加害男性から、今年は命日前の手紙届かず 神戸連続児童殺傷事件
2018/5/3(木) 6:10配信 神戸新聞NEXT
神戸市須磨区で1997年に起きた連続児童殺傷事件で、亡くなった土師(はせ)淳君=当時(11)=と山下彩花ちゃん=当時(10)=の遺族に宛て、当時14歳だった加害男性(35)から命日の前に継続して送られてきていた手紙が、今年は届いていないことが弁護士らへの取材で分かった。淳君の命日は5月24日。父守さん(62)は「(男性にとって)手紙を書く行為が向き合うことになる。反省していないのではないか」と語る。
手紙は、加害男性が医療少年院を仮退院中の2004年8月に初めて届いた。その後は命日が近づくと、男性の両親の代理人弁護士を通じ、遺族に渡されてきた。しかし男性は15年6月、遺族の承諾を得ずに事件の様子などをつづった手記を出版。16、17年も弁護士に手紙が託されたが、両遺族は受け取りを拒否した。
弁護士によると、両遺族への手紙は近年、彩花ちゃんの命日(3月23日)前の2~3月に届いていた。昨春以降は男性と連絡が途絶えており、「今年は届かない可能性が高い」とする。
淳君の父守さんは「私たちが手紙を受け取るかどうかと、(男性が)手紙を書くことは別の話。未来永劫(えいごう)、受け取らないつもりはない」とした上で、「なぜ子どもを殺したのか。その『なぜ』を知るために、決して楽な作業ではないが、手紙を読んできた」とする。
彩花ちゃんの父賢治さん(69)は「彼が手記を出版した時から一切関わりたくないと思ってきた。罪の意識を持って歩んでいるとは思えず、過去の手紙も、本心か分からない。もし手紙が送られてきても読む気はない」と話す。(小林伸哉、石川 翠)
最終更新:5/3(木) 9:23 神戸新聞NEXT
◎上記事は[Yahoo!JAPAN ニュース]からの転載・引用です
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〈来栖の独白〉
「一切関わりたくない」「もし手紙が送られてきても読む気はない」「未来永劫、受け取らないつもりはない」。
元少年Aも苦しんでいるが、土師氏も元少年Aのことが、気になって仕方が無いのだろう。
『絶歌』を読んでの私の率直な感想は、「これを被害者遺族は読むべきだ」ということだった。被害者と遺族への詫びと悔いが、真摯に述べられている。自らを洞察する目も容易くはなく、戒める念いの強さも類を見ない。
これを被害者遺族は読むべきだ。元少年Aのことが気になって仕方が無い、心底から詫びて欲しい、そう思っているなら、『絶歌』を読んで戴きたい。そうしないで、元少年Aの気持がどうして解るだろう。Aの真摯な思いが綴られている。
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◇ 神戸連続児童殺傷事件から20年 加害男性(元少年A)父母「たまに連絡が入る。『絶歌』に涙止まらず」 神戸新聞インタビュー 2017/3/26
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◇ 『絶歌』元少年A著 2015年6月 初版発行 太田出版 (神戸連続児童殺傷事件 酒鬼薔薇聖斗)
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