陳情は幹事長室が一元処理 「小沢氏の力が強まるだけじゃないか」

2009-11-03 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
陳情窓口を幹事長室に一元化、小沢支配強まる
 民主党は2日の党役員会で、業界団体や地方自治体などからの陳情について、小沢幹事長を中心とする党の「幹事長室」で一元的に処理する仕組みを決めた。
 同党は9月、政策決定システムの内閣一元化のため、政策調査会と部門会議を廃止したが、党内には「陳情の受け皿がなくなった」と当惑する声が出ていた。新たな仕組みはこうした声に応える狙いがあるが、小沢氏の権限を一層強めることになりそうだ。
 新たな陳情処理の手法では、14人の副幹事長がまず、陳情を受け付ける窓口となる。
 あらかじめ省庁別に担当を決められた副幹事長は、内容を精査した上で、正副幹事長会議で小沢氏や参院議員会長でもある輿石東幹事長職務代行の判断を仰ぎ、重要案件を各省の政務三役に伝える。
 幹事長室が窓口となるのは、「年末の予算編成や税制改正を控え、各省に陳情が殺到する事態を避け、政府が政策立案に専念できる環境を整える」(民主党筋)狙いがあるとされる。
 小沢氏は2日の記者会見で、「(陳情は)議員と省庁を結びつける利益誘導型の政治を生み出す大きな原因の一つだった。族議員的な癒着構造をなくすため、オープンですっきりした形にしようという意味だ」と意義を強調した。
 しかし、新たな仕組みでは、例えば、国土交通省関係の陳情は、衆院当選3回の阿久津幸彦、厚生労働省関係の陳情は同2回、参院当選1回の青木愛両衆院議員がそれぞれ一手に引き受けることになる。
 自民党政権では、膨大で複雑な陳情は、多くの議員が携わる党の部会などを通じて処理されてきた。民主党内では「中堅・若手の一議員がすべての陳情をさばくのは困難だ」(民主党中堅)との見方も出ている。
 「政策は政府で」と明言してきた小沢氏だが、陳情処理を通じて政策に関与することになるため、小沢氏に批判的な議員は「小沢氏の力が強まるだけじゃないか」と不満を漏らしている。
 小沢氏は2日、「知事であれ誰であれ、党として政務三役に会ってもらったほうがいいと思えば、そうする」とし、幹事長室が首長と政府の接触も管理する意向を示したが、「やり過ぎだ」との批判も出ている。
 2日の衆院予算委員会では、自民党の町村信孝・元官房長官が「(民主党政権は)市町村長を(政務三役に)なかなか会わせない。いじめをやっている」と批判すると、鳩山首相は「首長が(政務三役に)会えないなら、極力努力する。そんな思いは一切持っていない」と反論し、地方の首長を政府が大切に迎える考えを表明した。小沢氏の意向を徹底させるのは簡単ではなさそうだ。(2009年11月3日08時03分 読売新聞)
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民主、陳情は幹事長室が一元処理 小沢氏「癒着構造なくす」
2009年11月2日 22時05分
 民主党は2日午後の役員会で、党や所属議員に対する自治体や各種団体からの陳情を幹事長室で一元的に取りまとめ、優先順位を付けた上で各府省の政務三役(閣僚、副大臣、政務官)に取り次ぐ新ルールを決めた。
 小沢一郎幹事長は終了後の記者会見で、その狙いを「陳情は議員と役所が結び付く、政官業の癒着を生み出す大きな原因の一つだった。族議員的な癒着の構造をなくすためには、オープンですっきりした形にしようという意味だ」と説明した。
 ただ政府側にどの陳情を取り次ぎ、実現を求めるかの判断を最終的に握る小沢氏の発言力が一段と強まるのは確実で、権限集中を懸念する声も党内から出そうだ。
 政務三役は陳情を直接受け付けない方向で、事務所で秘書が受けた陳情もほかの議員のケースと同様、幹事長室に回すという。
党幹部はその理由を「今の政務三役の態勢で陳情を受けることは人員や時間の面で無理だ」と説明。同時に「行政の一環として首長らと意見交換したり、面会したりすることまでは規制しない」と強調した。
 東京に本部がある各種団体の陳情は党本部の企業団体対策委員会を通じて幹事長室が受け付け、自治体や地方の団体などの陳情は党県連や地元議員が受け付け、幹事長室に伝達する。取りまとめの窓口は細野豪志(衆院)、高嶋良充(参院)両副幹事長が務め、陳情の結果は、政府から党を通じて自治体や各種団体に伝える方向で調整している。(共同)

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