸を図った28歳の日本人が逮捕されており、北朝鮮が依然として“麻薬ビジネス”を展開している疑いが強くなっている。
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【邦人処刑】中国に限らぬ薬物「厳罰」 東南アジア諸国でも死刑続く
産経ニュース2010.4.6 22:33
  昭和47年の日中国交正常化以降、初となった中国での日本人の死刑執行。昨年12月には、英国政府の反対を押し切り、麻薬密輸罪で英国人に死刑が執行されるなど、中国は薬物事犯に厳罰で臨んでいる。国際人権団体は「死刑による麻薬撲滅の効果は少ない」として見直しを求めるが、厳罰は中国に限らず、東南アジア諸国でも同じだ。(大泉晋之助、シンガポール 宮野弘之)
■執行数突出の中国
 アムネスティ・インターナショナルの報告書によると、現在、死刑制度を存続している国は58カ国で、制度がないのは95カ国。
 中国は昨年、数千件の死刑を執行したといい、世界でも突出している。イラン、イラク、サウジアラビアといったイスラム諸国がこれに続き、中国を除くと、昨年は17カ国で少なくとも714人の死刑が執行されたという。
 日本でも7人が執行されたが、昨年9月の政権交代以降は執行されていない。
 一方、欧州での執行はゼロ。欧州連合(EU)の加入要件の一つに死刑廃止があり、イスラム圏のトルコはEU加入に向けて死刑を廃止した経緯もある。
 殺人や強盗、強姦(ごうかん)などの凶悪犯罪で死刑を適用するケースが多いが、薬物事犯でも死刑になる国は少なくない。
■50グラムと200キロで明暗
 薬物の蔓延(まんえん)が深刻な問題になっているという中国では、日本に比べ、密輸に対する刑罰が重く規定されている。中国の刑法は覚醒(かくせい)剤50グラム以上の密輸に、懲役15年、無期懲役または死刑としている。昨年の英国人への執行をめぐっては、死刑制度が廃止されている英国や欧州諸国、人権団体が激しく反発した。
 これに対し、中国当局が国籍の分け隔てなく、死刑制度を適用する姿勢を明らかにしたことで、「日本人死刑囚への執行も時間の問題」(法務省幹部)との見方が強まっていた。
 日本の覚せい剤取締法では、営利目的での覚醒剤の密輸や製造に対し、無期懲役もしくは3年以上の懲役と規定。過去には北朝鮮から200キロ以上の覚醒剤を持ち込んだ暴力団組員に無期懲役刑が言い渡されたケースがあるが、この種の犯罪で死刑判決を言い渡されることはない。極端にいえば、中国では50グラムの所持でも死刑になり、日本では200キロでも無期止まりなのだ。
■一国だけ緩和は困難
 薬物事犯に対する厳罰化の流れは中国だけに限った話ではない。
 マレーシアで昨年11月、日本人の女(35)が4・7キロもの覚醒剤を隠し持っていたとして麻薬密売目的所持の現行犯で逮捕される事件があった。有罪となれば、女の死刑は免れない。
 女は、これまでの調べに「友達から荷物と携帯を渡された。中身が覚醒剤とは知らなかった」と供述しているというが、中東と日本をマレーシア経由でしばしば往復。しかも、大量の覚醒剤は、二重底のカバンに巧妙に隠されていたことなどから「運び屋」として麻薬密輸にかかわっていたとみられている。
 マレーシアで麻薬密輸と認定されれば、裁判官には刑の軽重について裁量権はなく即死刑が確定する。
 シンガポールも厳しい。覚醒剤を15グラム以上所持していれば死刑は確実。これまでもオーストラリアやドイツ人などが麻薬所持で死刑判決を受け、いずれも各国政府が恩赦を求めたが刑は予定通り執行された。
 他の東南アジア諸国連合(ASEAN)各国も麻薬取引に対する姿勢は厳しい。背景には、「刑罰を緩和すれば、そこに犯罪者が流れる。一国だけ緩和することは難しい」(インドネシアの法律関係者)という事情があるという。
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主流は絞首刑、イランでは「石打ち」も 各国の死刑執行方法
産経ニュース2010.4.6 22:39
 国際人権団体アムネスティ・インターナショナルによると、死刑執行の方法で世界的に主流となっているのは絞首刑だ。日本は執行方法を絞首刑に限定している。絞首刑は死刑囚の首に縄がかけられた後に床板がはずれ、体が落下して首が絞まるという仕組みだ。日本を含め、昨年、絞首刑の執行が確認されたのはイラン、イラクなど11カ国。銃殺刑は中国、ベトナムなど5カ国で、薬物注射は中国、米国、タイで採用された。また、サウジアラビアでは刀で首を切り落とす斬首刑、イランでは死刑囚が死ぬまで石を投げつける石打ち刑が現在も行われている。
 中国の執行方法には薬物注射と銃殺刑の2種類があるが「死刑囚が苦しまないといった理由から、近年は薬物注射が増えつつある」(アムネスティ)という。
 薬物注射では、呼吸を止める作用のある筋弛(し)緩(かん)剤や心停止を引き起こす塩化カリウムなどを投与しているとされるが、昨年9月には、米国の男性死刑囚が2時間にわたって計18回も注射針を刺されたが静脈に薬物が入らず、執行が停止したケースもあった。

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