小沢一郎氏/読売新聞単独インタビュー「国民の意識を謙虚に受け止めないと・・・。/カオスの状況に」

2012-03-22 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア

読売新聞単独インタビュー 
読売新聞【大連立 党を引きずるな 小沢元代表一問一答
(4面)
――野田政権の評価は。
 「野田政権というより、民主党政権に対する厳しい国民の意識を謙虚に受け止めないと民主党はなくなってしまう。このままでは政権交代可能な仕組みが定着せず、カオス(混沌=こんとん)のような状況になることを非常に心配している」
――かつて消費税増税を訴えたが。
 「消費税そのものの論議を否定しているわけではない。その前にやるべきことがある。『改革なくして増税なし』『社会保障の充実なくして増税なし』『経済の再生なくして増税なし』だ」
――消費税率を引き上げないと国債が暴落するのではないかとの見方もある。
 「財務省が言っている話だ。日本の国債は90%以上を国内で消化しており、切羽詰まっている状況ではない。隠れたカネもまだある。5年も10年も放っておいていい話ではないが……」
――消費税率引き上げ関連法案は景気弾力条項などを修正すれば容認できるか。
 「条項を修正するとか、公務員給与や議員定数を削減するとか、そういうテクニカルな問題ではない。増税する前に大改革を実施する。自民党政治のまま、官僚機構に乗ったまま大増税では国民が納得しない」
――3月中の国会提出については。
 「国会日程が詰まっているし、根本の話からいっても急ぐ必要はない。もっと話し合いを続けるべきだ」
――国会が混乱し、野党が内閣不信任決議案を出した場合に同調することは。
 「野田さんも、もう一度原点に戻って、やり直す時間は十分ある。それを全部すっ飛ばして消費増税だけを強行すると、党内でも国会でもいい結果は出ない」
――衆院解散を野党に約束する代わりに消費税法案に協力を得る案が取りざたされているが。
 「自民党と組んで解散しても、人気のないもの同士ろくなことはない。自民党もアウトになる。野田さんが暴走するような形で強権的にやったら党内の支持基盤がなくなるのではないか」
――輿石幹事長は首相と小沢元代表らのつなぎ役になれるのか。
 「野田さんは前のめりの発言をしてしまうから、幹事長も容易ではないのではないか。もう少し余裕があれば『ここらへんで』という話もあるかもしれないが、言葉が先行している」
■会う立場ではない
――首相と会うつもりは。
 「党大会への参加も認められていない。会う立場ではない」
――首相と話し合って折り合うことはできないのか。
 「首相の『政治生命をかけた不退転の決意』がどういうものか、ということではないか。言葉通りなら、進退をかけるということだろう。それなら何でもできる。僕がどうこうではなくて、国民の意識が多少は変わる。言葉面だけだと思われているので、そんなことよりも先にやることがあるのでは、となる」
――一生懸命さが足りないということか。
 「僕は竹下(内閣の官房副長官)のときに消費税を作ったが、毎日、毎晩、死ぬ思いだった。竹下はもちろん、小渕(恵三官房長官)ちゃんも。民主主義の発祥は税の問題だ。簡単にひょいと上げられると思う方がどうかしている」
――岡田副総理が自民党幹部に大連立を打診したが。
 「報道が事実なら、党内で一生懸命議論しているときに、まとまりそうもないから他党と連立したいと話をするのは、普通の政治家の感覚としては考えられない。アンビリーバブル(信じられない)だ」
――離党することは。
  「国民に約束したことを忘れた方が出て行くのが普通だ。大連立をしたいのであれば、それに賛同する人たちを引き連れてやればいい。民主党全部を引きずっていくのはかなわない」
――橋下徹大阪市長率いる「大阪維新の会」との連携は。
