秋葉原事件加藤智大被告謝罪の手紙要旨「同様の事件が起きないよう(公判で)真実を明らかにしたい」

2009-11-07 | 秋葉原無差別殺傷事件

 本心の謝罪か自問/被害者の苦痛 ネット荒しに近い
 【手紙の要旨】
 東京・秋葉原の無差別殺傷事件の加藤智大被告が被害者に送った手紙の要旨は次の通り。

 このたびは本当に申し訳ございませんでした。被害を与えたことについて、言い訳できることは何もありません。
 おわびすることが皆さまの心情を害するのではないかと悩んでいるうちに一年が経過してしまいました。遅々として進まない裁判に皆さまの怒りも限界ではないかと考え、謝罪すべきだという結論に至りました。
 謝罪する意思は本当に自分の感情なのか、ということをいろいろ考えましたが、反省している自分が存在していることは否めません。きれい事を並べた謝罪文のような形式だけの謝罪は皆さまへの冒瀆でしかなく、本心からの謝罪なのか、自問しながら書いています。 私には事件の記憶がほとんどありませんが、やったことに間違いはなく、罪から逃れるつもりはありません。私の非はすべて私の責任であり、その責めはすべて私が受けねばなりません。
 私の非は、皆さまに通常ではあり得ない苦痛を与えたことです。人生を変化させたり、断ち切ったりしたことです。皆さまの人生を壊してしまい、取り返しのつかないことをしたと思っています。
 家族や友人を理不尽に奪われる苦痛を想像すると、私の唯一の居場所だったネット掲示板で、「荒らし行為」でその存在を消された時に感じたような、我を忘れる怒りがそれに近いのではないかと思います。もちろん比べられるものではありませんが、申し訳ないという思いが強くなります。
 被害を受けてなお、私に同情を示してくれるような方を傷つけてしまったと思うと、情けなくて涙が出ます。一命はとりとめたものの、障害が残った方にはおわびしようがありません。
 どんなに後悔し、謝罪しても被害が回復されるはずはなく、私の罪は万死に価するもので、当然死刑になると考えます。
 ですが、どうせ死刑だと開き直るのではなく、すべてを説明することが皆さまと社会に対する責任であり、義務だと考えています。真実を明らかにし、対策してもらうことで似たような事件が二度と起らないようにすることで償いたいと考えています。
 いつ死刑が執行されるか分かりません。死刑の苦しみと皆さまに与えた苦痛を比べると、つりあいませんが、皆さまから奪った命、人生、幸せの重さを感じながら刑を受けようと思っています。
 このような形で、おわびを申し上げさせていただきたいと存じます。申し訳ありませんでした。 (中日新聞11月7日記事)

