虚言癖が明るみに!? ついに中国中央電視台まで報じた日本人ジャーナリストの「ウソ」

2012-11-07 | メディア/ジャーナリズム/インターネット

虚言癖が明るみに!?ついに中国中央電視台まで報じた日本人ジャーナリストの「ウソ」
チャイナビジネス最前線
NET IB NEWS 2012年11月 5日 14:45
 中国や台湾を拠点に、アジア各国を渡りながら取材活動を続けるフリージャーナリストがいる。現地のマスコミに精通する彼が、日本との文化の違いを感じながらも、アジアならではの面白さについて、リアルにレポートする。

 身から出たサビとは、まさにこのことだ。中国で活動する日本人国際コラムニストの加藤嘉一氏の「ウソ」の収拾がつかなくなっている。10月31日に日本の週刊誌が「『中国で一番有名な日本人』加藤嘉一氏に経歴詐称疑惑」と題し、加藤氏の「東京大学に合格したが、それを蹴って、北京大学に留学した」との発言は全くのウソで、さらに経歴にもいくつかのウソがあると報じた。その報道を機に、日中両国間のインターネットメディア、さらには中国中央電視台まで巻き込む大騒動となっているのだ!
 加藤氏は中国に拠点を置く評論家で、日本では中国の現代社会に関する書籍を出版したり、情報番組に出演するなどの活動を行なっている。学歴経歴詐称に関する一連の騒動を受け、加藤氏は自身の中国版ツイッター「微博」のなかで「自分の幼稚さと未熟さ故に、皆さんに誤解を与えてしまった。大変申し訳なく思うと同時に、今後、皆さんからの信頼を得られる人間になれるよう努力したい」と謝罪している。
 筆者は中国に拠点を置いているが、かねてから、加藤氏の日本のテレビ番組での発言には違和感を抱いていた。加藤氏は今年3月、池上彰氏が司会を務める日本の民放テレビ番組に、新進気鋭のジャーナリストとしてゲスト出演。加藤氏は番組内で「胡錦涛国家主席から一目置かれる人物」として紹介され、本人も「胡錦涛国家主席と接触する機会があり、ちょっとした意見交換をした。その内容について具体的に(このスタジオでは)言いづらい。(言いづらい部分は)内密な話だから外には漏らさないでくれという前提があるから。胡錦涛さんは私と個人的な交流をする際も『加藤さん、これからも言論活動の方で頑張ってくれ』という言い方をされた」とコメントしている。著書の中でも「短い時間ではあったが、胡錦涛氏は私の目を見てじっと何かを訴えかけた。我々には暗黙の了解ができあがっていた」という旨の記述をしている。自身のプロフィールでは「2008年5月、胡錦涛氏に面会を求められた」と記述。胡錦涛氏との親密な関係をなにかとアピールしているのだ。経歴詐称が明るみになった現在、果たして、胡錦涛氏とのエピソードもどこまでが本当なんだろうか・・・?
 私はこれまで、情報の中枢である北京のテレビチャンネルで加藤氏の姿を目にしたことはない。加藤氏が主に出演しているのは、香港フェニックスTVの政治系トーク番組だ。香港発の番組は大陸全体をカバーしており、北京でも視聴は可能だが、中国国内で主流の位置を占めているわけではない。加藤氏は日本で「情報統制の厳しい中国で取材活動を行なっている」というテイストで自身を紹介しているが、実際の言論活動は自由度の高い「香港」が中心だ。
 たしかに加藤氏の語学力は優れている。中国での知名度も高い。しかし、著書はどれも「自叙伝」「自慢話」の延長線で、その内容にジャーナリズムとまで言えるほどの厚みがあるとは思えない。「大学時代にこういう中国人と触れ合って感銘を受けた」とか「この俳優に取材で会い、親交が続いている」など。「ウソ」ではないかもしれないが、加藤氏の言論は「1の話を100にする」傾向が見られる。日本の芸人がよく使う「話を盛(も)る」という話法だ。
 中国でそういう類の人間は多い。北京大学や清華大学の卒業証明書を精巧に偽造する店も溢れている。日本はコミュニティが小さく、人の定住性が高いため、学歴経歴詐称は少ない(すぐバレるため)が、(移民も含め)人が流動する中華圏では詐称はよくある話。よくありすぎて、人が自分で語る経歴など信用していない。
 加藤氏の語学能力の高さは、出演する香港のトーク番組を見れば一目瞭然だ。「東京大学を蹴って北京大学に来た」という虚言エピソードのみによって、成功を勝ち得たわけではないだろう。発音、声調も中国人のものに近い。ただ、中国で生活するうちに(あるいはその前から)中国人独特の「虚言癖」までも身に付いてしまい、トーク番組のなかで口走ってしまったのかもしれない。彼にとって不運なのは、ウソを口走ったインターネット番組が、動画サイトにしっかりと残されてしまっていることだ。
 実は加藤嘉一氏の学歴経歴詐称については半年以上前から中国事情に詳しい日本人ネットユーザーの間でも囁かれていた。しかし、大したネタでもないし、本人も周囲も相手にしなかった。それでも、動画が特定され動かぬ証拠として出回り、日本の大手メディアが報じた以上、加藤氏本人もコメントを出さざるを得なくなってしまったのだ。
 そして、11月1日、ついに中国中央電視台(CCTV)も加藤氏の学歴経歴詐称についてニュースで報じた。それによると「加藤嘉一氏の経歴詐称が日本の雑誌によって暴かれた。記者が母校の進路担当を取材したところ、加藤氏が卒業した年、同高校から東京大学には理系に2名の合格者を出したものの加藤氏が合格したとしている文系に合格者はいなかった。加藤氏は日本で中国の悪口を言い、中国で日本の悪口を言う二枚舌の持ち主。日本でも加藤氏の件で批判が高まっている」と報じている。週刊誌やネット上のゴシップを中国の国営放送が報じるのは極めて異例なことで、背景には「日本(に関するもの、人物)を攻撃してやろう」という中国国内の気運も後押ししているようだ。
  日本の媒体では、あたかも「北京の大手テレビに出ずっぱり」というトーンの加藤氏。中国に拠点を置く私が、実際、CCTVや北京メディアで加藤氏を見るのはこのニュースが初めてだ。皮肉にも自分自身が撒いたウソによって、加藤氏の『顔』はいま中国国内のメディアに「出ずっぱりの状態」にある。
 私の知る限り、中国で著名な日本人は他にもっといる。ひょっとすると『中国で一番有名な日本人』という触れ込みも、学歴同様、自分で作っちゃったのか。結果的には、この騒ぎで現在、加藤氏は本当に「中国で一番有名な日本人」になっただろうから、まんざらウソはウソでなくなった・・・? (了)  【杉本 尚丈】
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加藤氏の経歴詐称 外国人への友好的な態度を維持せよ
サーチナ 2012/11/05(月) 08:13
 中国でもっとも有名な日本人コラムニストである加藤嘉一氏の経歴詐称疑惑が日本メディアの報道で明らかになり、中国社会の注目を集めている。中国網日本語版(チャイナネット)は「加藤嘉一氏の経歴詐称について、大事なのはわれわれの態度だ」と論じた。以下は同記事より。