 「民主党が政権交代を目指して熱く訴えたことを忘れたので、お株を奪われてしまった。既成政党ではだめで、もう一度新しいものに期待しようという感覚だ。かなり票を集めると思う。ただ、もう一度民主党が政権交代の大義を思い起こせば必ず支持が戻ってくる。連携を急ぐ必要はない」
――衆院解散の時期は。
 「今国会中はないと思うが、任期満了までというのも難しい。国民から早く信を問えという声が大きくなるのではないか」
■やれることをやる
――9月の代表選に自ら出馬する意思はあるか。
 「いまは公判中の身で、結果はどうなるか分からない。このままでは国が悲劇的な状況になるし、国民が不幸に陥りかねない。最後のご奉公として自分がやれることはやるつもりだ」
――陸山会事件の判決が4月に言い渡されるが。
 「意見陳述で『裁判所の公正な判断をお願いします』と言った。それに尽きる」
(聞き手・穴井雄治、杉田義文)
2012.3.21 読売新聞 朝刊 
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国民意識受け止めないと民主党なくなる…小沢氏
 ――野田政権の評価は。
 「野田政権というより、民主党政権に対する厳しい国民の意識を謙虚に受け止めないと民主党はなくなってしまう。このままでは政権交代可能な仕組みが定着せず、カオス(混沌=こんとん)のような状況になることを非常に心配している」
 ――かつて消費税増税を訴えたが。
 「消費税そのものの論議を否定しているわけではない。その前にやるべきことがある。『改革なくして増税なし』『社会保障の充実なくして増税なし』『経済の再生なくして増税なし』だ」
 ――消費税率を引き上げないと国債が暴落するのではないかとの見方もある。
 「財務省が言っている話だ。日本の国債は90%以上を国内で消化しており、切羽詰まっている状況ではない。隠れたカネもまだある。5年も10年も放っておいていい話ではないが……」
 ――消費税率引き上げ関連法案は景気弾力条項などを修正すれば容認できるか。
 「条項を修正するとか、公務員給与や議員定数を削減するとか、そういうテクニカルな問題ではない。増税する前に大改革を実施する。自民党政治のまま、官僚機構に乗ったまま大増税では国民が納得しない」
 ――3月中の国会提出については。
 「国会日程が詰まっているし、根本の話からいっても急ぐ必要はない。もっと話し合いを続けるべきだ」
 ――国会が混乱し、野党が内閣不信任決議案を出した場合に同調することは。
 「野田さんも、もう一度原点に戻って、やり直す時間は十分ある。それを全部すっ飛ばして消費増税だけを強行すると、党内でも国会でもいい結果は出ない」
 ――衆院解散を野党に約束する代わりに消費税法案に協力を得る案が取りざたされているが。
 「自民党と組んで解散しても、人気のないもの同士ろくなことはない。自民党もアウトになる。野田さんが暴走するような形で強権的にやったら党内の支持基盤がなくなるのではないか」
 ――輿石幹事長は首相と小沢元代表らのつなぎ役になれるのか。
 「野田さんは前のめりの発言をしてしまうから、幹事長も容易ではないのではないか。もう少し余裕があれば『ここらへんで』という話もあるかもしれないが、言葉が先行している」
(2012年3月21日09時57分  読売新聞)
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小沢一郎氏/政界再編に動く覚悟「日本の政治、カオスになる状況だけは絶対に避けなければいけない」2012-01-06 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア 
 小沢一郎元代表 大いに語る「野田じゃダメだ」「政界再編に動く」覚悟
日刊ゲンダイ2012年1月4日 掲載
この年だけど、黙ってみているわけにはいかない <2012年は世界中がカオスになる>
