「チョコレート工場の秘密」作者の家族 生前の反ユダヤ発言謝罪
2020年12月7日 中日新聞夕刊
【ロンドン=共同】世界的ベストセラー「チョコレート工場の秘密」などの作品がある英著名作家、故ロアルド・ダールさんが生前、反ユダヤ主義的な発言をして読者を傷つけたとして、家族が「深くおわびする」との謝罪文を公表した。英メディアが6日報じた。歓迎の声がある一方、死後30年を経てからの謝罪に、対応が遅いとの批判も出ている。
BBC放送によると、ダールさんは1983年、英メディアのインタビューで「ユダヤ人には憎悪を引き起こさせる特徴」があるとの見解を表明。90年には別のメディアに、自身が「反ユダヤ主義的になった」と述べていた。
謝罪文は公式ホームページに掲載。家族は、ダールさんの「偏見に満ちた発言」は、ダールさんが書いた「物語の中心にある価値観とは対照的だ」とした上で、言葉が他者に対して持つ影響力の大きさを再認識する機会になることを望むとしている。
ダールさんは特異なブラックユーモアを基調とした作風で知られ、90年に74歳で死去した後も、日本を含め世界で多くのファンを持つ。生誕100周年に合わせ、記念硬貨を発行する案もあったが、生前の反ユダヤ主義的な発言が影響し、英造幣局が発行を見送っていた。
◎上記事は[中日新聞]からの書き写し(=来栖)