 加藤氏は微博(ウェイボー)に謝罪文を掲載し、これまでの「東京大学に合格したが、自ら入学を放棄した」あるいは「途中退学した」とする旨の発言は事実ではなく、「自身の稚拙で思慮に欠けた行動、傲慢かつ無知の所為で、皆様に誤解を与えてしまいましたことに、心より深くお詫び申し上げます」と詐称の事実を認めた。
 『週間文春』によると、東大に関する経歴に事実と反することがあった以外にも疑わしい点がある。加藤氏が中国で出版した書籍に書かれている「日本の公費派遣留学生」という内容と、日本で出版した書籍で「自身の留学費用は全て中国教育部が負担している」との記載には矛盾があり、その真意が疑わしいと指摘されている。
 また、日本全国柔道大会で4位に入賞したことも嘘(うそ)であることが判明している。この文武両道の若者と言う加藤氏の中国でのイメージは一気に崩れ、ほかの経歴まですべてが疑わしくなってしまった。
 当然、加藤氏はすぐさま謝罪を表明し、その態度は誠実であると言える。自分のコラムを支持してくれた人、講演に駆けつけてくれた人に対し、加藤氏は心から申し訳ないという気持ちを伝えた。当初から、加藤氏に対し、これほどの期待がなければ、中国の人びともここまで失望することはなかったのかもしれない。
 海外からの理解を得たいと渇望していた中国が、加藤氏を一気に人気者へと押し上げたのだ。外の世界の理解を望んでいた中国では、「中国通」は、その考え方が深くとも浅くとも、合理的でないことがあったとしても、中国人の外国人に対する特有の「寛容さ」によって、許され、受け入れられるのである。北京大学を卒業しただけで、メディアに「学者」として持ち上げられている人物は、加藤氏たった一人だけである。
  著名人が経歴詐称を行ったところで、取り立てて厳しくとがめる必要性はあるのだろうか。名声がすなわち、その人にとっての利益であるから、すでに罰は受けている。加藤氏は民間の観点から中日関係を真摯な態度で観察するフリーのコラムニストであるだけではなく、中国で必死に生活している外国人でもある。お金を稼いで、異国の地で生計を立てていかなくてはいけないのだ。
 経歴を詐称することは、競争で一足でも早く優位に立つためであり、コラムの契約、講演のオファー、テレビ出演などの仕事を絶えず手に入れる手段だった。有名になってからの加藤氏は勤勉に、必死に働いてきた。客観的に見れば、彼は依然メディアを通して自身のプロモーションを行うことに成功し、中国における有名な外国著名人として、富も名誉も手に入れた「勝ち組」である。
 加藤氏をここまで持ち上げたのも中国であり、加藤氏の経歴詐称に気づけなかったのも中国である。つまり、われわれが反省すべきは、中国のメディアが、なぜここまで「外国の人」に対し、特別な「信頼感」を持ったのだろうかということである。
 10月31日、北京大学は「加藤氏は試験に合格して北京大学に正式入学しており、東京大学の合格に関する詐称によって、北京大学の合格と卒業の資格が影響を受けることはない」と発表した。この事件によって、中国人の「広大で寛容な中国」という自国への自負と、「海外の友人」たちに対する一貫した「友好的で寛容な態度」が影響を受けることがないよう望んでいる。また、経歴詐称に対する処理について、中国人と外国人で差別がないよう求める。(完結)(編集担当:米原裕子)
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