新S くらべる一面 「編集局から」
日経新聞
米国の金融不安にまた火がつきそうです。保険最大手AIGや大手銀シティーグループの経営不安が世界の株式市場を揺さぶっています。日本では政府が公的資金を使った株価対策の検討を始めましたが、結局は米金融が安定しない限り、経済は回復しません。バーナンキFRB議長も議会証言で「金融安定へ向けた強固な行動」を求めました。しかし景気対策は迅速にまとめたオバマ大統領も、金融対策は苦戦しています。(長)2009/02/25
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【ニューヨーク=財満大介】米保険最大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)が、来週発表予定の昨年10―12月期決算で約600億ドル(5兆7000億円)規模の最終赤字となることが23日明らかになった。米CNBCテレビなどが報じた。AIGは米政府に追加支援を申請する見通し。既に合計1500億ドルを支援している政府負担が重くなる公算が大きい。
AIGは「財務上の困難に対処するため、米政府と協力して(支援策の)代案を検討している」とのコメントを発表した。
損失は商業用不動産ローン債権や、デリバティブ(金融派生商品)の一種であるクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)などが要因。巨額赤字による財務悪化で格付け機関から格付けを引き下げられる可能性が高い。 (日経2009/02/24/ 11:07)
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デリバティブ でりばてぃぶ
【derivative】
金融派生商品。金融商品の価格変動リスクを回避し、低コストでの調達や高利回りの運用といった有利な条件を確保するために開発された取引。
外国為替や金利など本来の金融商品から派生した。広義では通貨先物や金利先物取引などを含めるが、狭義でスワップやオプション取引などを指すことが多い。元々はリスク回避の手段として開発されたものの、最近はデリバティブ自体を投機対象とする取引が拡大している。その結果、逆に金融商品の価格変動を大きくするケースが増えており、各国の金融当局の間ではデリバティブの規制強化を検討したり、情報開示を進めたりする機運が高まっている。