高浜原発差し止め=異議審も同じ「山本善彦」裁判長 関電、原発再稼働の目算狂う 美浜3号機は廃炉も視野

2016-03-20 | 政治

関電、原発再稼働の目算狂う 美浜3号機は廃炉も視野 
 日本経済新聞 2016/3/19 0:04
 関西電力の経営再建の柱となる原発再稼働のシナリオに狂いが生じている。八木誠社長は18日、東京都内での記者会見で、大津地裁による高浜原子力発電所3、4号機(福井県)の運転差し止めの仮処分決定を理由に5月からの値下げを撤回したことについて「ご迷惑をおかけして誠に申し訳ない」と陳謝した。高浜3、4号機の再稼働が見通せなくなったうえ、運転延長を目指す美浜3号機(同)では廃炉の可能性も浮上している。
 八木社長が公の場で大津地裁の決定に言及したのは初めて。会長を務める電気事業連合会の定例記者会見で語った。地裁の決定には「極めて遺憾で承服できない」と述べ、「詳しく説明して資料も提出した。極めて不合理だ」と強く反論した。
 関電は既に同地裁に不服申し立てをした。異議審は4月にも始まるが、担当するのは運転差し止めの仮処分を決定した裁判長。八木社長は「裁判官にかかわらず、より丁寧に説明するに尽きる」と語るが、同じ主張を繰り返すだけでは決定を覆すのは難しそうだ。異議審の判断が出るまで数カ月以上かかる見通しで、高裁まで長引けば再稼働の時期はさらに遠のく。
 運転から39年たつ美浜3号機(福井県)は廃炉の可能性が出てきている。原子力規制委員会の新規制基準を満たすのに必要な安全対策費が、当初見込んでいた1290億円から最大2700億円へと2倍以上に膨らむことが判明したためだ。
 関電はプラントメーカーや施工会社などと対策費を2000億円程度までに抑えられないか協議を始めた。ただ関係者からは「必要な対策がほとんどで削れる余地はない」との声も聞かれる。
 八木社長は「(審査で)基準地震動(地震の揺れの想定値)が上がったので、費用が増える方向にあるのは事実だ」と述べるにとどめ、具体的な金額は明かさなかった。美浜1、2号機は昨年3月に廃炉を決めており、3号機も再稼働しても現時点では投資に見合う収益を得られる保証はない。
 原発の運転期間は原則40年だが、関電は特例制度を活用して美浜3号機の運転期間を60年まで延ばそうと規制委に審査を申請している。だが審査は停滞気味で、11月末の期限までに合格しないと廃炉に追い込まれる。関電が描く原発再稼働による収益改善の算段は早くも崩れ、再建への道筋は不透明さを増している。

 ◎上記事は[日本経済新聞]からの転載・引用です *強調(太字・着色)は来栖
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高浜原発運転差し止め、保全異議審も同じ裁判長
 2016年03月16日 22時02分
 関西電力高浜原子力発電所3、4号機(福井県高浜町)の運転差し止めを命じた大津地裁の仮処分決定で、関電が決定の取り消しを求めて申し立てた保全異議の審理を、決定を出した山本善彦裁判長が引き続き担当することがわかった。
 仮処分を求めた住民側の弁護団が16日、明らかにした。
 大津地裁によると、裁判官は3人で、山本裁判長ら2人が継続して担当する。同地裁には民事部が一つしかなく、一般的に裁判長を務める部総括判事は山本裁判長のみという。
 山本裁判長は、関電が申し立てている仮処分決定の執行停止も判断する。
 民事保全法によると、仮処分は、暫定的な措置を決める民事上の手続き。保全異議審は、当事者双方が立ち会うことができる審尋などを経なければならず、より厳格な立証によって審理されることになっている。
 ただ、裁判官の人選については同法にも規定がない。過去には裁判所の事情によって同じ裁判長が担当した例もあるが、裁判所関係者によると、別の裁判長に代えるのが通例という。
 関電は「誰が担当裁判官かにかかわらず、早期の仮処分命令取り消しに向け、引き続き安全性の主張、立証に全力を尽くしていく」とコメント。一方、住民側弁護団長の井戸謙一弁護士は「関電から出てきた主張、立証には的確に反論していきたい」としている。
2016年03月16日 22時02分 Copyright © The Yomiuri Shimbun

 ◎上記事は[讀賣新聞]からの転載・引用です
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 異議審も同じ裁判長=高浜原発差し止め—大津地裁
 WSJ Japan Real Time 2016 年 3 月 16 日 18:31 JST 更新
 関西電力高浜原発3、4号機(福井県)の運転差し止めを命じた大津地裁の仮処分決定を不服として、関電が同地裁に申し立てた保全異議と執行停止の裁判を担当する裁判長が、仮処分決定を出した山本善彦裁判長に決まった。仮処分を申請した住民側の弁護団が16日、明らかにした。
 結論が覆らない限り、関電は高浜3、4号機を再稼働できない。 [時事通信社]

 ◎上記事は[WSJ Japan Real Time]からの転載・引用です
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常軌を逸した判断 高浜原発運転差し止め命令 2016/3/9大津地裁.山本善彦裁判長 前回は差し止め申請却下
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