死刑囚の再審請求へ 94年、三重の連続強殺
2009年8月20日 中日新聞夕刊
1994年に当時の三重県久居市(現・津市)で男性2人が射殺されて金が奪われた事件で、強盗殺人罪などに問われ2007年に死刑が確定した元会社役員、浜川邦彦死刑囚(49)が21日、津地裁に再審請求する。代理人の伊藤誠基弁護士が20日明らかにした。浜川死刑囚は95年に強盗殺人容疑で逮捕されてから「現場にも行っていない」と一貫して容疑を否認、凶器の拳銃は見つかっていない。津地裁は02年、事件に関与した無職の金東錫受刑者=無期懲役が確定、服役中=が「浜川被告が射殺した」と話した供述の信用性が高いと判断。凶器の拳銃は、暴力団員が浜川死刑囚に渡し、その後、別人に渡って所在不明になったと認定。浜川死刑囚が殺害の実行犯として死刑を言い渡した。名古屋高裁は04年、一審判決を支持。最高裁は07年、浜川死刑囚の上告を棄却、死刑が確定した。
伊藤弁護士によると、金受刑者の友人である三重県の男性(43)から「金受刑者が『暴力団員から拳銃を受け取った』と言っているのを聞いた。浜川死刑囚の手には渡っていなかったはずだ」という新証言を得たという。「新証言で、判決が認定したストーリーが崩れる。事件を再検討してもらう必要がある。浜川死刑囚は冤(えん)罪だ」と主張している。
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◇ 浜川邦彦死刑囚が津地裁に2度目の再審請求 2015.6.29 三重の男性2人射殺
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