名張毒ぶどう酒事件 「再審認めず」十度目の請求 名古屋高裁 2022.3.3

2022-03-03 | 死刑/重刑/生命犯

名張事件再審請求棄却  開かぬ扉、妹「なぜに」 92歳「命の限り頑張る」 
 2022年3月3日 中日新聞夕刊
 裁判所の判断は、またも「再審認めず」だった。名張毒ぶどう酒事件の再審請求を巡る三日の名古屋高裁決定。死刑確定から五十年、無罪を訴えながら獄中で病死した奥西勝・元死刑囚の後を継いで、十度目の請求を申し立てていた妹の岡美代子さん(92)は支援者を通じ、「無念、残念です」と語った。
 決定が弁護団に告げられたのは午前十時半。裁判所の正面玄関前に出てきた弁護士が掲げた垂れ幕に書かれたのは「不当決定」の四文字。再審開始を期待して集まった約百人の支援者は一瞬静まり返り、その後一転して「こんな決定は許せない」「われわれはまだ戦う」などと怒号が響いた。
 自宅で決定を聞いた岡さんは支援者を通じて、「裁判官に怒りを持って『なぜに』と問い、抗議したい。どうして裁判所は真実に向き合うことができないのでしょうか。許すことができません。私の命ある限り、兄の名誉を回復するために頑張りたい」と思いを明かした。
 奥西元死刑囚の再審請求に四十年近く携わってきた鈴木泉弁護団長は支援者の前でマイクを持ち、「またまた裁判所に裏切られた。なぜこんなに理不尽なのか」と語った。
 異議審で提出したぶどう酒瓶の封かん紙に付いたのりの鑑定結果などの新証拠が認められず、「これまで出してきた新証拠からすれば、今回の決定はまったく理解できない。この不当決定をはね返すまで頑張りたい」と言葉をつないだ。(以下略)

 ◎上記事は[中日新聞]からの転載及び書き写し(=来栖)


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* 名張毒ぶどう酒事件 扉は開くか 中日新聞 2010/04/07~  
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* 名張毒ブドウ酒事件 辛い地元住民「無罪ならやっていない証拠を示して」 2010-04-07 

  
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* 名張毒ぶどう酒事件 異議審(再審取消し)決定 2006.12.26. 名高裁刑事2部 門野博裁判長/ 柳川善郎氏の話 2006-12-27 
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