光市母子殺害事件 被告元少年の「手紙」

2007-07-08 | 光市母子殺害事件

弁護人安田好弘さんの講演(2006/6/19)から。

「控訴審でも、ともかく死刑にしなければならないというので検察がやったのが、彼の例の手紙です。ひどい内容の手紙であることは確かです。しかし、それは隣の房にいた子どもが、小説家になりたいという希望を持っていて、彼からすれば、死刑を求刑されるような事件をやった被告人は関心の的であったわけです。文通の相手は被告人を偽悪的にもてはやします。そして、そのもてはやし、挑発といってもいいのですが、それに乗せられて書いたのが例の手紙であったわけです。しかし、そういう個人的なてがみのやりとりが、そっくりそのまま検察の手に渡って、検察が証拠請求してきたんです。検察官は、その手紙を盾にとり、裁判官と弁護士だけでなく被害者や被害者遺族も被告人に愚弄されている、絶対に許すわけにいかないと声高に主張を続けたのです。
 私からすると、どうしてあの手紙が検察官の手に入ったかというだけはでなく、どうしてあんな手紙を発信することができたのか、ということが不思議でならないわけです。普通、手紙というのは拘置所の職員が全部検閲しますから。彼らは非常に教育者的な気概を持っているというか、そういう役割を自負していますから、変なものはチェックして、口を挟んでくるんです。ときには郵送を禁止したり、ここを削除しろ、書き直せと平気で干渉してくる。普通だったらあんな手紙を出せるはずがないんです。被告人に対して、「何を書いているんだ」と、叱るのが当たり前なわけです。ところが、それが一切ないまま手紙が通って、今度は堂々と法廷に証拠として出てきて、これほどひどい奴だという証拠になってくる。信書そのものが犯罪を構成しているわけではないのに、刑事事件の証拠として採用されてしまうんですね。」

http://www.k4.dion.ne.jp/~yuko-k/kiyotaka/hikari3.htm 「光市最高裁判決と弁護人バッシング報道 安田好弘」 この事件は少年法改悪に利用された


2 コメント

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Unknown (rice_shower)
2007-07-08 22:44:07
前にも述べましたが、警察、検察が法理の原則、due process of lawを蔑ろにし、無理筋を通すという、有るまじき、杜撰、横暴、退廃的振る舞いが、最近殊に目に付きます。 魚住昭氏の著書等から学んだのですが、(公判検察に対する)捜査検察は、GHQ統治下における、その出自からしてポピュリズムに依拠して来たのですね。 また、正義感、使命感の強い人達の“善意による暴走”という側面があり、なかなか面倒な訳です。
ただ一つはっきりしているのは、かつての大蔵省、自民党旧竹下派のごとき、おっかない存在が失せ、目下の検察は敵無しで、これが傲慢、劣化を招いているということ。 
それからマスメディアはヘタレパラサイトですから、何も期待してはなりませぬ。 テレビメディアに煽られる、世論もどきは、一過性の煽情、劣情、俗情の表出に過ぎず、まともに取り合うに値しませんわね。

ところで、“113号事件”の御本、読み始めました。 果たして“右翼権派”の私の心に響くかどうか。
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rice_showerさんへ (ゆうこ)
2007-07-08 23:52:17
 コメ、ありがとうございます。

>ヘタレパラサイト
 この表現、大いに気に入りました♪

>“右翼権派”
 って、格好いいですね。私も人権派ではないですが、権派の前に「右翼」は付かないかな?

>“113号事件”の
>私の心に響くかどうか
 え~っ、本は、昔のことで・・・。言い訳ですね。恐縮です。 
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