「尖閣」日本側は現在の憲法の制約下では自国の領空侵犯が明白でも外国の無人機をいきなり撃墜はできず

2012-10-25 | 政治〈領土/防衛/安全保障/憲法/歴史認識〉

尖閣空域に中国の無人機が飛んでくる 日本の譲歩を求めて海から空から威嚇
JBpress 2012.10.24(水)「国際激流と日本」古森義久
 尖閣諸島を自国領として日本から奪取しようとする中国の戦略意図はますます明確となってきた。中国が今後ともあの手この手で日本を威嚇し、圧力をかけて領有権での譲歩を求めてくることは確実である。
 日本側としては、尖閣諸島を放棄してしまうという道を選ばない限り、中国との間では「永遠の摩擦」を覚悟して対処するしかない。この「永遠の摩擦」という言葉は米国の海軍大学付設の「中国海洋研究所」のピーター・ダットン所長が尖閣問題での日本の立場を評して使った表現だった。こうした表現に象徴されるように、米国でも尖閣を巡る日本と中国との対立に真剣な関心が向けられている。
■中国軍が尖閣に迫ってくる可能性はあるか
 中国の今後の尖閣問題へのアプローチには、当然、軍事的な動きが含まれる。軍事だけが尖閣攻略のすべての方法ではないことは明らかだが、軍事がいつも主要な要因であり続けることも明白だと言える。
 いまのところ米国の専門家たちの間では、中国は尖閣諸島に向けての正面からの軍事力の行使は避けるという見方がコンセンサスに近くなっている。
 中国が軍事手段を当面は選ばないという理由は、日本側の防衛力が強固であり、尖閣周辺の局地戦では中国軍にはとうてい勝ち目がないことが最大だとされている。また、米国が同盟国として日本が尖閣への攻撃を受けた場合には軍事支援する方針を言明していることの比重も大きい。
 とはいえ、今後、中国がなんらかの形で軍事力を使って尖閣に迫ってくると見通す米国専門家も、極めて多いのである。現に中国人民解放軍は10月19日にも東シナ海で東海艦隊などの艦艇11隻を投入して、尖閣対策であることが明白な合同演習を実行した。今後も中国海軍の艦艇による尖閣周辺海域の航行など軍事行動が予測される。
世界各国が開発に力を入れる軍事用無人機
 さて、こうした背景の中で、米国の中央情報局(CIA)出身の専門家集団が運営する民間の安全保障調査機関が、中国軍のある動きを明らかにした。尖閣諸島の主権の主張のために、新鋭の無人機を飛ばす計画を進めているというのである。
 中国側は海軍の艦艇上から尖閣をめがけて無人機を飛ばし、日本側の領有権や施政権を弱めることが狙いだという。
 無人機と言えば、近年、世界各国が力を入れるようになった兵器の分野である。米国が先頭となって、各種無人機の開発や配備が急速に進んでいる。ちなみに国際テロ組織のアルカーイダの最高指導者オサマ・ビンラーデンを殺した米軍の作戦でも無人機の使用が偵察に威力を発揮したことが知られている。
 いまの世界では無人機は単に偵察だけでなく、標的を絞っての敵目標の破壊、そして特定の人間を殺すための攻撃にまで頻繁に使われるようになったのだ。
■領空侵犯が明白でも日本はいきなり撃墜できない
 CIAの元分析官や元工作員たちが運営する民間の国際安全保障の調査機関「リグネット」は10月中旬、「中国が無人機で紛争諸島の主権を強化する」という題の報告書を作成し、中国人民解放軍の海軍が最近、海洋での無人機使用を強め、特に尖閣諸島に向けて将来、頻繁に飛行させる計画だと指摘した。リグネットには長年、CIAで中国の軍事戦略やアジアでの大量破壊兵器の動向を調査対象としてきた専門家数人が加わっている。
 リグネットの報告によると、中国軍は2011年6月に海軍艦隊が尖閣近海を航行した際、艦隊の一部のフリゲート艦上からヘリコプター型の無人航空機を発進させ、尖閣付近の上空を飛行させた実例がある。中国軍は近年、無人機の調達や開発、使用に熱心となり、オーストリアのシーベル社製無人ヘリコプター「S100型」18機をすでに購入したほか、自国製の各種の無人機の開発に着手した。
 こうした中国軍全体としての無人機への取り組みの意欲は、2010年の珠海での航空ショーで中国官民による無人機モデルが25種類以上も展示された事実からも明白だとされている。2011年6月に尖閣付近に飛来した無人ヘリもS100型ではなく、中国製だった確率が高いという。
 さらにリグネット報告によると、中国海軍は東シナ海での尖閣諸島を中心とする将来の作戦活動でも無人機をフリゲート艦、あるいは新配備した空母の「遼寧」から発進させ、尖閣諸島の日本側が自国領空と見なす空域にも侵入させて、日本側の活動を偵察するだけでなく、尖閣地域での中国側の「領空権」や「主権」を強め、日本側の主権を希薄にすることをも戦略目標としている。
 同報告はこの中国軍無人機が攻撃用兵器を搭載しているかどうかは明記していないが、尖閣空域へのその飛行は日本の自衛隊機などとの接触や衝突なども予測され、日中両国間の対立をさらに緊迫させる公算をも指摘した。
 同時に同報告は「日本側は現在の憲法の制約下では自国の領空侵犯が明白でも外国の無人機をいきなり撃墜はできず、対応に苦慮する一方、中国側はその日本の制約を知っているがために、尖閣空域への無人機送り込みをあまり深刻な懸念なしに実行できるだろう」とも述べて、日本側の屈折した防衛事情にも触れていた。
 尖閣問題では中国側が同じ軍事面での威嚇や圧力でもこうした多様な手段を用意していることは、日本側でも十二分に注意しておく必要があるだろう。
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中国初の空母「ワリヤーグ」が「遼寧」と命名され、就役 「海軍大国」内外へアピール 2012-09-25 | 国際/中国/アジア 

