「野田政権」官僚主導・自公民の数の力で横暴を働く大政翼賛会~戦前の昭和史を繰り返そうとしているのか

2012-08-14 | 政治

「官僚主導」で消費増税法案を成立させた野田政権。自公民の数の力を盾に横暴を働くさまは大政翼賛会そのものである!
現代ビジネス2012年08月14日(火)舛添 要一
 10日(金曜日)の参議院本会議で、税と社会保障一体改革関連の8本の法律が成立した。全国紙の社説は、「決める政治」を賞賛する論調が目立つが、日本の政治に異常な事態が続いているという認識を持たねばならないのではないか。なぜなら、それなくしては、民主主義の崩壊、政治の劣化をくいとめることはできないからである。
■三頭の数の力で決まってしまう法律
 まず最大の問題は、野田内閣の方針転換である。マニフェストで約束したことと全く逆のことを行っている。これは、公約違反である。公約を変えるのならば、解散して、新しい公約を国民に提示し、その信を問わねばならない。3年間に及ぶ民主党政権下で、マニフェストという言葉は詐欺と同義語になってしまった。
 候補者は何を訴え、有権者は何を信じればよいのか。公約を掲げて選挙を戦うという代議制民主主義の根幹を覆してしまったことの責任をどうとるのか。金曜日の夕方の記者会見で、野田首相は公約違反を謝罪したが、そのような言葉のみで済む問題ではなかろう。
 自民党、公明党の方針も理解に苦しむ。民主党政権が問題だらけなのは自明であり、これを倒すことが野党の最大の課題である。しかし、このデフレ下で増税することのみで一致し、社会保障改革のほうは不十分なまま、三党の数の力で、法律を決めてしまうのは如何なものか。合意できない課題については、すべて国民会議に丸投げというのでは、何のための国会か。
 社会保障改革については、民主党の提案である最低保障年金、総合子ども園、後期高齢者医療制度廃止、子ども手当などの全てが間違っているわけではないし、これまで自公政権で決めてきた政策が全て正しいわけでもない。とくに、後者については、政官業の癒着が甚だしい分野も多く、したがって、たとえば幼保一元化などがいつまでも実現できないのである。
 だからこそ国民は政権交代に期待したのであり、自民党の飼い猫のようになってしまった長妻元厚労大臣の姿など、誰も期待しなかったはずである。今回の曖昧で中途半端な社会保障改革案では、明るい未来は約束されていない。
 増税分は社会保障のみならず、公共事業のバラまきに使うという。これは自民党や公明党が、政官業癒着の古い政治から脱却できていない証左であり、その体質を批判して政権の座に就いたはずの民主党までもが、自公に習おうとしているのは笑止千万である。
■戦前の昭和史をまた繰り返すのか
 国会運営については、民主党の未熟さばかりが目立つ3年間であったが、最近は、それに加えて、ルール無視の横暴な作法がまかり通っている。自公の支援があるからと高をくくっているのであろうか。自公民の三党が合意すれば数の力で何でもできると思い上がっているとすれば、それは大政翼賛会そのものである。
 最近、マスコミの論調までもが、翼賛会的なものになりつつある。消費税増税に反対する者は知性に欠けている、とでも言わんばかりの主張が目立つ。現場の記者が書く報告と、新聞社の主張である社説が完全に乖離しているのだ。
 今のようなデフレ経済の下で増税することが経済を失速させ、企業の倒産や失業を増やし、かえって財政を悪化させることを強調する新聞が一つくらいあってもよいのではないか。いち早く新聞だけは軽減税率にせよと主張する社説を読んでいると、「社会の木鐸」などという言葉は撤回したくなる。
「政治主導」が民主党の売り物であったが、現実に起こっているのは、紛れもなく「官僚主導」である。増税法案に賛成する民主党議員の討論を聞いていると、財務省の役人に下書きしてもらった原稿を読んでいるのではないかと思うくらいに、酷い。野党時代の自分たちが何を言っていたのか、思い出す能力すら無くしたのであろうか。
 役人にとっては、今の民主党政権ほどありがたいものはない。知的能力に欠けているので、結局は官僚の頭脳に頼らざるをえない。マスコミ受けする左翼文化人をブレーンに雇ったはいいが、彼らもまた美辞麗句を並べるだけで現実を知らず、しかも同じく知的能力に問題があるので、使い物にならない。頼りは役人のみである。「官僚主導」を打破するための政権交代ではなかったのか。
 今後の政治の展開は、よく読めない。「近いうち」の解散総選挙など、何の担保もない話である。自公民三党合意は、日本の政治をますます混迷させているようである。結局は、国民のレベルに見合った政治になってしまうのであるが、日本のマスコミのいい加減さもまた、それに拍車をかけている。敗戦への道をひた走った戦前の昭和史を、また繰り返そうとしているのであろうか。
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<軽減税率適用狙い>メジャー紙の消費税増税プロパガンダと「野田・小沢」会談で小沢氏排除の理由 2012-05-31 | メディア 
 〈来栖の独白 2012/5/31〉
