「日本に好意を持っていない近隣諸国が日本に対して威嚇的に核兵器をもって恫喝を続けている」石原慎太郎氏

2014-03-30 | 政治/石原慎太郎

「中国は共産主義国家として崩壊していってほしい」~石原慎太郎氏と海外メディア記者の質疑応答
  BLOGOS編集部 2014年03月27日 10:38
 石原慎太郎・日本維新の会共同代表が3月26日、東京・有楽町の外国特派員協会で記者会見を開き、自らの歴史観を語った。質疑応答の冒頭、石原氏は「No Question is good question」と口にして会場を笑わせたが、海外メディアの記者たちからは、外交問題への考え方や橋下大阪市長との関係などについて、さまざまな質問が飛んだ。(取材・構成:亀松太郎/吉川慧)
*「優れた政治家はみんなナショナリストだ」
ーー日本の歴史について、うかがいたい。「黒船」の来航により日本は開国し、良くなったと言われる。一方で、米国が日本に大きな傷を与えたという見方もある。「開国がなければ、真珠湾攻撃はなかったかもしれない」という意見もある。日本にとって、開国はプラスだったか、マイナスだったか?
石原:黒船以前も、いろいろな外国の船が日本に来て、開国を迫っていた。戦国時代にも、ポルトガルなどヨーロッパのいろいろな宣教師が来て、織田信長などがいろいろな知識を宣教師から仕入れていた。日本人の知識欲はそのころからあったと思う。
 私は、黒船が引き金になって日本が開国したのは、良かったと思う。そこから日本の近代化が始まったわけだから。そのとき、黒船を相手に戦争をしないで、静かにこの国を開いたことで、他の国のように部分的な植民地にされずに済んだ。結構なことだと思う。
ーーどの国でも「自衛軍を持ちたい」「自国の平和を自分の意思で達成したい」と思うのは当然だが、それを実現するために、なぜ日本だけがナショナリズムやリヴィジョニズム(歴史修正主義)を主張しなければならないのか。
石原:「歴史を見直せ」と言っているわけではない。正しい歴史を認識してもらいたい、ということだ。僕は「あなたはナショナリストだ」と言われると、「Why not?(なぜいけないのか)」と言う。愛国者はみんなナショナリストではないか。ド=ゴール、チャーチル、ケネディ・・・優れた政治家はみんなナショナリストだと思っている。
ーー私が聞きたいのは、新しい防衛体制をつくるために、なぜ歴史を否定するのか、ということだ。
石原:私がどの歴史を否定したか? 私は歴史を正確に認識してもらおうと思っているだけのこと。
「いまの中国の共産党独裁の形は続かない」
ーー(歴史認識については)いろいろな立場があるが、今の時代と未来とのつながりの面から考えると、いくらか考慮すべき点があるのではないか。国際的には、これが問題になっていると思うが。
石原:何を言ったら良いのか・・・。
 日本の地政学的な条件は、世界にめったにない、非常に苦しい立場にある。日本に対して決して好意を持っていない国が日本を囲んでいる。北朝鮮は状況証拠から考えて、日本人を200人以上誘拐し、なかには殺した人もいる。中国は拡張主義で、領土・領空・領海を侵犯している。ロシアは、戦争のどさくさに日本の領土を奪って返さない。しかも国際法に違反して、日本の捕虜に強制労働させて、たくさんの人を死なせた。
 こういう国々が日本に対して、威嚇的に、核兵器をもって恫喝を続けている。こういう状況に置かれている国は、世界にめったにないのではないか。ずいぶん頼りにしてきたアメリカも攻撃力が衰弱してきて、このごろはちょっと行方がよくわからない。こういう苦しい立場に置かれている日本が、自分で自分を支えていこうと努力をすることは、決して逆戻りではない。右傾化ではないと思う。去年、ホワイトハウス(オバマ大統領)が「アメリカはもはや世界の警察官ではない」と言った。アメリカ人にとっても日本人にとっても、ショッキングなコメントだったと思う。
 私はチベットのリーダーのダライ=ラマと親しいが、彼からいろいろ事情を聞いてみると、日本は本当にチベットのような国になりたくないと思う。シナ(中国)の属国になるつもりはまったくないし、どうやって防ぐか、日本人は真剣に考えるべきだ。チベットのことはみんな忘れてしまい、いまチベットに同情しているアメリカ人はほとんどいない。私が知っている限りでは、俳優のリチャード・ギアぐらいだ。ダライ=ラマの話を聞いていると、中国の拡張主義に巻き込まれて、その属国になりたくないと思う。
 日本にやってくる中国人の買い物の仕方を見ていても、共産主義政権独特の腐敗というものを感じる。シナ(中国)の国民が、自分の利益を奪っている元凶にどうやって気づいて、覚醒するか。私は、中国という国が共産主義国家として崩壊していってほしいと思うが、それは都会でしか起こらないと思う。大都会にひしめいている、中産階級になろうとしてなりそこなった学生たちとか、地方から出てきた出稼ぎ労働者たちのフラストレーションだとか。そのうち大きなエネルギーとなって爆発すると思うし、それを期待している。今の中国の共産党独裁の形は続かないと思うし、続けてはならないと思う。
*「橋下君は非常に微妙な立場にある」
