鳩山献金で捜査着手…「寄付者」から聴取開始
鳩山首相の資金管理団体「友愛政経懇話会」を巡る偽装献金問題で、東京地検特捜部が、同団体の政治資金収支報告書に記載されていた「寄付者」から参考人として事情聴取を始めたことが2日、関係者の話でわかった。
鳩山首相側の調査では、収支報告書の寄付者欄には、すでに亡くなっていた人や、実際には献金をしていない人も記載されており、特捜部は、寄付者欄の名義人に直接、事実確認をする必要があると判断した。
同団体の会計担当者だった元公設第1秘書(解任)らが政治資金規正法違反(収支報告書の虚偽記入)容疑で刑事告発されており、特捜部は今後、「寄付者」として名前が記載された人らから順次事情を聞くなど捜査を進める。
鳩山首相は6月に記者会見を開き、この問題の内部調査結果を公表。同団体が死亡した人や、実際に寄付をしていない人を「寄付者」と偽って記入したケースは2005年から08年までの4年間に計193件、総額約2177万円に上るとしている。
元公設第1秘書が、鳩山首相から政治活動用に預かった首相個人の資金を架空の献金として記入していたといい、鳩山首相側はすでに、寄付者名を削除し、同団体への貸付金として収支報告書を訂正した。鳩山首相側は「元公設第1秘書の独断だった」と説明している。
この問題では、「鳩山由紀夫を告発する会」と名乗る団体が7月、鳩山首相と会計責任者の政策秘書、会計担当の元公設第1秘書の3人を同法違反容疑で東京地検に告発。特捜部は政治的影響に配慮し、衆院選の終了と新政権への移行を待ち、捜査に着手した。(2009年10月3日03時05分 読売新聞)
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鳩山首相献金、捜査開始=「寄付者」を参考人聴取-東京地検
鳩山由紀夫首相の資金管理団体「友愛政経懇話会」の政治資金収支報告書に個人献金者として死亡した人などの名前が記載されていた問題で、東京地検特捜部が、寄付者として名前が記載された人から、参考人として事情聴取を始めたことが3日までに、関係者の話で分かった。特捜部は今後、会計実務を担当していた元公設秘書からも事情聴取するなど、解明を進めるとみられる。
この問題では、政治資金規正法違反容疑で元公設秘書らが刑事告発され、特捜部が受理していた。 鳩山首相は6月30日に記者会見し、死亡していた人を含め、実際には献金していない人の名前が個人献金者として収支報告書に記載されていたと公表。約90人分、計193件が虚偽で、実態のない寄付総額は2005年からの4年間で2177万8000円に上るとした。
鳩山首相側は、個人献金を十分に集められなかった事実を覆い隠すために無断で行ったとして、元公設秘書を解任。収支報告書を訂正した。
献金の原資は首相が元公設秘書に預けていた個人資金で、不正な献金はなかったと説明した。
7月に「鳩山由紀夫を告発する会」を名乗る団体が、東京地検に告発状を提出。特捜部は政治的影響を考慮し、総選挙とその後の新政権への移行まで、捜査開始を控えていた。(時事通信2009/10/03-11:16)
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中日新聞【社説】2009年10月3日
政治資金 「国民の目」常に意識を
2008年は政治団体の収入、支出はともに前年より減少したが、鳩山由紀夫首相の「故人献金」や西松建設による違法献金など問題は後を絶たない。政治資金の透明化に向けた抜本改革が必要だ。
総務省が公表した08年分の政治資金収支報告書(中央分)によると、政党など政治団体の収入総額は1252億8千万円、支出は1120億6千万円で、前年比でそれぞれ2・0%、22・3%の減となった。
支出の大幅減は08年に国政選挙がなかったことが主因だが、ピークだった1990年の6割に減っており、「カネのかからない政治」に向けた流れは歓迎したい。
そうした中、首相の「故人献金」は看過できない問題だ。
首相は、自身の資金管理団体「友愛政経懇話会」の05~08年の収支報告書に関し、公表義務のある5万円を超える個人献金をした延べ193人分(計2178万円)が虚偽記載だったことを明らかにしている。これらには、故人や献金していない人も含まれており、08年の報告書でも69人中55人を削除した。
首相は今年6月の発覚時、公設秘書が個人献金を集める仕事を怠り、分かったら大変だと思ったからと説明したが、虚偽記載は理由にかかわらず、政治資金公開制度の根幹を揺るがす。国民の目は欺けるだろうという安易な気持ちがあったとしたら言語道断だ。
首相は引き続き、国民の納得のいくような説明に努めるべきだ。
また同報告書によると、公表義務のない5万円以下の匿名献金が2千7百万円近くに達し、他の政治家と比べて突出している。
西松事件などを教訓に、民主党は衆院選マニフェストに、企業・団体献金の三年後からの禁止や、個人献金促進のための税制改革実施を明記した。
企業・団体献金から個人献金への転換は望ましいが、現行基準のままで、公表義務のない個人献金が増えれば、透明度は下がる。
与野党は、個人献金を促進しつつ、透明度を高める制度づくりを競い合うべきだ。政権交代の成果を政治資金面でも実感できるよう、首相は先頭に立ってほしい。
民主党五議員の政治団体がキャバクラなどの飲食代を政治活動費として計上していたことも明らかになったが、政治資金の使途として適切だったとは到底言えない。与党になればより厳しい目が注がれることも自覚すべきだ。
