死刑廃止議連などが抗議=「執行情報は内部告発」-東京

2008-02-01 | 死刑/重刑/生命犯

3人の死刑執行 愛知・刈谷の主婦強殺犯ら
2008年2月1日 中日新聞夕刊
 法務省は1日、3人の死刑を執行したと発表した。鳩山邦夫法相の下での執行は、昨年12月7日の執行に続き2回目。前回から2カ月未満という短期の執行となり、この日の執行後に鳩山法相が会見した。死刑確定者は1月末現在で107人で、3人の執行により104人となった。
 執行されたのは、1997年4月、逆恨みの末に女性1人を殺害した持田孝死刑囚(65)=東京拘置所=、88年に徳島県と愛知県刈谷市で留守中の民家に入り、帰宅した主婦2人を殺害して現金を奪った松原正彦死刑囚(63)=大阪拘置所=、鹿児島県・徳之島で母子3人を殺傷した名古(なご)圭志死刑囚(37)=福岡拘置所=の3人。
 持田死刑囚は東京都内で女性社員に乱暴したなどとして90年に懲役7年の判決を受け服役。「口止めしたのに警察に通報された」と逆恨みし、出所2カ月後の97年4月、女性宅のある都内の団地で女性を刺殺した。99年の1審は死刑求刑に対して無期懲役を言い渡したが、2000年の2審は1審判決を破棄し死刑に。上告審判決で最高裁は04年10月、2審を支持して上告を棄却、死刑が確定した。
 この逆恨みによる殺人事件は、加害者の出所予定情報について被害者側が知ることができる出所情報通知制度が01年に導入されるきっかけの1つになった。

 

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<中日新聞夕刊(3面)>3人死刑執行 異例の間隔2ヵ月 

廃止派は中止訴え 法相「今後も粛々と」

 存廃の論議のある死刑執行について「法相の署名なしに自動的にできるシステムがあれば」と発言して物議を醸した鳩山邦夫法相の下で、また死刑が執行された、昨年12月の前回から2ヶ月に満たない今回の執行は、「異例の早さ」と波紋を広げており、今後も早いペースで執行が続く可能性もある。

 昨年は全国の地裁、高裁、最高裁で死刑判決が1980年以来最多となっており、今回の死刑執行もこうした厳罰傾向の中で行われている。

 執行後に記者会見した鳩山法相は「前回とのインターバルは関係ない。死刑執行が国民の理解を得られるものとして、今後も粛々とやっていく」と述べた。

 一方、「死刑廃止を推進する議員連盟」のメンバーらは前夜遅く、「近日中に死刑執行がある」との情報をつかみ、鳩山法相あてに執行中止を求める要請文を送付。死刑に反対する市民団体なども1日早朝から、東京拘置所前で執行反対のアピールをした。

 保坂展人衆院議員は「昨年は国連で死刑執行停止が決議された。日本は死刑廃止に向けた国際的な動きが進む中で死刑制度を置き続けている。法相の言う、死刑執行の公表が国民の死刑制度への理解となり、それで死刑制度が維持されるというものでもない。存廃の議論をしてほしい」と警鐘を鳴らす。

 法務省は昨年十二月の執行の際、初めて対象者の氏名と執行場所を公表した。鳩山法相は「事件被害者をはじめとする国民の『情報公開すべきだ』との要請が高まる中で、死刑が適正に執行されていることを示すことで、国民の理解を得られる」と述べたが、国連決議に対しては「死刑の存廃は各国の国民感情、犯罪情勢などを踏まえて独自に決定すべきだ。わが国では、国民世論の多数が凶悪犯罪には死刑もやむを得ないと考えている」と反論していた。

 愛知県の事件で、殺害された主婦の遺族の男性(68)は、「(死刑執行を)テレビのニュースで知って、いつも拝んでいる仏さまに報告しました」と話した。

 

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死刑制度、世論が支持=鳩山法相
2月1日21時2分配信 時事通信
 鳩山邦夫法相は1日午後の参院予算委員会で、国連が昨年12月に死刑執行の停止を求める決議を採択したことに関し「それぞれの国に考え方や世論がある。わが国は凶悪犯罪に厳しく当たるべきだというのが世論の大勢だ」と述べ、死刑制度は国民に支持されているとの認識を示した。社民党の福島瑞穂党首への答弁。

 

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死刑廃止議連などが抗議=「執行情報は内部告発」-東京
2月1日17時1分配信 時事通信
 死刑囚3人の刑が執行されたことを受け、「死刑廃止を推進する議員連盟」(亀井静香会長)などは1日、東京都内で記者会見し、「昨日(1月31日)の段階で鳩山邦夫法相に思いとどまるよう書簡で申し入れたにもかかわらず、処刑が行われた」(保坂展人衆院議員)として抗議した。
 死刑廃止運動に取り組む安田好弘弁護士は、31日に「明日3名の執行がある」などとの情報が複数寄せられたことを明らかにした。安田弁護士は「情報漏れではなく、内部の現場からの厳しい告発だ。連続して執行に当たる職員の悲鳴であり、今後も告発はなされるだろう」と話した。  
最終更新:2月1日17時1分


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