ーー橋下徹・大阪市長(日本維新の会共同代表)と石原氏の意見がかなり異なっている。いろいろな課題について違う意見を持っている感じがするが、ご自身はどう思うか。
 石原:人間だから、考え方の違いはある。橋下君とは生きていた時代も違うし、日本の戦争の意味合いについても、それは世代の違いで、仕方がない。
 ただ、彼は非常に微妙な立場にある。彼の言う「大阪都構想」はよくわからない。橋下君には「君ね、東京にもたくさんの人がいる。東京都民に『大阪都構想』と言って、だれがわかるの?」と言った。「東京の都民がわからないことは言わないほうが良い」と言った。自分の政策に対するレトリックを考えたほうが良いと思う。
 いずれにしろ、大阪がもっと立派な活力の街になってくれないと、日本が困る。私たちが小学生・中学生のときの地理の授業では、日本の大都市といえば、東京に次ぐ二番目は大阪だった。それが、あっという間にひっくり返って、今では横浜が日本で第二の都市だ。また、当時、地理の勉強で教わった日本で一番の工業地帯は阪神工業地帯だった。大阪を中心にした神戸とかの工業地帯だ。ところが、今では京浜工業地帯が日本一の工業地帯になってしまった。これは日本にとって、悲しいこと。大阪がもうちょっとしっかりして活力を持ってもらわないと、日本社会全体が衰微していく。
ーーなぜ中国と韓国は、「日本の首相に靖国参拝をしないでもらいたい」と言うのか。
石原:A級戦犯を合祀しているからではないか。
*「政治の中に感情論を持ち込むのは無意味」
ー維新の会の存在意義は? 橋下氏と意見や政策が合わなかったりした場合は、共同代表を辞任するのか?
石原:そんなことはない。やっぱりキャリアが違うから、考え方が違うのは仕方ない。
 たとえば、原子力の問題についても、彼は突然、「党是として、10年たったら原発をフェードアウトする」と言うが、10年というタイムスパンはすぐに過ぎてしまう。1970~80年代、日本では石油ショックによる電力危機があった。そのとき、電力を一番使う日本の産業はアルミだから、いろんなアルミ会社が瞬間的に全滅した。日本軽金(日本軽金属)の工場だけ残って、あとは全滅した。「そういうことを知っていて、10年でフェードアウトすると言っているのか?」と言ったら、彼は「じゃあ、30年」と変えた。30年というのも、根拠があるようでない話。「原発を全部なくした場合のロードマップもなしに、そういうことは言わないほうが良いのではないか」と言った。しかし、そういうセンチメント(感情論)のほうが幅を効かして、日本の元凶になってしまった。本当に残念だ。
 彼はよく、国会の選挙に立候補した新人たちの研修会で、「政治家は『ふわっとした民意』を大事にしなきゃだめだ」と言っていたが、私はとても危険な発言だと思う。『ふわっとした民意』を気にしすぎると、ポピュリズムにならざるをえない。『ふわっした民意』はセンチメント。
 私の二番目の息子(石原良純氏)がテレビでいろいろなことをやっているが、名古屋の放送局が「TVタックル」という番組をまねして、いろいろな識者を集めて、政治問題をどうするかという討論番組をやった。この間、主婦の代表みたいな人を入れて、専門性の高い人たちと原子力の話をした。いろいろな議論ができたそうだが、最後に、主婦を代表する人に「この議論を聞かれてどうでしたか?」と聞いたら、「でも、やっぱり怖いんですよね」と言って、番組が終わった。それで、あっという間に番組の討論が泡のごとく消えてしまった印象だった、と。
 やっぱり、センチメントというものを踏まえてモノを議論したら、ものすごく危険なことになる。私は橋下君に「『ふわっとした民意』というのは、あまり言わないほうが良いぞ」と言っている。
ーー尖閣諸島については、国の政策に大きな影響を与えたが、今後も国政に大きな影響力を持ち続けられると思うか。
石原:それはわからない。これからどういう政治イシューがあらわれてくるか、わからないから。それに応じて、私なりの意見を述べようと思う。
 ただ、私が東京都で(尖閣諸島を)買っていいって言ったときに、民主党政権が人気稼ぎで、お金を上乗せして買ったのは間違いだったと思う。東京都に任せておけば、灯台をつくったり、人道的なことで、誰にも喜んでもらえるような実質的な施政権の表示ができたと思う。でも、国が買って、国のマターになったら・・・黙って、地方自治体に任せておけばよかった。結局、相手を刺激してしまった。
ーースピーチで日韓関係は大事だとおっしゃったが、最近は日本で在日韓国人に対するヘイトスピーチがおこなわれて、海外でも心配している。どう考えているか。
石原:国と国の関係のなかに感情論を持ち込んだら、非常に良くない。たとえば、スポーツの野球やサッカーの世界でも、韓国の選手がたくさん活躍している。そういったものを見れば、政治の中に感情論を持ちこむのは、本当に無意味なことだと思う。韓国の人たちも、かつての日本の統治に対して反発するのは無理ないと思うが、それについて、いつまでも尾を引くことは、両方の国にとって利益にならないと思う。
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