 2012年はどういう年になるのか。世界恐慌の足音は日増しに高まっているし、消費税増税に入れ込む野田政権はひたすら、自爆の道を突き進んでいる。未曽有の政治的混乱は避けようがなく、どう考えてもロクな年になりそうにないのだが、小沢一郎・元民主党代表の「見立て」も同じだった。「カオス」の年の“展望”と“覚悟”を聞いてみた。
 今年は何が起こるのか。こう問うと、小沢はいきなり、「マヤ暦を研究した方がいいんじゃないか」と言った。
 マヤ暦とは2012年に人類が滅亡するという終末論のひとつだ。もちろん、小沢は象徴的な意味合いで「マヤ暦」を持ち出したのだが、実際、大混乱の年になりそうだ。
〈だって、世界中の指導者が代わる可能性があるわけでしょう。アメリカ、フランス、ロシア、韓国は大統領選挙があるし、中国は国家主席が代わる。EUもグチャグチャでしょう。世界中がカオスの年になる。もちろん日本も例外ではありません〉
 こう言う小沢は、具体的に政局のシミュレーションを語り始めた。
〈国会議員はみんな正月に地元に帰った。消費税増税や年金問題について、散々怒られて帰ってくると思う。野田政権は政権発足後、毎月、10%ずつ支持率が落ちている。そういう政権が消費税増税を打ち出した結果、どうなるか。僕は、本当の世論は大新聞の世論調査結果よりもはるかに厳しいと思っています。それを国会議員たちは実感して国会に帰ってくる。その頃、新聞にはもっと厳しい野田内閣の支持率が出る。この調子で下がれば、1月は20%になっているかもしれない。現実はもっと厳しいから、ほとんど支持者がいない状況です。そんな時に選挙になったら、民主党はほぼ全滅ですよ。かといって、自民党も過半数を得られない。今年は選挙の年になるとみていますが、このままでは、自民も民主も安定した政権をつくれません〉
 政治は何も決められずに漂流していく。小沢は、「それを避けるために、野田政権は確固たる信念を持ち、政権交代の原点に戻るべきだ」と言う。しかし、それができれば苦労はしない。野田が原点回帰などやるわけがない。その時は、党分裂、政界再編の動きにならざるを得ないのではないか。
<消費税増税に国民は賛成するか?>
〈「国民の生活が第一」という民主党政権の原点を野田政権が忘却のかなたに追いやるなら、国民サイドから動きが起きてくると思います。正月早々消費税増税の路線を明確にした場合、国民は“よかった”と言うだろうか。政権運営は極めて難しくなる。その場合、あらゆる選択肢があります。せっかく政権交代したのに、このままではオシマイ、全員アウト。そういう状況になった時は、民主党内も野田政権ではダメだ、となるんじゃないか〉
 小沢氏はそう言ったうえで、付け加えた。
世界が混乱する中で、日本の政治もカオスになる状況だけは絶対に避けなければいけない。僕は、民主党が潰れても、自民党なり他の政党が安定した政権をつくってくれるのであれば、心配はしない。しかし、そうならないのなら、この年だけれど、もうひと働きしなきゃいけない。このまま日本がカオスになり、泥沼に落ち込むのを黙って見ているわけにはいかない。過半数をとって安定する政権、体制を考えなければいけないと思う
 安定政権とは衆参で過半数を得ている政権を指す。小沢はそれを目指すという。つまり、政界再編だ。小沢は民主党の惨敗、自民党のメルトダウンを見越している。その前後に、政界再編の流れが出てくる。その時のリーダーは誰なのか。
〈きちんと自分の政治理念を掲げ、自分の責任でそれを訴え、自ら決断、実行していくリーダーです。ただし、その理念には高い見識と志が不可欠。ただ、郵政改革だけすればいい、といった次元ではない。日本をつくり替える理念です。今は平時ではない。真のリーダーが必要なのだが、なかなかいないですね〉
 自身が先頭に立つ覚悟を固めているのは間違いない。裁判は1月に小沢自身への質問が行われる。「春に晴れて無罪になったら動く?」と聞いたらこう言った。
〈世界も日本も僕の裁判とは関係なく進んでいく〉
 大政局は春まで待たずに動き出す。


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