オザワ(小沢)現象はネットの外でも急速に広がっている

2010-11-30 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
シリーズ小沢一郎論(7) ── 危急存亡の秋(とき)とオザワ現象
日本一新の会 達増拓也(岩手県知事)
 岩手県ですら、いや、岩手県だからか、民主党政権に対する世間の風当たりは強い。柳田法務大臣辞任翌日の勤労感謝の日、地元支持者との集いで悲憤慷慨の風を浴びた。
 その前日、東京に行く用事があり、小沢一郎氏と面会する機会があった。小沢氏は、民主党政権が崩壊の危機であることを心配して、挙党体制の再構築の必要性を感じていた。
 この期に及んで、菅首相を支える体制強化の可能性を探るとは、なんと人がいいことか、と一瞬思ったが、このような危急存亡の秋(とき)だからこそ、国家・国民のために挙党体制を模索する、まさに王道である。小沢vs反小沢というような狭い了見にとらわれていない。私は不明を恥じた。しかし、菅首相からのSOS(=協力要請)は、その形跡が無い。
 一方、これは小沢氏との面会とは別の機会に別の信頼できる筋から得た情報だが、9月の代表選で菅氏を支持した有力者たちの間に、党代表=首相を人気のある現閣僚に替えて解散総選挙を打つ策動があるという。小沢氏が若手議員との会食の席上、解散総選挙の可能性に言及したのは、同じような状況判断をしていたようである。小沢氏が菅首相を支える体制を模索している一方で、菅首相の足元で菅降ろしの動きが出てくるという皮肉な展開になっている。
 私はこのシリーズの四回目で、菅内閣が行き詰ったら、強制起訴されていても小沢氏は臨時の民主党代表選挙に出るべきだし、民主党の国会議員は小沢氏を党代表=首相に選ぶべきだと書いていたので、そのことを小沢氏に話した。小沢氏は、黙ってうなずきながら聞いていた。否定はしなかった。検察審査会の議決による強制起訴が、小沢氏の政治活動を束縛できる筋合いのものではないと、本人も確信しているという感触を、私は得た。本人は、自分のことよりも菅首相のことを心配している。
 私が小沢事務所を訪れた時、事務所はシカゴの学校から来ていたアメリカ人生徒達の世話で慌しかった。日米草の根交流事業として、小沢氏が毎年取り組んでいるものである。シカゴの学校はオバマ大統領夫妻の地元、アフリカ系アメリカ人が多く住む地域にある。日中草の根交流の「長城計画」はマスコミに大きく取り上げられたが、日米の方も大きく取り上げて欲しいものである。
 小沢氏の秘書さんから聞いた話だが、最近、小沢氏が他の議員等と会食をする現場でテレビカメラを構えた報道陣が待ち受けていると、一般の人たちが「誰を待っているのか」と聞いてきて、「小沢さんだ」と教えると、出を待つ人が結構いるとのことである。そして小沢氏が出てくると「小沢さん、がんばって!」と声をかける由。普通の人たちが50人くらい出待ちをしていたこともあったそうで、他の政治家では起きない現象である。オザワ現象はネットの外でも急速に広がっている。
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投稿者:《THE JOURNAL》編集部 日時: 2010年11月29日 15:45 |

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