 昨日野田総理と小沢一郎氏との消費税増税に関する1時間半にわたる話し合いが行われた。本日のメジャー紙社説は、そのことをコメントしている。読んでみたが、歩調を合わせて野田総理援護、小沢氏非難である。つまり「消費税増税に舵を切れ」「小沢氏と袂を別って、自民党と手を組み、消費税増税せよ」である。「増税は国民の痛みを伴うことであり、国民との約束違反(マニフェストに反する)」と訴える小沢氏を徹底して斥けている。
 なぜ、メディアは、こうも増税に力を貸すのか。その理由は「軽減税率」適用である。軽減税率とは、特定物品に低い税率を導入するものだが、日本新聞協会は昨年7月、新聞への軽減税率適用を求める要望書を政府に提出した。政府は、新聞各社が消費税増税プロパガンダにどれだけ励んだかを見ることになる。新聞社は、見られることになる。昨日の「野田・小沢」会談報道は、その査定に大きく響いたはずだ。メジャー紙は、すべて「合格」したに違いない(中日東京新聞を除く)。
 政府もメディアも役所も、国民のことを思いはしない。おのが利権しか念頭にない。当局(政・官・報)の力をもってすれば、小沢一郎氏ひとり葬ることなど、朝飯前である。そのことを本日のメジャー紙は如実に示している。
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野田・小沢会談 「もう一度」は時間の浪費だ(5月31日付・ 読売社説 
(2012年5月31日01時36分 読売新聞)
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社説:元代表と平行線 首相、早く見切りを
 毎日新聞  2012年05月31日 02時31分
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野田首相へ―自民との協調が優先だ
 朝日新聞  社説 2012年5月31日(木)付
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首相は自公との連携へ踏み出すときだ
 日本経済新聞  社説 2012/5/31付
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野田首相 公約撤回なぜ打ち出さぬ
 産経新聞  2012.5.31 03:13[主張]
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軽減税率=新聞業界に対しては増税プロパガンダへの協力を求めるエサにもなる/勝栄二郎事務次官の・・ 2012-05-14 | メディア 
 ドクターZは知っている
 あなたは「常識のウソ」に騙されていませんか。公表されている数字が真実を語っているとは限らない。ドクターZが「数字のウソ」を暴く、「週刊現代」連載の話題コラム。
現代ビジネス2012年05月13日(日)ドクターZ「軽減税率」に騙されるな
 「小沢無罪」という結果は、野田政権にとって痛い話であるが、これでかえって谷垣自民へのすり寄りがやりやすくなった。民主党内の小沢グループが勢いづくのは確実だが、自民党が国会での小沢証人喚問要求などで政権を側面支援するという奇妙な協力関係もできつつある。
 実際、民主党と自民党は財務省の勝栄二郎事務次官の指導の下、増税・解散の2点セットに向けてじわじわと前進している。表向きはファイティングポーズを崩していないように見えるが、実は水面下で最悪のシナリオが進行しているようなのだ。ヴェールをめくってみよう。
 自民党は民主党マニフェストが総崩れになったと主張するために、最低保障年金の創設などの「社会保障政策」を断念させたい。そしてその尻馬に乗る形で財務省が狙っているのが、民主党内反増税グループによって消費税増税法案に盛り込まれた「増税の前提条件」の削除だ。
 なかでも財務省の最大のターゲットは「歳入庁設置」の阻止である。増税関連法案には「税と社会保障料を徴収する体制の構築について本格的な作業を進める」と書かれており、これを何としても削除したい。国税庁の「マルサ」を抱えていればこそ、政治家やマスコミを黙らせることができるとも言われているように、国税庁は財務省の「飛び道具」。これを歳入庁に改編させられて内閣に取り上げられてはたまらない。だが、この条文を削除するとさすがに目立つので、財務省は知恵を絞っている。ポイントは「軽減税率」だ。
 歳入庁は、税と社会保障料を一体として徴収するので、消費税増税法案が低所得者対策として定めている「簡素な給付措置」を行う上で役に立つ。それに対して、「軽減税率」を導入すれば低所得者対策になるから「簡素な給付措置」は不要になって、歳入庁を創るまでもないという議論が成り立つ。財務省はこれを自民党の修正案に盛り込み、民主党に丸呑みさせようとしているフシがある。
 軽減税率とは食料品などの特定物品に低い税率を導入し、低所得者対策をしようというもの。欧州などでは導入されているから議論も楽だ。また、ここが本音だが、何を軽減の対象にするかの線引きは難しく、それは業界を所管する官僚の裁量権を拡大することにつながる。これが官僚にとってはたまらないのだ。
 消費税はすべての物品・サービスにかかるから、軽減税率の導入は世の中のモノの数だけ「租税特別措置」をつくるようなものだ。当然ながら税率軽減と対象になる業界への天下りはセットだから、オール霞が関の賛同を得られるし、特定業界に影響力を行使したい政治家にとってもオイシイことこの上ない。
