No.1市場・中国に新型続々 上海モーターショー

2009-04-22 | 国際
【自動車産業ニュース】
No.1市場・中国に新型続々 上海モーターショー
2009年4月21日
 【上海=池田実、小坂井文彦】上海市で20日開幕した上海モーターショーでは、日米欧の自動車メーカー各社が中国重視の姿勢を強調した。世界的な景気後退を受け、自動車市場が低迷する中、中国は数少ない成長市場。各社は生き残りをかけ、激しい市場争奪戦を繰り広げている。
 ●熱 気
 「熱気がありますね。日本もそういう時代がありましたが」。上海モーターショーの会場を見回し、感想を漏らした三菱自動車の益子修社長。「4年後には売り上げ台数を15万台に倍増させたい」と力を込めた。
 昨夏以降失速した中国の自動車市場だが、政府が小型車の取得税減税などを打ち出した結果、3月の乗用車販売は前年同月比5%増の約111万台と単月ベースで過去最高を記録。1-3月期も米国を抜き世界一の市場となった。年初は弱気だった業界も「今年は10%程度は伸びる」と強気の見方も出ている。
 各社はコスト削減に躍起だが、「世界のメーカーがしのぎを削る中国で売れることは、実力を証明することになる」(日系メーカー)と自社モデルを積極アピール。ポルシェは新型スポーツカー「パナメーラ」を上海で世界初公開。BMWやアウディなど主要メーカーも世界に先駆けて新型車を発表、アジア重視の姿勢を強調した。
 10月の東京モーターショー出展を見送った米国のビッグスリーも上海には出展。経営再建計画を詰めている米ゼネラル・モーターズ(GM)のヘンダーソン最高経営責任者(CEO)さえ、直前まで上海でのトップセールスを計画していた。
 ●明 暗
 回復基調にある中国市場だが、日本勢の売れ行きは明暗が分かれている。今回、全メーカーで最も広い過去最大の展示スペースを確保したトヨタ自動車の1-3月期の販売台数は14%減。小型車「ヤリス(日本名ヴィッツ)」などの販売不振や、主力のカムリなどが減税対象外だったことなどが響いている。それだけに渡辺捷昭社長自ら訪中。5月から現地生産するSUV「ハイランダー」など新型車を相次ぎ投入し、挽回(ばんかい)を図る。
 2・5%増となったホンダは、中国専用に開発したスポーツセダン「SR-9」のコンセプトカー(試作車)を披露。年内にも中国で発売することを明らかにしたほか、2010年から市場投入予定の中国専用ブランド「理念」のコンセプトカーなども展示した。
  一方、29%増と大幅増となったのが日産自動車。「販売する車が足りない。販売店には平日でも客があふれている」(同社)という状況で、11年に中国で投入を計画する電気自動車のコンセプトカーなどを展示した。
 中国メーカーは第一汽車や上海汽車など6大自動車集団が初めて上海に集結。上海や東風汽車は海外勢と提携しない独自ブランドの商品性を強くアピールしたほか、電気自動車なども出展した。

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