           

中国の空母「ワリヤーグ」、海軍に配備 国防省発表、日本を威嚇?
産経ニュース2012.9.25 14:35
25日、中国遼寧省・大連港に停泊する中国初の空母「ワリヤーグ」(共同)
 中国国防省は25日、ウクライナから購入し、中国遼寧省大連で改修した中国初の空母「ワリヤーグ」が正式に海軍部隊に配備されたと発表した。艦名は「遼寧」で、就役したとみられる。どの部隊に配属されたかは不明。
 遼寧は科学研究・試験と訓練用と位置付けられ、実戦での戦闘能力はないとされる。だか、この時期に配備を正式発表することで、沖縄県・尖閣諸島を国有化した日本を威嚇する政治的な意図もありそうだ。中国は空母保有国として遠洋戦力の増強を図る構えだ。
 艦載機を使った訓練などに乗り出すほか、上海の造船所での2隻の国産空母建造に使うデータ収集を本格化させる。
 関係者によると、大連に停泊している遼寧の艦上で25日午前、海軍関係者のほか、国家指導者が出席する式典が開かれた。胡錦濤国家主席や温家宝首相が出席したとの情報もある。(共同)
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中国初の空母「遼寧」就役 海軍大国内外へアピール
産経ニュース2012.9.25 19:23
 【北京=矢板明夫】中国がウクライナから購入し、改修と試験航行を重ねた中国初の空母、「ワリヤーグ」が25日、「遼寧」と命名され、正式に就役した。胡錦濤国家主席と温家宝首相が同日、就役式典に参加し、艦内を視察した。10月1日の建国記念日(国慶節)と、10月中にも開かれる5年に1度の共産党大会の前に、同空母を就役させたのは、中国が海軍大国の仲間入りを内外にアピールし、国威を発揚させたい狙いがあるとみられる。
 中国国営新華社通信によると、就役式は同日午前10時(日本時間同11時)に開始。中央軍事委員会主席を兼務している胡主席が同空母の艦員に軍旗と、「遼寧」と書かれた命名証書を手渡した。温首相は国務院(政府)などを代表して、「(遼寧の就役は)全軍、全党、全国人民を鼓舞し、中国の国防力と総合国力を増強したものだ」との内容の祝電を読み上げた。軍人ではない温首相がこのような軍の行事に出席することは珍しく、中国政府が同空母を重要視していることがうかがえる。
「遼寧」は就役後、訓練用空母として使用されると伝えられているが、中国軍事科学学会常務理事の羅援少将は25日、中国メディアに対し、「中国海軍の作戦体制の空白を埋める意味があり、必要な時は実戦にも使える」と語った。
 また、同空母は当初、南海艦隊の海南島基地に配置される予定とされていたが、最近になって、北海艦隊の青島港に配置される可能性も浮上した。
 名前は、同空母が改修のために2002年から係留されていた大連港がある遼寧省から取った。これまでに「北京」「毛沢東」「台湾」などさまざまな案が浮上し、一部軍関係者は中国が領有権を主張する沖縄・尖閣諸島の中国名「釣魚島」を強く主張していた。
 中国海軍の潜水艦は古代王朝の名前「漢」「晋」「宋」などで命名されているのに対し、今後、次々と就役するとみられる空母は省や直轄市の名前で命名されるとみられる。上海で建造中の国産空母は、「上海」や「広東」などと命名されるのではないかという推測も上がっている。
 「遼寧」の就役を受け、中国は北東アジアで唯一の空母保有国となった。中国軍が最近進めている外洋拡張路線を背景に、日本などの周辺国に対し軍事圧力として利用する可能性もある。
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「中国の圧力に日本は断固たる態度を」ラリー・ウォーツェル氏/中国 空母ワリヤーグ就役 2012-09-24
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