安倍元首相「核シェアリング 議論を」 ウクライナ危機 2022.2.27

2022-03-05 | 政治〈領土/防衛/安全保障/憲法/歴史認識〉

 安倍元首相「核共有、議論を」   「日本も打撃力を持つべきだ」
 2022年3月4日  中日新聞
 人々の関心がロシアのウクライナ侵攻に集まる中、テレビ番組に出演した安倍晋三元首相から驚くべき発言が飛び出した。米国の核兵器を日本に配備して共同運用する「核共有」について、議論すべきだというのだ。ウクライナの危機に乗じて、日本の国是「非核三原則」に反する話を持ち出した安倍さん。識者は疑問を示し、核廃絶を願う人たちは憤った。(石井紀代実、宮畑譲)

   
  首相官邸で記者の質問に答える安倍晋三元首相=2021年11月30日、東京・永田町で

   
  2月26日、ウクライナ・リビウの駅から近隣国に退避しようとする人々=AP・共同

 白煙の尾を引いたミサイルがマンションビルへ突っ込む写真。「首都キエフ 攻防激化」「市街戦 民間人も犠牲」。二月二十七日の新聞各紙は、朝刊一面トップで緊迫するウクライナ情勢を伝えていた。
 「ウクライナの市民は今どうなっているのか、このまま泥沼化していくのか、SNS(会員制交流サイト)の動画を見ながら心配していた」。東京都千代田区のオフィスで働く男性(31)は語る。パリ、ニューヨーク、ベルリン、東京・渋谷など、世界各地で反戦デモも行われた。世界中の人々が不安を募らせていた。

ウクライナ危機の最中
 その朝、安倍さんはフジテレビの報道番組に出演した。その口から「核シェアリング(共有)」という言葉が飛び出した。いったい、どんな話の流れから出てきたのか。
 「今度の出来事でですね、われわれも、いろんな、あー、教訓を得なければいけないと思うんですね」。番組の中で安倍さんは手ぶりを交えつつ話し始めた。「今度の出来事」とはロシアのウクライナ侵攻。教訓とは、どうやら、国連が頼りにならない場合もあると言わんとしているようだ。だから日米同盟の強化が必要と話が展開していく。
 「例えば北朝鮮が日本にミサイルを撃ち込む」。突然、こんな例え話が出てきて、安倍さんの口調がさらになめらかになる。
 日本が攻撃されたのに、反撃を米国任せにする現状では、信頼関係が崩れ、日米同盟が危機にひんしてしまう…。そんな認識を示した安倍さんは「だからこそ日本も打撃力を持つべきだ」と訴えた。
 出席者の橋下徹さんが、「自分たちの国を守る力が絶対に必要だ」と応じる。そして、日本が「非核三原則」を見直し、米国と核兵器を共同保有する議論を始めるべきではないか、と水を向けた。ここで「核共有」発言が飛び出した。
 安倍さんは北大西洋条約機構(NATO)での事例を紹介し、「日本の国民の命。国をどうやれば守れるか、さまざまな選択肢を視野に入れて議論するべきだ」とよどみなく語った。
 きな臭く感じても、核共有にピンとくる人は少ないだろう。どんな仕組みなのか。NPO法人「ピースデボ」の梅林宏道特別顧問に解説してもらう。

米の爆弾 NATO加盟国に配備、使用態勢

 米国はNATO加盟国のベルギー、ドイツ、オランダイタリアなどに核爆弾を配備。有事の際、米国でなく配備国がその核爆弾を航空機に搭載し、使用できる態勢を取る。「核爆弾の所有権は米国にあるが、運用を他国が担う形。」NATO以外にはない取り組み。核という重大なものをシェアすることで、米欧の関係を深める狙いもある」
 それを日本でも、ということ。「核廃絶の目標は掲げなければ」とも安倍さんは言ったが、「持たず、つくらず、持ち込ませず」の非核三原則はどうなるのか。
 梅林さんは非核三原則に反するという考えを示し、「ウクライナにかこつけ安倍さんの本心が出てきた。日本は被爆国だし、核廃絶の世界的潮流にも逆行する。議論するまでもなく核共有は選択肢としてあってはならない」と批判する。

 ◎上記事は[中日新聞]からの書き写し
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〈来栖の独白〉
>日本は被爆国だし、核廃絶の世界的潮流にも逆行する。
 建前は、もういい加減に。日本人左翼は「きれいごとで日本(国と国民の命)を守れる」と思っているようだ。そうでない(守れない)ことを、この度のロシアとウクライナが立証した。


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