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東京・秋葉原殺傷:「私の罪は万死に値」 加藤被告、被害者に謝罪の手紙
 東京・秋葉原で昨年6月、17人が殺傷された事件で、殺人などの罪に問われた加藤智大(ともひろ)被告(27)=公判前整理手続き中=が、事件で負傷した元タクシー運転手の湯浅洋さん(55)に謝罪の手紙を送っていたことが分かった。加藤被告は「どんなに後悔し、謝罪しても被害が回復されるはずはなく、私の罪は万死に値するもので、当然死刑になると考えている」などとつづっている。
 手紙はB5判の便せん6枚に直筆で書かれており、加藤被告の弁護士を通じて6日、湯浅さん宅に届いた。「ただただ申し訳ない気持ちでいっぱいです」などと書かれた加藤被告の両親の手紙も同封されていた。
 加藤被告は「遅々として進まない裁判に皆さまの怒りも限界ではないかと考え、人として謝罪すべきだという結論に至った」と記し、事件について「記憶がほとんどないが、やったことには間違いはなく、罪から逃れるつもりはない」としている。
 一方、被害者や遺族の苦痛について「私の唯一の居場所であったネット掲示板において、私が『荒らし行為』によってその存在を殺されてしまった時に感じたような我を忘れるような怒りがそれに近いのではないか」と推察。「全てを説明しようと思っている」と公判への決意とも受け取れる記述もあった。
 湯浅さんは「丁寧な字で書かれており、あんな事件を起こす人間とは思えなかった。公判でもすべてを正直に話してもらいたい」と語った。【神澤龍二】毎日新聞 2009年11月8日 東京朝刊
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加藤被告が謝罪の手紙 秋葉原事件「罪、万死に値する」
2009年11月7日 02時02分
 17人が死傷した東京・秋葉原の無差別殺傷事件で、殺人罪などに問われた元派遣社員加藤智大被告(27)=公判前整理手続き中=が6日までに、事件で重傷を負った元タクシー運転手湯浅洋さん(55)に「罪は万死に値するが、どうせ死刑だと開き直るのではなく、すべてを説明したい」などとする謝罪の手紙を送っていたことが分かった。
 手紙はB5判の便せん6枚。冒頭で「本当に申し訳ございませんでした。被害を与えたことについて、言い訳できることは何もありません」と謝罪。被害者の心情を害するのではと悩むうちに時間がたったことを打ち明けた上で、「やはり人として謝罪すべきだという結論に至った」と筆を執った理由を説明した。
 さらに「形だけの謝罪はぼうとくでしかない。本心からの謝罪なのか、自問しながら書いています」と葛藤(かっとう)する胸の内ものぞかせた。
 事件で家族や友人を理不尽に奪われる苦痛については「唯一の居場所であったインターネットの掲示板で、『荒らし行為』でその存在を消された時に感じたような我を忘れるような怒りが近いのではないか」と推測。
 動機について具体的な言及はなく、事件の記憶も「ほとんどない」とした。一方で「罪は万死に値する。当然死刑になると考えます。どうせ死刑だと開き直るのではなく、すべてを説明したい。それは皆さまと社会に対する責任であり義務」とつづった。
 「すべてを説明したい」理由として、過去に同様の事件が起きても真実が明らかにされておらず、対策がとられていないことを挙げ、「二度と同様の事件を起こさせないことをせめてもの償いとしたい」と記した。(共同)
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秋葉原事件の加藤被告、静かに記憶つづる
産経ニュース2009/06/07 23:27更新
 17人が死傷した東京・秋葉原の無差別殺傷事件は8日、1年を迎えた。殺人罪などで起訴された元派遣社員、加藤智大被告(26)は弁護人以外の面会を拒んでいるが、弁護人によると、拘置所内では幼少時の人間関係や事件当日の行動などをつづっている。被害者や遺族は悲しみや後遺症に今も苦しんでおり、重傷を負って休職を余儀なくされたタクシー運転手の男性も「彼の口から動機を聞きたい」と願う。今月22日には、第1回公判前整理手続きが行われる。
 加藤被告が勾留(こうりゅう)されている東京・小菅の東京拘置所。事件の動機や今の心境を直接聞こうと数回面会を申し込んだが、加藤被告は受付を通じて「お断りします」と拒み続けている。加藤被告の弁護人によると、複数の報道機関から申し込みがあるが、弁護人以外の面会には応じていないという。