鳩山首相の資金管理団体「友愛政経懇話会」を巡る偽装献金問題で、東京地検特捜部が、同団体の政治資金収支報告書に記載されていた「寄付者」から参考人として事情聴取を始めたことが2日、関係者の話でわかった。
鳩山首相側の調査では、収支報告書の寄付者欄には、すでに亡くなっていた人や、実際には献金をしていない人も記載されており、特捜部は、寄付者欄の名義人に直接、事実確認をする必要があると判断した。
同団体の会計担当者だった元公設第1秘書(解任)らが政治資金規正法違反(収支報告書の虚偽記入)容疑で刑事告発されており、特捜部は今後、「寄付者」として名前が記載された人らから順次事情を聞くなど捜査を進める。
鳩山首相は6月に記者会見を開き、この問題の内部調査結果を公表。同団体が死亡した人や、実際に寄付をしていない人を「寄付者」と偽って記入したケースは2005年から08年までの4年間に計193件、総額約2177万円に上るとしている。
元公設第1秘書が、鳩山首相から政治活動用に預かった首相個人の資金を架空の献金として記入していたといい、鳩山首相側はすでに、寄付者名を削除し、同団体への貸付金として収支報告書を訂正した。鳩山首相側は「元公設第1秘書の独断だった」と説明している。
この問題では、「鳩山由紀夫を告発する会」と名乗る団体が7月、鳩山首相と会計責任者の政策秘書、会計担当の元公設第1秘書の3人を同法違反容疑で東京地検に告発。特捜部は政治的影響に配慮し、衆院選の終了と新政権への移行を待ち、捜査に着手した。(2009年10月3日03時05分 読売新聞)
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鳩山首相献金、捜査開始=「寄付者」を参考人聴取-東京地検
鳩山由紀夫首相の資金管理団体「友愛政経懇話会」の政治資金収支報告書に個人献金者として死亡した人などの名前が記載されていた問題で、東京地検特捜部が、寄付者として名前が記載された人から、参考人として事情聴取を始めたことが3日までに、関係者の話で分かった。特捜部は今後、会計実務を担当していた元公設秘書からも事情聴取するなど、解明を進めるとみられる。
この問題では、政治資金規正法違反容疑で元公設秘書らが刑事告発され、特捜部が受理していた。 鳩山首相は6月30日に記者会見し、死亡していた人を含め、実際には献金していない人の名前が個人献金者として収支報告書に記載されていたと公表。約90人分、計193件が虚偽で、実態のない寄付総額は2005年からの4年間で2177万8000円に上るとした。
鳩山首相側は、個人献金を十分に集められなかった事実を覆い隠すために無断で行ったとして、元公設秘書を解任。収支報告書を訂正した。
献金の原資は首相が元公設秘書に預けていた個人資金で、不正な献金はなかったと説明した。
7月に「鳩山由紀夫を告発する会」を名乗る団体が、東京地検に告発状を提出。特捜部は政治的影響を考慮し、総選挙とその後の新政権への移行まで、捜査開始を控えていた。(時事通信2009/10/03-11:16)
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中日新聞【社説】2009年10月3日
政治資金 「国民の目」常に意識を
2008年は政治団体の収入、支出はともに前年より減少したが、鳩山由紀夫首相の「故人献金」や西松建設による違法献金など問題は後を絶たない。政治資金の透明化に向けた抜本改革が必要だ。
総務省が公表した08年分の政治資金収支報告書(中央分)によると、政党など政治団体の収入総額は1252億8千万円、支出は1120億6千万円で、前年比でそれぞれ2・0%、22・3%の減となった。
支出の大幅減は08年に国政選挙がなかったことが主因だが、ピークだった1990年の6割に減っており、「カネのかからない政治」に向けた流れは歓迎したい。
そうした中、首相の「故人献金」は看過できない問題だ。
首相は、自身の資金管理団体「友愛政経懇話会」の05~08年の収支報告書に関し、公表義務のある5万円を超える個人献金をした延べ193人分(計2178万円)が虚偽記載だったことを明らかにしている。これらには、故人や献金していない人も含まれており、08年の報告書でも69人中55人を削除した。
首相は今年6月の発覚時、公設秘書が個人献金を集める仕事を怠り、分かったら大変だと思ったからと説明したが、虚偽記載は理由にかかわらず、政治資金公開制度の根幹を揺るがす。国民の目は欺けるだろうという安易な気持ちがあったとしたら言語道断だ。
首相は引き続き、国民の納得のいくような説明に努めるべきだ。
また同報告書によると、公表義務のない5万円以下の匿名献金が2千7百万円近くに達し、他の政治家と比べて突出している。
西松事件などを教訓に、民主党は衆院選マニフェストに、企業・団体献金の三年後からの禁止や、個人献金促進のための税制改革実施を明記した。
企業・団体献金から個人献金への転換は望ましいが、現行基準のままで、公表義務のない個人献金が増えれば、透明度は下がる。
与野党は、個人献金を促進しつつ、透明度を高める制度づくりを競い合うべきだ。政権交代の成果を政治資金面でも実感できるよう、首相は先頭に立ってほしい。
民主党五議員の政治団体がキャバクラなどの飲食代を政治活動費として計上していたことも明らかになったが、政治資金の使途として適切だったとは到底言えない。与党になればより厳しい目が注がれることも自覚すべきだ。