2016.3.10 19:12更新
【栃木女児殺害公判】法医学者「遺体状況、自白と矛盾しない」
平成17年に栃木県今市市(現日光市)起きた小1女児殺害事件で、殺人罪に問われた勝又拓哉被告(33)の裁判員裁判第8回公判が10日、宇都宮地裁(松原里美裁判長)で開かれ、検察側の証人として、東大大学院の岩瀬博太郎教授(法医学)が出廷した。岩瀬教授は、弁護側が「自白とは矛盾がある」と主張した被害者の吉田有希ちゃん=当時(7)=の遺体の状況や死亡推定時刻について「(自白の内容と)矛盾しない」との見解を示した。
起訴状では、有希ちゃんは17年12月2日午前4時ごろ殺害されたとしている。弁護側は、遺体の直腸温度、胃の内容物、死後硬直の状態などから死亡推定時刻を12月1日夕~夜とし、2日午前0時以降はありえないとしているが、岩瀬教授は死亡推定時間は断言できないと説明。直腸温度は1時間に1・5度程度下がるとした弁護側に対し、事件当日の遺棄現場周辺の気温や被害者の体重などから「1時間に3度下がる計算式もある」と証言した。
また、弁護側の証人として8日に証言した本田克也筑波大学教授が、有希ちゃんの死後硬直の体勢は、遺体遺棄現場の斜面ではありえないとし、車のシートで寝た状態でできあがったものではないかとの見方を示したのに対しては「死後硬直が始まる前に捨てられたとしても矛盾はない。遺体は首が可動域が限界までそりかえっており、車内でこの体勢を作るのは困難」と指摘した。
本田教授は「殺害現場と遺棄現場がほとんど変わらないというのはありえない」との見解を示していたが、岩瀬教授は「(殺害場所を遺体発見現場そばの林道としても)矛盾はない」と述べた。
◎上記事は[産経新聞]からの転載・引用です *強調(太字・着色)は来栖
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
◇ 今市女児殺害 第6回公判2016/3/8 解剖医「心臓貫く傷が致命傷 殺害と遺棄現場、違う」自白との矛盾指摘
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
◇ 今市女児殺害 勝又拓哉被告 第8回公判2016/3/10 “自白”から“否認”まで取り調べの映像 法廷で公開
...........