VWとポルシェ統合決定 11年末まで世界3位、トヨタ追う

2009-08-15 | 国際
【自動車産業ニュース】2009年8月14日
 【ベルリン=共同】ドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VW)は13日、最高意思決定機関の監査役会を開き、資金繰りが悪化した親会社のスポーツカーメーカー、ポルシェと2011年末までに経営統合することを決めた。ポルシェ側も統合に合意しており、空席のポルシェ社長にはVWのウィンターコルン社長が9月中旬に就任。子会社のVW主導により経営統合することで決着した。
 統合後の新会社は新車販売台数で世界3位。経営効率化で足固めをし、首位のトヨタ自動車を追撃していく。ウィンターコルン社長は記者会見で「両社は将来への重要な一歩を踏み出した。世界一に向けたチャンスとなる」と語った。
 VWは年内にポルシェ自動車部門の株式42%を約33億ユーロ(約4500億円)で取得し、最終的に両社の持ち株会社を統合する。ポルシェは新会社傘下の高級ブランドとして存続し、新会社は小型車、スポーツカー、大型トラックなど計10ブランドを抱えることになる。
 新会社では、社長にウィンターコルン氏の就任を予定。ポルシェの創業者一族とVWのピエヒ監査役会会長、VW大株主のドイツ・ニーダーザクセン州が出資する。カタールの政府系ファンドとも出資交渉を続ける。
 ポルシェは1月にVWを子会社化した。この過程で巨額の負債を抱えたポルシェは75%まで出資比率を引き上げる計画を断念、VW主導の経営統合に反対していたウィーデキング社長が7月下旬、引責辞任し、両社の“攻守”が逆転した。
 両社は歴史的につながりが深いが、ポルシェが従業員で30倍以上のVWを傘下に入れたことなどから対立。今回の統合問題では、ポルシェ創業者一族を巻き込んだ内紛に発展していた。
 【ポルシェとフォルクスワーゲン】 ポルシェは1931年創業、フォルクスワーゲン(VW)は37年創業のドイツの自動車メーカー。ポルシェ創業者が第2次大戦前、政府から安価な「大衆車」開発を要請され、その大量生産で成長したのがVW。ポルシェの従業員は約1万2000人。08年7月期売上高は74億6600万ユーロ(約1兆円)。新車販売台数は約9万8700台。VWの従業員は約37万人。08年12月期の売上高は1138億ユーロ。新車販売台数は約625万台で世界3位。(共同)

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