家族から虐待…19歳で4人殺害 元死刑囚が描いた少年犯罪の背景 展示会2019/4/24~5/6

2019-04-26 | 死刑/重刑/生命犯

家族から虐待…19歳で4人殺害 元死刑囚が描いた少年犯罪の背景

  東京新聞 2019年4月24日

 四人を殺害した犯行当時は十九歳で、一九九七年に死刑が執行された永山則夫元死刑囚の絵や著書を集めた展示会が二十四日から、北区の書店「青猫書房」(赤羽二)で始まる。警察の調書として残されたイラストなど約三十点を紹介。逮捕から五十年の節目に、現代に通じる少年犯罪の背景を社会に提起する。五月六日まで。(中村真暁)

 展示会は、区内で永山元死刑囚の遺品を公開している「いのちのギャラリー」(志茂二)の主催。「後ずさりし、逃げようとしているみたいで驚いたわ」。ギャラリーを運営する市原みちえさん(73)は、調書に元死刑囚が描いたイラストの複写を見て語る。

 警備員を殺害する直前の描写だが、市原さんは、元死刑囚の片足に着目した。「取り調べで本人はほとんど話さなかったが、イラストから追い詰められた少年の心理が見えるようだ」と考える。

 元死刑囚は北海道網走市の貧しい家庭に生まれ、家族から虐待も受けた。集団就職で上京後の一九六八年、盗んだ拳銃で四人を射殺、翌年四月に逮捕された。獄中では罪と向き合おうと懸命に勉強し、多くの文学作品を発表。九七年に四十八歳で刑が執行された。

 ベストセラーになった手記「無知の涙」を読んだ市原さんは、元死刑囚と手紙のやりとりや面会を重ねた。最後の面会は執行の四日前。段ボール箱約百二十個の遺品を引き取った。

 児童虐待が繰り返され、世代間で連鎖する例もみられる現状に対し、市原さんは「子どもが健全に育つことは、大人、社会、国の責任」と指摘する。「どうすれば社会をよくできるかが問われる中で、『第二、第三の永山』を出さないためにできることを、永山はのこしている」

 展示会「ながやまのりおがのこしたもの」は、午前十一時~午後七時(日曜は同五時、最終日は同六時)。火曜定休。入場無料。二十七日午後一時から、元死刑囚の裁判などを支援した武田和夫さんによるトークイベントを開催(参加費千円)。期間中、関連映画の上映やコンサートも。問い合わせは、いのちのギャラリー=電090(9333)8807=へ。

  写真

     事件当時を再現する永山則夫元死刑囚による絵の複写

 ◎上記事は[東京新聞]からの転載・引用です

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<少年と罪>第7部 さまよう家族 (6)遺言 永山則夫事件

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死刑囚 永山則夫の花嫁  「奇跡」を生んだ461通の往復書簡 2017/2/25

   

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永山則夫事件 判決文抜粋(所謂「永山基準」) 

正義のかたち:裁判官の告白/1 永山事件・死刑判決 2008-04-13   

死刑とは何か 大谷恭子さんインタビュー 不登校新聞 2010-07-28 

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