被害者参加の1審判決破棄 被害者の感情を刑に反映させるのは、不公平を招き望ましくない

2009-08-28 | 裁判員裁判/被害者参加/強制起訴

被害者参加の1審判決破棄 札幌高裁「実刑重い」
産経ニュース2009.8.28 00:42
  神奈川県平塚市で平成19年4月、3人が死傷したボート事故で業務上過失致死傷罪に問われた当時の船長で無職、梶谷岳宏被告(43)=札幌市=の控訴審判決が27日、札幌高裁であり、小川育央裁判長は禁固1年6月(求刑禁固2年)の1審札幌地裁判決を破棄し、禁固2年、保護観察付き執行猶予4年を言い渡した。1審判決は被害者参加制度適用が公表された初のケースだった。
 判決理由で小川裁判長は「実刑を望む遺族の心情も理解できるが、被告と被害者は遊び仲間。職務としてのボート操縦ではなく、被告だけに責任を負わせるのは酷だ」と指摘。「1審判決は執行猶予としなかった点で重すぎる」と結論付けた。控訴審では被害者参加制度は適用されていない。
 1審では、亡くなった男性の父親が被害者参加制度を申請して出廷、実刑判決を求めた。札幌地裁は今年2月の判決で「実刑が相当」としたが、被告側は控訴していた。
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「被害者参加制度の不備」「不公平招く」賛否両論の札幌高裁判断
産経ニュース 2009.8.28 00:46
  被害者参加の1審実刑判決を破棄した札幌高裁の判断に対して、識者の賛否は分かれた。
 諸沢英道・常磐大大学院教授(刑事法・被害者学)。「被害者が1審にしか参加しない場合の制度上の不備が明らかになった。被告の謝罪が遺族の気持ちを動かしたかどうかなどは、被害者にしか分からないはずだ。被害者が参加しない控訴審で1審の結論が簡単に覆れば、被害者はかえって腹立たしい思いをするのではないか」とコメント。
 一方、渥美東洋・京都産業大法科大学院教授(刑事訴訟法)の話「1審判決の実刑は、これまでの量刑基準からすると重すぎ、高裁が破棄した判断は理解できる。被害者の参加は、被告に反省を促したり、事実認定の証人として参加することには意味があるが、被害者の感情を刑に反映させるのは、不公平を招き望ましくない」とコメントした。

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