 弁護人によると、加藤被告は今年に入り、裁判に向けて事件に関する記録を書き始めた。小さいころの友人関係、不満のはけ口とされる携帯電話サイトの掲示板への書き込み内容、事件を起こそうと思ったきっかけ、当日にトラックに乗り込んだときのこと…。思いつくままに書き、弁護人に郵送している。
 友人や面識のない人から寄せられた手紙には、「つらかったんだね」といった同情的な内容も。報道機関からの手紙には、目を通していないという。
 「食事はちゃんと食べているんじゃないかな。顔色は良さそうなときもあるし、悪いときもある」と弁護人。茨城県土浦市の連続殺傷事件で殺人罪などに問われた金川真大被告(25)が面会や手紙で取材に応じているのとは対照的に、加藤被告は静かに裁判を待っているようだ。
 捜査段階で明らかになった動機は、人生に生きがいを見いだせずに孤立感を深め、携帯サイトへの書き込みを無視されたことで不満を爆発させたとされる。弁護人は「(動機は)いずれ法廷で明らかにしていくつもりだ」と話すにとどめている。(伊藤美希)
 加藤智大被告のトラックにはねられた人を救助している最中、背後から背中を刺されたタクシー運転手、湯浅洋さん(55)。傷は肝臓まで達し、約1カ月半の入院生活を送った。昨年10月にタクシー会社に復職したが、翌11月下旬、異変が起きた。
 「痛え」。午前2時ごろ左の脇腹に激痛が走った。我慢して走り続けると、今度は頭痛がひどくなり、右手がしびれ始めた。日を追うごとにひどくなる症状。少し運転しては休憩という生活が続き、翌12月は手取りは半減。後遺症の可能性との診断を受け、今年2月から休職している。
 「後ろから刺され、加藤被告の顔すら見ていない。彼に恨みや怒りはわいてこない」。しかし、1年が過ぎようとする今も、気持ちを整理できずにいる。「挫折」が見え隠れする加藤被告の人生。仕事、友人のいない孤独…。「本当にそんな動機なのか」
 湯浅さん自身、失敗を積み重ねた人生は、加藤被告に近いかもしれない。親への反発で、高校時代は友達の家に転がり込んで自宅に帰らなかった。大学に合格するも入学せずに上京。有名ホテルの厨房(ちゅうぼう)に入り、フランス料理を学んだ。28歳で開業した飲食店は1年でつぶれた。手元に残ったのは800万円の借金。食べるために運送会社やタクシー会社などを渡り歩いた。
 「挫折とは一度も思わなかった。結果は他人や環境のせいじゃない。店をつぶしたのだって自分の先見性のなさと技術不足」と湯浅さん。「いくらきつくても、自分を信じてやり直せばいいだけ。なぜ加藤被告にはそれができなかったのか。なぜ無関係な人を傷つけたのか。どうしても彼の口から理由が聞きたい」
 裁判はすべて傍聴するつもりだ。(国府田英之)
 ■東京・秋葉原の無差別殺傷事件 起訴状によると、加藤智大被告は昨年6月8日午後0時半ごろ、東京都千代田区外神田の歩行者天国の交差点にトラックで突入。通行人5人をはねた後、ダガーナイフで12人を刺して、7人を殺害、10人に重軽傷を負わせたとしている。昨年7~10月までの精神鑑定で「責任能力あり」と判断され、同月10日に殺人などの罪で起訴された。
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1 コメント

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加藤さんが事件をおこすまえに助けたかった (ななし)
2010-08-05 23:57:15
加藤容疑者は単なる派遣社員ではなかった・・
人なみ以上の知能をもち、運動神経にも恵まれていた。
その彼がなぜ、あのような惨事をおこし世の中に波紋を投げかけたのであろうか?
 本人いわく自虐的に不細工もてないとアピールしていたが、
中学時代にはガールフレンドもいたらしい。
 母親の過度な教育が表だってはいるが、どこの家庭にもあるのではないか
加藤さん、タイムマシンがあったら、事件起こす前に、
あって君を止めたかったな・・・
 そして今までのいやな思いはすべて勘違いや思春期ならではの
不安定さ、そして少しの失敗くらい跳ね返して生きていけたんだろうな・・
実は加藤くんは、明るい未来がまっていたんだろうなと察しがつきます。
 事件は、加藤くんの頭の良さが逆方向にいってしまったね
もし君が 間抜けでめんどくさがり屋だったら、あのような事件は失敗におわるか、もしくは
しなかったんだろうなと・・・
  
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