小野寺五典防衛相「第三者調査は不要」 イラク日報隠蔽 2018/4/5

2018-04-06 | 政治〈領土/防衛/安全保障/憲法/歴史認識〉

中日新聞 2018年4月6日 朝刊

   

防衛相「第三者調査は不要」 イラク日報隠蔽
 小野寺五典防衛相は五日の参院外交防衛委員会で、陸上自衛隊イラク派遣部隊の日報隠蔽(いんぺい)問題に関し、第三者による調査は必要ないとの考えを示した。省内で調査チームを立ち上げたことを理由に「シビリアンコントロール(文民統制)の中で、しっかり事実を明らかにする過程を進めている」と強調した。民進党の牧山弘恵氏は「内輪の調査では国民を納得させる信ぴょう性に欠ける」として第三者による調査を求めた。
 日報は、昨年三月末に南スーダン国連平和維持活動(PKO)の日報問題に関する特別防衛監察の過程で発見されたが、当時の稲田朋美防衛相に報告されていなかった。
 小野寺氏は「大きな問題であり、大変遺憾だ」と述べた。隠蔽に当たるかどうかについては、大野敬太郎防衛政務官をトップとする調査チームで厳密に調べた上で国会に報告すると約束した。
 野党側が第三者による調査を求めるのは、防衛省の対応に根深い不信感があるからだ。日報の隠蔽は、南スーダンPKOに続いて二度目。さらに、小野寺氏は二日、イラク派遣日報を今年一月までに確認し、自身が報告を受けたのは三月末だったと説明したが、わずか二日後、日報の存在は一年前に確認されていたことを明かした。
 また、陸自国際活動教育隊が南スーダン、ゴラン高原、ハイチでのPKOなど計六種類の日報を保管していたことも次々と判明。昨年二月に野党議員が一覧表を提出するよう要求したが、防衛省は回答していなかった。
 日報の隠蔽問題に関し、河村建夫元官房長官は自民党二階派の会合で「一般からみると内部の人が調査できるのかという声もある。外部の声をしっかり聞く必要がある」と指摘した。
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 河野(かわの)克俊統合幕僚長は会見で「結果として大臣、国会に対して背信的な行為を行ったと言われてもしょうがない」とし、「事の重大性からやはり大臣には第一報だけでも速やかに入れるべきだった」と話した。
■408日分に訂正
 イラク派遣部隊の日報隠蔽問題で、防衛省は陸自内で見つかった日報は延べ三百七十六日分ではなく、延べ四百八日分だったと訂正した。集計ミスが原因。作成時期や約一万四千の総ページ数に変更はない。
■陸幕長「聞いてなかった」

   
    記者会見を終え、退出前に一礼する山崎幸二陸上幕僚長=5日午後、防衛省で
 「全く知らなかった」。陸上自衛隊のイラク派遣部隊の日報隠蔽は昨年、南スーダンPKOの日報問題が取り沙汰されるさなかに行われた。山崎幸二陸上幕僚長は五日の記者会見で陳謝する一方、経緯を問われ答えに窮する場面も。「しっかり解明したい」と繰り返したものの、陸幕としては「聞いていなかった」と強調した。
 午後三時半に始まった会見の冒頭、深々と頭を下げ「防衛省、自衛隊への国民の信頼を揺るがす事態になった」と述べた山崎氏。誰に報告され、誰の指示で報告しなかったのかを「解明したい」と身ぶりを交えて繰り返した。
 会見は一時間以上に及び、報道陣の質問は陸自がイラク日報を隠蔽した経緯に集中した。山崎氏は、南スーダンPKO日報問題の「再発防止策の過程の一環として発見された」と釈明する一方、「国会で問題になっているとか大臣の指示に基づいて捜索しているという意識がなかったという報告を受けている」と研究本部の教訓課の認識の甘さを指摘した。
 自身が陸幕長に就任する前の「三月末(に起きた問題)ですので」との発言も。陸幕も知っていたのではないかとの指摘には「(陸幕は)聞いていません。全く知りません」と語気を強めた。

 ◎上記事は[中日新聞]からの転載・引用です
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産経ニュース 2018.4.5 10:57更新
【陸自イラク日報問題】小野寺五典防衛相「日報隠蔽は大きな問題」 陸自の説明「ふに落ちない」 参院外交防衛委
 参院外交防衛委員会は5日、小野寺五典防衛相が出席し、陸上自衛隊イラク派遣部隊の日報隠蔽問題を審議した。陸自は昨年3月に日報の存在を確認しながら当時の稲田朋美防衛相に報告せず、今年1月の陸自の報告を基に防衛省が今月2日に公表するまで1年以上を要した。小野寺氏は「大変遺憾だ。1年間なぜ報告されなかったのか大きな問題。重要な事案を認知したら直ちに一報があるべきだ」と述べた。
 野党は文民統制(シビリアンコントロール)を揺るがす事態だとして小野寺氏を追及。南スーダン国連平和維持活動(PKO)日報隠蔽問題の教訓をどう生かしたかや文民統制の在り方に対する認識もただした。
 小野寺氏は、陸自で日報が見つかった経緯を「私もふに落ちない点がある」と述べ、自身の責任で解明に当たる考えを強調。「隠蔽に当たるか厳密に調べた上で国会に報告したい」と語った。

産経ニュース 2018.4.6 12:48更新
【陸自イラク日報問題】麻生太郎財務相「防衛省も困るかも」
 麻生太郎副総理兼財務相は6日の閣議後の記者会見で、陸上自衛隊イラク派遣部隊の日報隠蔽問題に関連し「10年前の話がどうなったかといわれるとちょっと防衛省も困るのかもしれない」と述べた。防衛省に同情したとも受け取られかねない発言だ。
 財務省による森友学園関連の決裁文書改竄など官庁で不祥事が相次ぎ、行政の信頼が損なわれていることへの責任を問われ答えた。
 麻生氏は質問した記者に対し「出なかった文書はいつの文書か」と問い掛けた上で発言した。「きちんとした対応を各省庁、大臣がやっていかなければ、ということだ」とも語った。

 ◎上記事は[産経新聞]からの転載・引用です
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『防衛省と外務省 歪んだ二つのインテリジェンス組織』 福山隆著 幻冬舎新書 2013年5月30日第1刷発行

  

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インテリジェンスに関わる専門家の育成 / 日本の情報収集の弱さ 中日新聞 《特報》
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『知の武装 救国のインテリジェンス』手嶋龍一×佐藤優 新潮新書 2013年12月20日初版発行

  

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◇ 『ユダヤとアメリカ 揺れ動くイスラエル・ロビー』立山良司著 中公新書 

   

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