北朝鮮が“ネット鎖国”を解禁? 外国人訪問者に、突如ケータイ使用を許可

2013-03-02 | 国際/中国/アジア

北朝鮮が“ネット鎖国”を解禁? 外国人訪問者に、突如ケータイ使用を許可
「東洋経済オンライン」2013年03月01日福田恵介:東洋経済 記者
 「隠遁の国」からじわりと抜け出そうとしているのか。北朝鮮のネット環境に変化が見え始めた。
 一つは、観光や商用などで北朝鮮に入国する外国人は、国際空港の平壌・順安空港でSIMカードを購入、滞在中は自分の携帯端末で通話ができるようになった。AP通信が平壌発で伝えている。
 ■空港でSIMカードが購入可能に
 このサービスは、北朝鮮国内で携帯電話事業を行う、エジプトのオラスコムと北朝鮮逓信省との合弁会社「高麗リンク」が行うものだ。つい最近まで、外国人が持ち込む携帯電話は空港で強制的に保管され、出国時に戻されるのが普通だったが、突然の規制緩和が実施されたようだ。
 高麗リンクの通信網は3Gで、空港で所定の申請用紙に記入すれば、50ユーロ(約6100円)でSIMカードを購入できる。通話は1分0.38~1.43ユーロ(約46~173円)。すでに空港内には「外国人向け携帯電話サービス」と表示したポスターが貼られ、訪問客は購入して自分の携帯端末を利用しているようだ。ただ、北朝鮮国内の通話はできず、あくまでも北朝鮮から外国への通話のみのようだ。ただし、韓国へは通話できない。
さらに高麗リンクは、早ければ3月から平壌に滞在する外国人向けに、3G回線によるインターネットによるデータ通信サービスを行う予定だ。
 中国・新華社が高麗リンクの技術者の話として伝えたところによると、USBモデムは75ユーロ(約9100円)、SIMカードでは150ユーロ(約1万8200円)の登録料を支払い、データ通信量で区切られた使用量を支払うことになる。2ギガバイトでは150ユーロ、5ギガバイトで250ユーロ(約3万0250円)、10ギガバイトで400ユーロ(約4万8400円)となっている。このサービスでツイッターやスカイプを利用でき、iPadなどのタブレットPCにも利用可能だ。
 この技術者は「北朝鮮内の外国人の数はごく限られており、安保上の問題は少ないと考えている。北朝鮮政府と交渉し、より多くのサービスを提供したい」と伝えている。
 北朝鮮国内には現在、首都平壌を中心に約180万人の携帯電話利用者がいるが、今回のサービス提供はあくまでも外国人のみ。彼らの携帯端末からは、外国への通話もインターネットへの接続は許されていない。


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