【ドラニュース】中スポ2007年10月16日 紙面から
フリーエージェント(FA)権を取得見込みの中日・福留孝介外野手(30)の引き留めへ、球団ができるだけの誠意をみせる。西川順之助球団社長(74)は15日、引き留め策として、これまでの貢献度、今後の期待度を加味した年俸を提示する考えを示した。右ひじ痛による後半戦不出場で、公傷といっても、単純に考えればマイナス査定は必至。だが、そこは福留の実績を最大限に考慮し、納得してもらえるものを示そうというもので、全力で引き留めをしていく。
福留の引き留めへ、球団が精いっぱいの誠意をみせる。残留してプレーする環境づくりもそうだが、大事なのは金銭面。今季の査定をどういう形にするか、西川球団社長はこの日、一つの考えを示した。今季だけでなく、これまでの実績、期待を考慮するものだ。
「FA権を取る節目の年だし、これまでの貢献度を加味して考えないといけない。過去の成績もあるが、将来の期待度も含まれることになる」
福留がFA権を行使すれば、他球団も参戦してのマネーゲームになるのは必至。球団としては、仮に行使せずに残留しても、納得してもらえる条件を提示して誠意をみせることになる。
今年の福留は右ひじ痛のため、後半戦は欠場。前半戦もあちこちを負傷した影響で、打率3割に届かなかった。けがは公傷とはいえ、普通ならマイナス査定は避けられない。だが、西川社長は「単純にマイナスという計算はしない」と言う。
福留の存在感の大きさは、チームが後半戦苦しみ、巨人に後塵(こうじん)を拝したことや、4日のナゴヤドーム最終戦後のセレモニーに参加した時に、ファンの大歓声があったことで明らかだ。西川社長もそれは感じている。
「興行的なことも考えています。牛島(和彦氏)、田尾(安志氏)が(トレードで)出た時のファンのリアクションがどういうものだったか知ってるから」
球団の宝を手放したくない考えは、フロント、現場は一致している。金銭面での条件という誠意を示して、何としても引き留める。(山本諭)
◆福留「平田よ失敗恐れるな」
ナゴヤ球場でリハビリ中の福留が15日、クライマックスシリーズ(CS)第1ステージで先発出場した平田に、奮闘を期待するエールを送った。自身はキャッチボールの距離を20メートルに延ばし、最後の1球は力を入れて投げるなど、来季への復帰に向けて順調にメニューを消化している。
CS第1ステージで先発出場して奮闘した2年目の平田へ、福留が激励のエールを送った。自身は観戦して応援することしかできないが、そうそうたる顔ぶれに交じって頑張る若い力が頼もしかった。
「よくやってると思う。本人にとっては大きなチャンス。失敗することを恐れないで思い切ってやってほしい。失敗しないと誰も思ってないから」
実績のない若い選手だからこそ、何でもできるし、思い切ってやれる。これは若手の特権だ。しかも、CSの大舞台での経験なのだ。
「こういうのを経験すれば、来年以降の財産になる」。福留自身も入団1年目の99年に日本シリーズに出場。身をもって大舞台で戦える喜びを体験した。
貴重な経験をする上で、福留は感謝の心を持つことも強調した。右肩のリハビリに付き添ったトレーナー陣、1軍へ送り出してくれたスタッフと、平田の活躍の裏にはたくさんの人たちの支えがある。
「ここまでこれたのは、周りのサポートのおかげなんだということを分かってやってくれれば」と温かい目で平田の活躍を見守る。
福留自身のリハビリも順調だ。キャッチボール距離は15メートルから20メートルに延びている。30球の投球数は変わらないが、最後の1球だけはかなり力を入れて投げている。「順調? まあまあというところですね」。回復へ常に前進を続けている。
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