■従業員守れるか…自粛解除1カ月、歓楽街に賑わい程遠く 2020/9/25 ■中学生の素晴らしい記事「思いやりという名の薬」

2020-09-25 | 社会

栄・錦 従業員守れるか 自粛解除1カ月、にぎわい程遠く

  2020年9月25日 中日新聞 1面トップ 

  
  本来のにぎわいを取り戻せていない名古屋市中区の繁華街・錦三=24日夜(橋場翔一撮影) 

 悪印象広がり「お客さん戻ってこない」

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、名古屋市中区の栄、錦地区の歓楽街に出されていた営業時間短縮や休業の要請が解除されてから、二十五日で一カ月。人出は戻りつつあるが、本来のにぎわいには程遠い。飲食店関係者は、見通せぬ先行きに「いつまで持ちこたえられるのか」と不安を募らせる。 (赤川肇、今村節、梶山佑) 
 二十四日午後八時ごろ、繁華街・錦三で会った愛知県知多市の無職男性(68)は人通りのまばらな通りを眺めると、「二カ月ぶりに来たけど、まだガラガラ」と語った。これからキャバクラに向かうという。「マスクしていれば大丈夫だと思うけど」 
 愛知県と名古屋市は栄、錦地区の飲食店でクラスター(感染者集団)が相次いだことを受け八月五〜二十四日、対象地域を限定した上で、接待や酒の提供を伴う飲食店などに午後八時までの時短営業や休業を求めた。応じた店には協力金として一日一万円を支給する。愛知県では四月中旬からの一カ月程度、地域を限定せずに接待や酒提供を伴う店に休業や時短営業を求めた。栄・錦の繁華街にとって八月の要請は、二度目の試練となった。
 スマートフォンの位置情報に基づく通信大手ソフトバンク子会社Agoop(アグープ)の集計では、対象地域にある栄駅周辺の平日夜の人出は最近、二度目の時短・休業要請前の7月中旬の水準に近づきつつある。ただ9月23日午後9時の人出は、前年の9月の午後9時の平均と比べると34%減。時短・休業要請対象外の伏見駅周辺が同じ比較で17%減であるのに比べ、落ち込み幅が大きい。
 「栄は危ないというイメージが広がって、お客さんは戻ってこない」
 名古屋市内で居酒屋9店舗を経営する男性(36)はつぶやいた。7月中旬からの感染拡大で、栄の2店舗の客は激減した。
 ただ、時短の要請には応じなかったという。栄の店舗は人件費や家賃などの固定費だけで1日10万円程度かかる。「協力金の1日1万円では、アルバイト1人分の日給にしかならない」
 会社全体で赤字は月200万~300万円。銀行からの借入金は5億円に上る。政府の助成金を申請し、約100人の従業員を雇い続けているが、受給期間が切れれば、持ちこたえられるかわからない。「もし倒産したら、従業員の生活を守れない」と語る。
 錦の老舗バー。アクリル板で仕切られたカウンターの向こうで男性店主(69)は「万全の対策を取っているが、客足は8~9割減ったまま。手の打ちようがない」と嘆く。「個人経営者のお客が心配して顔を出してくれるが、企業の人が全く戻ってこない。年末までこの調子だと、錦もダメかもしれない」と語った。

 ◎上記事は[中日新聞]からの書き写し(=来栖)
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〈来栖の独白 2020.9.25 Fri〉
 為政者の自粛要請を聴いた時、「夜の街をばい菌扱いし、『死ね』と言っている」と私は感じた。
 本日の上記事に接し、思い出されたのは、先日(9月21日 月曜日)読んだ中日新聞【発言】への投稿記事である。為政者の冷淡な差別に比して、12歳、田島及愛さんの発言記事。なんと賢明で、優しさにあふれていることだろう。以下である。

 思いやりという名の薬
 田島及愛 中学生(岐阜県川辺町)12歳
 パンデミック(世界的大流行)となった新型コロナウイルスの終息を目指して皆が思い思いに闘っています。しかしながらこの世にはもっとたちが悪い「ウイルス」があるのではないでしょうか。差別や偏見という名のウイルスです。
 人間を含めた生き物には免疫があって各種ウイルスを撃退していますが、現在のコロナ禍みたいに初めて体験する事態だと全体としての「免疫力」は低下し普段絶対に言ったりしたりしないことをしてしまうのかもしれません。結果、思いやりをなくし他人を傷つけてしまう差別や偏見に引きずられることだって十分に考えられます。
 新型コロナウイルスへの特効薬はなく、偏見や差別が人から人に感染していくのを止める薬もありません。でも誰にでもある「思いやり」という名の薬を投与し続けることが肝要だと私は考えます。


「夜の街」のリアル 『Newsweek』2020.8.4号

 
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