懲役5年~9年不定期刑判決
NHK NEWS WEB 2015年3月24日 18時52分
おととし8月、三重県朝日町で中学3年の女子生徒が口を押さえられるなどの暴行を受けて死亡し、財布から現金が盗まれた事件で起訴された19歳の少年に対し、津地方裁判所は「犯行は悪質で、取り返しのつかない重大な結果が生じた」として、懲役5年から9年の不定期刑の判決を言い渡しました。
おととし8月、三重県朝日町で、花火大会から帰宅する途中の中学3年の女子生徒が、背後から口を押さえられるなどの暴行を受けて死亡し、財布から現金およそ6000円が盗まれた事件では、当時、高校3年だった19歳の少年が警察に逮捕され、その後、成人と同じ裁判を受けるのが相当だとして、強制わいせつ致死と窃盗の罪で起訴されました。
審理は、裁判員裁判で行われ、検察が「少年は反省が不十分で、再犯の可能性がある」などとして、懲役5年から10年の不定期刑を求刑しました。
これに対し、弁護士が「少年は、相手の気持ちを考える共感性が乏しく、少年院で教育を受けさせるべきだ」として、家庭裁判所に審理の場を移すよう求めました。
24日の判決で、津地方裁判所の増田啓祐裁判長は「強い力で、執ように口や鼻を押さえるなど、犯行は悪質で危険だ」として、刑務所で罪を償わせる刑事処分が相当だと指摘しました。
そして「少年の身勝手な行為で、15歳の被害者が尊厳を踏みにじられたうえ、死亡するという取り返しのつかない重大な結果が生じた」として、懲役5年から9年の不定期刑を言い渡しました。
最後に裁判長が、少年に対し「私や裁判員には、残念ながら、あなたが事件にきちんと向き合っているとは思えない。事件と向き合うことが最大の償いです。被害者や遺族への謝罪の気持ちを持ち続けてほしい」と話しました。
判決のあと、裁判員を務めた3人と補充裁判員を務めた1人の合わせて4人が会見しました。4人からは、法廷での少年の受け答えについて「謝罪は表面的で、反省の色が感じられなかった」とか「あいまいな答えが多く、誠意が感じられなかった」などの意見が出されました。
また、判決について裁判員を務めた男性は「裁判官と裁判員が十分に話し合って結果を出せてよかった。少年には、反省とは何かを、考えてもらいたい」と話しました。
判決のあと、女子生徒の遺族が、津市内で記者会見しました。この中で、父親は「判決は、まったく納得のいくものではなく、残念だ。
これでは娘が浮かばれない。少年は、無情にも自分のことばかりを考えているようで、反省が見られない」と話しました。そして、今後、検察に対し控訴するよう求めることを検討したいと話しました。
判決について、津地方検察庁の柴田真次席検事は、「刑事処分になったことは、適正と考えるが、刑の重さが求刑を下回っているので、内容を精査し、今後、慎重に対処したい」と話しました。
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三重・中3わいせつ致死、少年に実刑 5年以上9年以下
朝日新聞デジタル 2015年3月24日19時52分
2013年8月、三重県朝日町の空き地で、同県四日市市の中学3年の女子生徒(当時15)が遺体で見つかった事件で、強制わいせつ致死などの罪に問われた少年(19)の裁判員裁判の判決が24日、津地裁であり、増田啓祐裁判長は懲役5年以上9年以下(求刑懲役5年以上10年以下)の不定期刑を言い渡した。
判決によると、少年は13年8月25日午後11時ごろ、朝日町埋縄(うずなわ)の路上で、わいせつ行為をしようと、通りかかった女子生徒の背後から鼻と口を手でふさぎ、そのまま近くの空き地に連れ込んで窒息死させたうえ、現金約6千円を盗んだ。
増田裁判長は「危険を認識しながら、相当強い力を加えて執拗(しつよう)に鼻と口をふさいだ。犯行態様は悪質」と指摘。また、弁護側が求めた家裁への移送については、「暴行態様の危険性からすれば、刑事処分が相当」と結論付けた。
少年は公判で、事件当時の状況について「覚えていない」などと繰り返した。判決文を読み終えた増田裁判長は「残念ながら、裁判官と裁判員には、あなたが事件にきちんと向き合っているようにみえなかった。他人の痛みがわかる人間になって欲しい」と述べた。
一方、判決を受け、女子生徒の遺族は少年側に対し、「損害賠償命令制度」を利用して約1億円の損害賠償の支払いを求める手続きに入った。原則4回以内の審理で損害賠償額が決められるといい、少年側は争うとみられる。
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〈来栖の独白〉
>少年は公判で、事件当時の状況について「覚えていない」などと繰り返した。判決文を読み終えた増田裁判長は「残念ながら、裁判官と裁判員には、あなたが事件にきちんと向き合っているようにみえなかった。
人は、尋常な精神状態で人を殺めたりなどできるものではない。「覚えていない」との答弁は、その通りだ。被告人が「覚えていない」と答えたので裁判員は「事件にきちんと向き合っているようにみえなかった」と言うが、仮にすらすらと当時の状況を話せば話したで「淡々と客観的に語る様子からは、心の痛みや被害者に対する申し訳なさが感じられない」などと言うのだろう。被告人が如何なる態度に出ても、裁判長も裁判員も、先入観でしか見ない。
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◇ 懲役5年~10年求刑 被害者父親「少年であろうが人を死なせたら重い処罰を」三重県朝日町中3女子殺害
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◇ 「三重県朝日町 中3女子 殺害事件」遺族、少年に約1億円の賠償請求へ 「損害賠償命令制度」付帯私訴
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