殺害状況自白は「想像だった」…今市公判で被告
2016年03月18日 10時00分
2005年に栃木県今市市(現・日光市)の小学1年吉田有希ちゃん(当時7歳)が殺害された事件の裁判員裁判は17日、宇都宮地裁で裁判官や裁判員による勝又拓哉被告(33)への被告人質問が行われた。
裁判官は、殺害の状況を詳細に語った14年6月11日の取り調べで、検察官から殺害現場を繰り返し確認された際に勝又被告が「100%間違いない」などと答えていたことについて理由を尋ねた。それに対し、勝又被告は「自分の想像の中ではそれしか考えられなかった。これでいこうと思った」と答えた。
男性裁判員が、15年5月の公判前整理手続きで勝又被告が全面否認に転じた時の気持ちを尋ねたのに対し、「本当の気持ちで戦える。解放されたという気持ちだった」と話した。また、法廷で再生された取り調べの録音録画を見てどう思ったか問われると、「何でそのときにはっきり言わなかったんだろうと後悔している」と述べた。
また、この日行われた自白の任意性についての論告で、検察側は「録音録画の映像から、勝又被告が検察官の真摯な説諭に心を動かされて真実を話したことが見て取れる」とし、否定したい点は否定し、調書の内容の追加や削除などを求めるなど自分の意思で話したなどと説明した。
これに対して弁護側は、「長期間の拘束による取り調べや、取調官から『自白すれば刑が軽くなる』などと利益誘導を受けた結果、自由な意思に反する自白をしてしまった」と主張。14年3月19日の取り調べで額に負った傷について、「警察官から平手打ちされて壁に頭をぶつけたもの」とし、警察官が証人尋問で「被告が自ら壁に頭を打ち付けた」と証言したことを「信用できない」と否定した。
2016年03月18日 10時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
◎上記事は[讀賣新聞]からの転載・引用です
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産経ニュース 2016.3.17 13:27更新
【栃木女児殺害公判】「かわいそうとは思わなかったんだよね」勝又被告「遺体写真見て供述内容判断」
平成17年に起きた栃木県今市市(現日光市)の小1女児殺害事件で、殺人罪に問われた勝又拓哉被告(33)の裁判員裁判の第13回公判が17日、宇都宮地裁(松原里美裁判長)で開かれ、前日に続いて被告人質問が行われた。
勝又被告は殺害を認めた供述を「嘘だった」としており、公判では一貫して無罪を主張している。供述を変遷させた理由を、取調官に良い印象を持たせたかったとする一方、取調官から「遺体遺棄現場は殺害現場とは違うのでは」と指摘された際は、はっきりと否定している。裁判官が「殺害現場が違っても刑は変わらないのでは」と質問すると、被告は「自宅と言っても警察の捜査で一発で分かると思うし、あと言えるのは現場くらいしかないと思った」と説明した。
また、被害者の吉田有希ちゃん=当時(7)=の通っていた小学校は被告自身の出身校で、「出身校だから興味があった。ニュースとかを見た」として、供述にはニュースなどの影響があることを示した。遺体の写真は起訴後、弁護人を通して見たと言い、「そのころはまだ第三者の犯行と話していたので、何を話せばいいか写真を見て判断した」と述べた。
裁判官に「素直に何か思う気持ちはなかったか」と問われると、「かわいそうとか思わなかったんだよね」と答えた。裁判員は、法廷で計7時間以上再生された取り調べの録音・録画を見ていた際の気持ちを尋ね、被告は「何でそのとき(無罪の主張を)はっきりと言わなかったんだろう」と後悔を口にした。
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2016.3.17 22:45更新
【栃木女児殺害公判】任意性めぐり中間論告・弁論
平成17年に起きた栃木県今市市(現日光市)の小1女児殺害事件で、殺人罪に問われた勝又拓哉被告(33)の裁判員裁判の第13回公判が17日、宇都宮地裁(松原里美裁判長)であり、争点となっている被告の自白の任意性をめぐり中間論告・弁論が行われた。
検察側は、26年6月、殺人容疑で被告が逮捕された後、検事が取った自白調書を立証の柱として証拠請求しており、論告で「被告は検事の真摯(しんし)な説諭に心を動かされて自白し、調書の訂正や削除を求めるなど自分の意思も主張している」とした。一方、弁護側は「被告は強制的な取り調べから逃れたいと思い、利益誘導によって刑を軽くしようと嘘の自白をした」として、調書に任意性はないと訴えた。
地裁はこれまでの審理やこの日の論告・弁論を踏まえて任意性を判断。18日に調書を証拠採用するかどうか決定する。
◎上記事は[産経新聞]からの転載・引用です
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◇ 今市吉田有希ちゃん殺害事件 第12回公判2016/3/16 勝又拓哉被告「警察官の質問ヒントに話作った」
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