毒物カレー事件上告審、林被告側が改めて無罪主張
読売新聞2009年2月25日(水)03:33
1998年に4人が死亡した和歌山市の毒物カレー事件で殺人罪などに問われ、1、2審で死刑判決を受けた元保険外交員・林真須美被告(47)の上告審弁論が24日、最高裁第3小法廷(那須弘平裁判長)で開かれた。
弁護側は、改めて無罪を主張した。判決は、早ければ今春に言い渡される。
弁護側は「無差別殺人の動機がない。事件当日、犯行現場に1人でいたという目撃証言は、体形の似た別の女性と見間違えられたものだ」と主張。これに対し、検察側は「動機が認定できないことが、犯人ではないことを意味するとは言えない。地域住民が見間違えるはずもない」と反論した。
1、2審判決によると、林被告は98年7月25日、和歌山市園部の自治会主催の夏祭りでカレーの鍋にヒ素を入れ、カレーライスを食べた住民4人を急性ヒ素中毒で殺害し、63人に重軽症を負わせた。林被告は1審・和歌山地裁の初公判で犯行を否認した後、黙秘したが、判決は「ヒ素を混入できるのは被告以外にあり得ない」とした。控訴審では被告人質問に応じ、全面否認したものの、2審・大阪高裁判決は「供述は矛盾に満ち、信用できない」と1審判決を支持した。
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林被告は今年1月29日と2月3日の2回、大阪拘置所で読売新聞の取材に応じ、事件について、「やっていない」と訴えた。
拘置所で林被告は、ミュージカルのパンフレットや4人の子どもから届く手紙を繰り返し読んで過ごしているといい、「家族は心の支えになっている」と笑顔を交えて話した。また、「自分で無罪を訴えたい」と上告審弁論への出廷を希望したが、最高裁の弁論では被告の出廷が認められないため、麻生首相に許可を求める手紙を送ったという。
一方、事件でそれぞれ家族を失った遺族3人はこの日、傍聴席から弁論を見守った。夫の谷中孝寿さん(当時64歳)を亡くした千鶴子さん(71)らは閉廷後、「1、2審と同じ判決が出ることを願う気持ちでいっぱいです」とのコメントを出した。
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林真須美被告側が無罪を主張 毒物カレー事件で上告審弁論
和歌山市で1998年、4人が死亡し63人がヒ素中毒となった毒物カレー事件で、殺人や殺人未遂などの罪に問われ、1、2審で死刑判決を受けた林真須美被告(47)の上告審弁論が24日、最高裁第3小法廷(那須弘平裁判長)であり、弁護側は「確実に別の犯人がいる」とあらためて無罪を主張し、検察側は「根拠のない憶測だ」と反論した。
判決は後日、期日指定される。早ければ今春にも言い渡される見通し。
2審大阪高裁判決によると、林被告は98年7月25日、夏祭り会場のカレー鍋にヒ素を混入、カレーを食べた住民4人を殺害し、63人を急性ヒ素中毒にさせた。また死亡保険金などの詐取目的で夫らにヒ素を混ぜた食物をとらせて中毒にさせるなどした。
この日の弁論で弁護側は、林被告宅で見つかったヒ素と混入されたヒ素が同一とする鑑定結果や、白いTシャツ姿の被告が1人でカレー鍋の見張りをしていたという目撃証言について「信用できない」と主張。決定的な証拠がない上、動機も不明なのに1、2審は有罪認定したと批判した。2009/02/24 19:00【共同通信】
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〈来栖のつぶやき〉
帝銀事件・名張毒ぶどう酒事件そして和歌山毒カレー事件・・・薬物を使用しての事件は、真相解明も立証も難しい。冤罪との声は高いが、どうも判らない。冤罪なら(冤罪とは)、辛いものだ。
ところで本題から逸れるけれど、少し気になったことがある。
林被告が「麻生首相に許可を求める手紙を送った」と読売新聞は報じている。「送った」というのであるから、郵送ということか。大臣に手紙を通常のように郵送して読まれる、とは考えにくい。然るべく国会議員に同行してもらい、秘書官に手渡したとしても、読まれる確率が果たしてどの程度あるか。林被告のこの行為を支援する会は関知しなかったのだろうか。まさか教唆したなどとは思えないが。理解できない・・・。