足利事件 別2件の女児殺害事件の取り調べ録音テープを検察側が弁護側に開示

2009-09-15 | 社会
菅家さん取り調べの録音、弁護側に開示へ 宇都宮地検
 栃木県足利市で90年に女児が殺害された「足利事件」で、いったん有罪が確定した後で再審が決まった菅家利和さん(62)が、別の2件の女児殺害事件=いずれも不起訴=で取り調べを受けた際の録音テープを検察側が弁護側に開示する方針を伝えたことが14日、わかった。
 弁護側が「自白の任意性を調べる重要な資料」とテープの開示を求めたのに対し、検察側はこれまで「再審は無罪を早く確定する手続きだ。別の事件の証拠を出す必要はない」と難色を示してきた。
 だが、宇都宮地裁が4日の三者協議で、録音テープについて「内容と時期に照らし、本件(足利事件)の自白の任意性に影響を及ぼした可能性を否定できない」として10月21日の再審初公判を前に開示を強く促し、開示しない場合は開示命令を出す考えも示していた。
 検察側は、こうした地裁の強い意向を受けて方針を転換したとみられる。弁護側は、開示されたテープを再審で証拠として申請する見通しで、地裁が採用するかどうかが注目される。
 宇都宮地検から14日、弁護団事務所にファクスで送られた書面に、同地検と栃木県警の取り調べテープを開示する旨が記してあったという。ただ、開示の「条件」も示されたといい、弁護団は15日の弁護団会議で対応を話し合う。
 関係者によると、検察側は地裁に対しては「開示と再審の進め方は別問題で、再審自体は取り調べ検事の証人尋問などはせず速やかに進行してほしい」旨を要請。弁護側には「マスコミへの公表といった証拠の目的外使用をしないこと」を求めたとされる。
 録音テープは79年と84年に起きた女児殺害事件のもの。菅家さんは両事件で91年12月と92年2月にそれぞれ再逮捕、書類送検され、いずれも不起訴となった。asahi.com 2009年9月15日8時52分

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