 さらに、新聞業界に対しては、増税プロパガンダへの協力を求める「エサ」にもなる。事実、130社以上が加盟する日本新聞協会は昨年7月、新聞への軽減税率適用を求める要望書を政府に提出している。
 国会審議が近づくにつれて、軽減税率の話題がメディアを賑わすようになってきた。だが欧州では、軽減税率で特定業界を利するのではなく「簡素な給付措置」で低所得者対策をするべきだという議論が多くなっていることを報じるメディアはない。
 デフレ下に無駄の削減もせずに消費税増税するのは愚の骨頂だが、その上さらに官僚利権を生む軽減税率を導入し、その結果として歳入庁創設を葬るなど、絶対に許してはならない。
「週刊現代」2012年5月19日号より
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【野田・小沢会談 増税の免罪符にするな】秀逸な中日新聞 社説2012-05-31 | メディア
 〈来栖の独白 2012/5/31 Fri. 〉
 昨日の「野田・小沢」会談は、野田総理の魂胆(アリバイ作り)が透けて見えた。因みに、昨日、野田首相は「ご自分の責任に於いて」と、事実上の大飯原発再稼働を宣言した。
 このように、いずれも、総理は自らの思惑を進めるため、手順を踏むのである。
 昨夜のNHK「ニュース9」は、小沢氏が正論を大越キャスターに説き、圧巻であった。「消費税増税は、閣議で決まったこと」との大越氏の問いに対して小沢氏は「民主党のマニフェストは党のみんなが時間をかけて考えて一致して決めたこと。そして、それを国民の皆さんが諒としてくださり、政権交代させて戴いた。『マニフェスト実現のために、力を尽くしたのか』とのお気持ちが国民の皆さんにあると思う。約束は守りたい」と繰り返した。有益な番組だったと言える。小沢氏の論理に静かに耳を傾けた人が多かったのではないかと思う。「天童よしみ」などと揶揄されたが、小沢氏とは、理性的、スマートで心厚き政治家である。
 本日の中日新聞【社説】が、これまた小沢氏をよく理解し、秀逸である。このような論を展開していては、財務省に叩かれるのも覚悟しなくてはなるまい。
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【社説】  中日新聞 
 野田・小沢会談 増税の免罪符にするな 
2012年5月31日
 野田佳彦首相と小沢一郎民主党元代表との会談は、消費税増税をめぐり平行線に終わった。首相はこれを機に、増税に向かって突き進むつもりなのか。会談を増税の免罪符にされたら、かなわない。
 輿石東幹事長を交えた会談は約一時間半に及んだ。野田、小沢両氏がこれほどじっくり相対するのは、まれな機会ではないか。
 首相は、今の国会(延長がなければ会期は六月二十一日まで)での成立に「政治生命を懸ける」と言明した消費税増税について「財政状況や少子高齢化の問題を考えれば、待ったなしだ」と協力を要請した。
 これに対し、小沢氏は「国民に大きな税負担を求める前に政権としてやるべきことがある。消費税増税に今、賛成とはいかない」と行政・社会保障改革、デフレ対策を先行させるべきだと反論した。
 予想された展開だった。財政状況に対する危機感はわれわれも首相と共有するが、小沢氏の発言を正論と考えるのが妥当だろう。
 二〇〇九年衆院選で国民が民主党に政権を託したのは、中央集権から地域主権、官僚主導から政治主導へと行政の仕組みを変え、行政の無駄を徹底的になくして財源を捻出するというマニフェストを信頼したからにほかならない。
 にもかかわらず、行政改革は中途半端に終わり、マニフェストに一行もない消費税増税を民主党政権の手で強行したのでは、国民をだましたとの批判は免れない。
 首相は今後の対応について、記者団に「今回の会談を反すうしながら考えていきたい」と語った。
 小沢氏の指摘を受け、首相が消費税増税を一時棚上げし、行政の無駄排除に本気で取り組んだり、社会保障制度の抜本改革に乗り出すのなら、会談にも意義がある。
 しかし、協力を求めたが平行線に終わったことを免罪符に、消費税増税に向けた動きを加速させるのなら納得いかない。会談は単なるアリバイづくりでしかない。
 同じく消費税10%への増税を掲げてきた自民党の谷垣禎一総裁は首相に対し、小沢氏を切り捨てるのなら、増税法案に賛成する意向を重ねて示している。
 百人を超えるとみられる小沢氏支持グループが反対しても、自民党などの賛成で増税法案は成立するという誘い水だ。
 小沢氏を切って増税のために自民党と組むのか。政権交代の大義に従うのか。首相には大きな岐路だろうが、国民の負託の意味を熟考した決断をすべきである。
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蒙昧、醜悪なメジャー紙<社説>のなかで唯一の卓見 中日東京新聞【小沢元代表控訴 一審尊重の制度改正を】 2012-05-10 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア


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