絞首刑執行、平均14分 GHQ占領下の死刑囚46人
東京新聞2012年10月8日 17時24分
連合国軍総司令部(GHQ)占領下にあった1948年~51年、死刑囚46人の刑執行前後に日本政府が作成した英文の公文書が8日までに確認され、絞首刑の執行時間は平均約14分で、最大10分程度の差があったことが判明した。
国立国会図書館で文書を見つけた関西大の永田憲史准教授(刑事学)は「執行時間が公文書で裏付けられるのは初めて。死刑制度や絞首刑の残虐性を議論する上で貴重な資料だ」と話している。
文書の存在は知られていたが、法務省への情報公開請求でも公開されず、詳しい内容はこれまで分かっていなかった。同省は「個別の執行に関するコメントはできない」としている。
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絞首刑執行、平均14分 終戦直後の死刑囚
中國新聞'12/10/9
連合国軍総司令部(GHQ)占領下にあった1948年~51年、死刑囚46人の刑執行前後に日本政府が作成した英文の公文書が8日までに確認され、絞首刑の執行時間は平均約14分で、最大10分程度の差があったことが判明した。
国立国会図書館で文書を見つけた関西大の永田憲史ながた・けんじ准教授(刑事学)は「執行時間が公文書で裏付けられるのは初めて。死刑制度や絞首刑の残虐性を議論する上で貴重な資料だ」と話している。
文書の存在は知られていたが、法務省への情報公開請求でも公開されず、詳しい内容はこれまで分かっていなかった。永田准教授によると、執行方法は当時も今と変わらないとみられ、所要時間は現在も同程度である可能性が高い。同省は「個別の執行に関するコメントはできない」としている。
文書は執行前に現在の法務省が作成した「死刑執行起案書」と、執行後に書かれた「死刑執行始末書」の2種類。国会図書館憲政資料室にマイクロフィッシュ(シート状の記録媒体)の状態で所蔵されていた。GHQが占領時に作成・収集した膨大な資料の一部で、米国立公文書館にある原本を複写したものだという。
始末書には執行開始と終了の時刻が記録され、判読不可能な1人を除く45人を調べると、最短で10分55秒、最長で21分00秒を要していた。平均は14分17秒だった。
起案書には、死刑囚の氏名や親族構成、事件の概要、判決確定日のほか、死刑執行予定施設と執行予定日を記載。
始末書は執行日や立会人名に加え、遺体の解剖場所や納骨先、存命中の面会、通信状況も記している。辞世の短歌を残したことなど、執行直前の生活の様子や心情の観察結果もまとめていた。
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